深夜特急 新版(3) の商品レビュー
深夜特急3.沢木耕太郎 カルカッタへ向かった筆者、インド特有のカオスな環境で正気をみなぎらせたかと思うと、ネパールのカトマンズでは降りしきる雨に陰鬱な気持ちになっている。ベナレスでは生と死が隣り合わせの環境でじりじりと気力体力がうばわれて、、デリーへの強行移動の先が思いやられる
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文庫版第2集のインドシナ半島でやや失速した沢木耕太郎の「深夜特急」の旅であるが、この第3集でインド・カルカッタに到着し、活気を取り戻す。私自身は、インドはムンバイに1度だけ、それも出張で豪華なホテルに2泊しただけなので、インドについては、何も知らないのと同じであるが、少しだけ街歩...
文庫版第2集のインドシナ半島でやや失速した沢木耕太郎の「深夜特急」の旅であるが、この第3集でインド・カルカッタに到着し、活気を取り戻す。私自身は、インドはムンバイに1度だけ、それも出張で豪華なホテルに2泊しただけなので、インドについては、何も知らないのと同じであるが、少しだけ街歩きに案内してもらい、ここが他にはない独特な場所であることを感じたことは覚えている。私自身は、どちらかと言えば苦手な場所だったので、沢木耕太郎がインドで活気を取り戻るのを、不思議に思ったというか、うらやましく思った。 文庫版は、巻末に対談が掲載されている。第1集で山口文憲、第2集では高倉健。この第3集では、此経啓助さんという方が対談相手になっている。此経さんは、沢木耕太郎が、インドのブッダガヤで会った一般の人であるが、作中で沢木耕太郎が描く人物像、また、実際に対談で話をされている話ぶりが、とても素敵な人である。日本で大学の助手をしておられたのであるが、何かのきっかけで、ブッダガヤに住まれることになり、結局、日本のお母様が体調を崩されたという連絡を受けて帰国するまで7年間、インドにおられた方だ。旅人なのであるが、肩に力の入っていない自然体の素晴らしい方だ。沢木耕太郎の旅行記も勿論面白いのであるが、此経さんの旅行記があれば、是非、読んでみたいと思った。
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バックパックを背負ってインドへ行き、色々な出来事に遭遇し、トラブルも続き、なんとか帰国してから読んだら、感慨深かった。
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約25年ぶり2度目。 大学生だった25年前は、いつかインドに行きたいと思いながら読んだ。その25年後、若い時、インド行っとくべきだったなと思いながら読んだ。 時間は戻って来ない。
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自分には決して真似の出来ない旅を疑似体験することができるのが大きな魅力。インドは、やはり奥の深い国と再認識。
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インドはtoo poorでカオス過ぎる。。。 今はきっとこの頃のような治安の悪さ、貧困さは改善されているだろうけど、、 世界は広いなぁ 必死に生きるインド人の表と裏、光と影、胸が締め付られるような場面もあって面白かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今作を読んで一番行きたくなった場所は、カトマンズだった。筆者がカトマンズを訪れたタイミングは良いとは言えなかった上、逃げるように去ったように描写されていたが、どこか魅力を感じた。ハシシ中毒で死んだ青年、現実から逃げている旅人たち、その全てに生の人間らしさを感じ、生きている生々しさを感じた気がする。 そして、最も衝撃を受けた場面はカルカッタの身売り少女だ。7,8歳のようであると描写されており、私はその年代の時何をしていただろうと考えた。 1,2作と読んできて、最も闇に包まれたような気分になった巻だったが、バラナシにはとても神秘的な気持ちになった。ガンジス川の衛生面の悪さには驚いたが、興味が湧いた。
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インドと聞いただけで良くも悪くも凄いものを想像してしまうが、そのさらに上をいく内容の濃さでした。 自分にこの旅は到底真似できないとは思いつつも、ある意味でこの経験は他には変えられないだろうという、羨ましさも感じました。
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インドは凄まじい 実際に見た様な気になって書くが、凄まじさが十分に伝わってくる 物乞いや身を売る少女、ガンジス河のほとりで焼かれる死体達。 日本に生まれた事が本当に恵まれてるとおもわざるを得ない状況に苛まれる。 同じ空の下でこんなにも違うものか もしかしたら空すらも同じでは無いの...
インドは凄まじい 実際に見た様な気になって書くが、凄まじさが十分に伝わってくる 物乞いや身を売る少女、ガンジス河のほとりで焼かれる死体達。 日本に生まれた事が本当に恵まれてるとおもわざるを得ない状況に苛まれる。 同じ空の下でこんなにも違うものか もしかしたら空すらも同じでは無いのかもしれないと思ってしまう しかし、著者の逞しさも目を見張るものがある 俺にはここまで逞しくなれるものかな、なんて思ってしまう インド、興味深い、が、行けるかな。 とゆうか生きれるかな、あの街で 恐らく自分の想像をあらゆる角度から超えてくるだろう カースト制度にも、考えてしまうものがある 支配階級による差別は、インドでは当たり前で、私も一応在日韓国人なのだが、差別なんてのはほぼなかった、無い時代に生まれた訳で、黒人差別などよりももっとわかりやすく、明確に最下層の人間は虐げられている それはインドの国の在り方として仕方がない事なのかも知れないが、暗い気持ちになってしまうのだ。 インドの列車やバスなど、私も20代頃にそんな旅をしていれば良かったと、後悔してしまう 7、8歳の女の子が、日本円にしたら恐らく1000円にも満たない値段なのかな?そんな値段で身を売ってるらしい 衝撃を通り越して、絶望に近い あまりの事に声が出ないが、それが現実なのだろう。 書かれている頃から40年近く経っているが、恐らく劇的に状況はよくなってる訳ではないだろう。 心に突き刺さる内容が多岐に渡った。 インドは地球上で、最も人間の深淵をえぐってくる土地だ。行った事ないが、深夜特急を読んでいると、そう思えてくる。 日本にいても、思わず頭によぎってしまう。 この国に生まれた自分の幸福を コレから、どんな世界になるのだろう 戦争が起こるかもしれない。 いつの時代も、どんな場所でも、明日を信じる事は難しいけど、試されるてるんだ 自分が死んだ時、どれだけ明日を信じて生きられたか、それの裁定が下る。 もしかしたら、人生とはそう言うものなのかもしれない。 ブッダの生まれた国を少し学べて、そう思った 神の国を思って 明日はどっちだ
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80年代の後半のインドはきっと凄惨なものだったのだと思う。隙あらば騙して金を多く得ようとするリキシャの運転手、百円足らずで自分の身体を売ろうとする少女、老と病と死が隣合せの場所。 個人を責めるという気になれない、ままならない、解釈を挟む間もない場所。きっと今の私は訪れても耐えら...
80年代の後半のインドはきっと凄惨なものだったのだと思う。隙あらば騙して金を多く得ようとするリキシャの運転手、百円足らずで自分の身体を売ろうとする少女、老と病と死が隣合せの場所。 個人を責めるという気になれない、ままならない、解釈を挟む間もない場所。きっと今の私は訪れても耐えられない。それでもそれが現実として存在することは、理解しなくてはいけないと思う。
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