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だから、もう眠らせてほしい の商品レビュー

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36件のお客様レビュー

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2020/08/25

緩和ケア医の西智弘さんの書く、安楽死と緩和ケアの話。 西先生が実際に看取った患者さんの話に、安楽死や緩和ケアを深く考えている方たちとのやり取りを通じて、私達に安楽死と緩和ケアについて考えさせてくれる良書。 西先生が担当した3人の末期がんの患者さんとの対応にあたったときの葛藤が...

緩和ケア医の西智弘さんの書く、安楽死と緩和ケアの話。 西先生が実際に看取った患者さんの話に、安楽死や緩和ケアを深く考えている方たちとのやり取りを通じて、私達に安楽死と緩和ケアについて考えさせてくれる良書。 西先生が担当した3人の末期がんの患者さんとの対応にあたったときの葛藤が見えたことで、医療者も悩んでいること、いろいろな考え方があるということ、それがよくわかった。そして、自分が安楽死を求める患者側になったとき、何を考えるべきなのか(というのか、どう考えてしまうんだろう)ということにちょっと触れることができて有意義だった。

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2020/08/18

緩和ケアを行っている医師が自分自身が受け持つ患者とのやりとりの中で安楽死について考えていく。 癌患者である幡野広志さんや安楽死についての著作があるジャーナリストの宮下洋一とのそれぞれの立場から見た安楽死の考えはとても考えさせられます。 対立するような意見もそれぞれに説得力があ...

緩和ケアを行っている医師が自分自身が受け持つ患者とのやりとりの中で安楽死について考えていく。 癌患者である幡野広志さんや安楽死についての著作があるジャーナリストの宮下洋一とのそれぞれの立場から見た安楽死の考えはとても考えさせられます。 対立するような意見もそれぞれに説得力があり、それだけにこれらの問題をまとめていく、ましてや法制化していくことの困難さを感じます。 読み終わった後に何か答えを見つけられたというよりは答えのない迷路に入っってしまったような感覚がある。 それでもこの本は読んで良かったと言えます。おすすめです。

Posted byブクログ

2020/08/16

過去に点滴で生かされて空を見つめるご老人たちの病室をみて、自分もこうなるのかと怖くなり安楽死が日本でも可能にならないかなとずっと思っていた。 この本を読み、以前とは別の意味を安楽死に対して思う。 緩和ケアの詳細。患者さんととりまく家族や親戚、医者との必ずしも患者本人とは一致しない...

過去に点滴で生かされて空を見つめるご老人たちの病室をみて、自分もこうなるのかと怖くなり安楽死が日本でも可能にならないかなとずっと思っていた。 この本を読み、以前とは別の意味を安楽死に対して思う。 緩和ケアの詳細。患者さんととりまく家族や親戚、医者との必ずしも患者本人とは一致しない決断。 対話せずに、結論を急いでは絶対いけない問題だと。 見解が違う者同士が、どちらが是が非かを競うのではなく、対話することにより、導き出される新しいこたえ。それは普遍ではなく、個人、時代や環境によって一つではないということ。 選択肢の一つとしての安楽死だと。 筆者あとがきの、人の死は3つある。 肉体の死、精神の死、社会的な死。 今の時代、3つめの社会的死に向き合っていくことが 安楽死制度の導入を進めるより急務だと感じた。 読んで、出会えて良かった一冊。

Posted byブクログ

2020/08/04

がんの苦痛と比べるとものすごく軽いものだと思うが、私は首がとても痛い。 痛みは麻痺して吐き気と頭痛が常にあり、息が苦しくて眠れない。 心療内科での治療が、無駄だったとは思わない。 でも、心療内科の先生は、生理痛に対しても痛み止めをくれなかった。 歯医者の痛み止めを飲んでいると言う...

がんの苦痛と比べるとものすごく軽いものだと思うが、私は首がとても痛い。 痛みは麻痺して吐き気と頭痛が常にあり、息が苦しくて眠れない。 心療内科での治療が、無駄だったとは思わない。 でも、心療内科の先生は、生理痛に対しても痛み止めをくれなかった。 歯医者の痛み止めを飲んでいると言うと、癖になるから止めなさい、というだけだった。 歯医者の痛み止めを飲むと、生理痛がなくなるだけではなく、気持ちも明るくなった。それを言うとますます痛み止めを厳しく止められた。 ぎっくり腰で形成外科にかかったとき、注射をされて、思わず「苦くなくなりました!息ができます!先生すごい!」と言ってしまった(笑) ここでストレートネックであることが分かり、処方された痛み止めを使っていたら、心療内科の薬がとても少なくなった。 痛みが続くと、体は麻痺する。代わりに悲しくなる。生きていたくなくなる。 そんなことがあった。 理想的な死、と言うものを考えると、複数の人が「あれは見事だった」という死に方がある。 お風呂に入り、好物のお酒を少し飲み、こたつで時代劇を見ながら「あれ、おじいちゃん息をしていない」と亡くなったり。 前日美容院に行き、翌日起きてこないまま亡くなったり。 山が好きで好きでたまらない人が山で亡くなったり。 ああはなりたくない、という死に方もある。 延命措置を受けて体中管だらけになり、意識朦朧として亡くなったり。 長い入院の果てに誰からも忘れ去られて亡くなったり。 腐り果てた遺骸で見つかったり。 あれは嫌だという死に方を、医療関係者が進めるのは何故だろう。 そもそも病気になった弱った状態で、たらい回しをされる現状。 ここではダメです、と言われ続けるのは、受験や就職活動で複数落ちた経験があるなら想像はできる。 その「ダメです」が、衣食住すべてにおいて言われ続け、たらい回しをされ続ける、現在の状況。 痛みは患者が感じるもので、医者が感じる物ではない。 「耐えがたい苦痛」が、本人の自己申告でしかない以上、医者がそれを信じてくれなければ薬ももらえない現状。 その人間が「自分の尊厳」であると信じているものが奪われ、永遠に戻ってこなく、代替えも見いだせない状況が「好転しますよ」としか言えない医者や看護師を信用する気にはならない。 さらにその医者や看護師が、患者であり障害を抱える事になった自分よりも社会人である身内の意見を優先するとなったら。 だったら、まだ自分に体力があるうちに、最後の自分を守る手段として医者による自殺幇助を受けたいと思うのは、ごく当たり前のように感じる。 まず、苦痛なく生きること。 次に、病気になってしまったら苦痛を受けることなく治療できること。 治療ができるできないに関わらず、生きていてよいのだと肯定されること。 自分にとって生きる、死ぬとはどういうことか静かに考える時間が十分に取れること。 周囲の人とそれを共有する時間と余裕があること。 その上で、満足した死に方をすること。 この順番には納得がいく。 ---- P99辺りからの「自分の事は決められないけれど、他人のことは決められる日本人」というのにとてもしっくりきた。 安楽死反対派の死への同調圧力とともに、今の日本では生への同調圧力が強い。 P16 >日本には安心して死ねる場所がない これは本当にそうだと思う。 妊活をして産まれて、幼稚園から大学まで受験して、会社に入って、婚活をして、妊活をして、終活をして。 スナック菓子のベルトコンベアみたいに流されていって、不良品は跳ね出して。 賞味期限内の正規品だけが正しい国民みたいだ。 P46 安楽死と尊厳死の違いについて。 ・積極的安楽死…医師が注射など手を下す。 ・医師による自殺幇助による安楽死…医師は薬などを患者に手渡す。 ・消極的安楽死、もしくは尊厳死…本人の意志に従って、苦痛を止める以外の医療行為を止める。 P177 「言葉をふるまう」 これ、すごい。この言葉がすごい。

Posted byブクログ

2020/07/23

安楽死とは。緩和ケアとは。 耐えがたい苦痛とは。 死に向かう際の過ごし方について、話し合い、対応してこられた医師による、現場からの声。 そこに人がいること、そしてそこにいる人の存在を感じることのできる本でした。

Posted byブクログ

2020/07/20

また死について考えていた。死を考えることは生を考えること。 ここで出てきてる人は別にガンではなくとも同じような選択をするんだと思う。もしかしたらガンでよかったのかもしれない。 安楽死、持続的な深い鎮静、自殺幇助… 方法はともかく迫る死への選択と希望。 完璧な処方箋はない。

Posted byブクログ