深夜特急 新版(2) の商品レビュー
初めて日本以外の海外を意識した瞬間というのは人によって大きく違うだろう。一般論的に言えば、海外を旅する、というのがその瞬間の王道であると思う。しかしながら、直接旅をしなかったとしても間接的に海外、ひいては世界を意識するというのは可能でもある。 私自身にとって海外を意識したのは、...
初めて日本以外の海外を意識した瞬間というのは人によって大きく違うだろう。一般論的に言えば、海外を旅する、というのがその瞬間の王道であると思う。しかしながら、直接旅をしなかったとしても間接的に海外、ひいては世界を意識するというのは可能でもある。 私自身にとって海外を意識したのは、大沢たかおが主演する本書のドラマ版であった。というのも、高校1年生のとき、必修の地理の授業で教師が授業時間を使ってこのドラマの映像を流してくれたからである。とはいえ、全体のストーリーなどは忘れてしまっていて、強烈に印象に残っているのは冒頭の香港の猥雑なシーンくらいなのではあるが(ただし、それは大学生になって初めての海外旅行で香港を訪れ、深夜特急にも出てくるチョンキンマンションに滞在した、という影響も大きいかもしれない)。 高校1年生のときから、四半世紀の年齢を重ねた今、ロバートキャパの一連のノンフィクション等で著者の作品を読んではいるものの、その原点たる本書を読んでいなかったということで、5月の連休を利用して一気に読んだ次第。 広い意味では旅行記という括りになるだろうが、実際にユーラシア横断の旅をしてから、かなりの年月を経て本書が執筆されたという経緯もあるのだろうが、単なる事実や時系列の積み重ねには堕しないストーリーテリングの才に満ち溢れている。そして本書を読むことで強い旅情を誘われるのは、やはり本書の持つ高いエネルギーの力に他ならない。
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沢木耕太郎には響かなかったマレー半島。 私は大好きなんだけどなぁ、とくにタイ。 年齢、季節、出会い、経験値…旅はその人のタイミングによって、だいぶ感じ方が変わるもの。 著者は香港で感じたなにかがよほど強かったのだろう。 それでも、現地の人や旅人との出会いを楽しんでいる様子にワク...
沢木耕太郎には響かなかったマレー半島。 私は大好きなんだけどなぁ、とくにタイ。 年齢、季節、出会い、経験値…旅はその人のタイミングによって、だいぶ感じ方が変わるもの。 著者は香港で感じたなにかがよほど強かったのだろう。 それでも、現地の人や旅人との出会いを楽しんでいる様子にワクワクします。 日本ではつつましい生活をしている人も、後進国に来てしまうとレートの違いでお金持ちになってしまうこと。海外旅行をしている、というだけでお金持ちであるということ。それなのに、現地の人々は気前よく食事を奢ってくれたりすること。 この辺の事に対する考え方は、この本で学んだ気がします。
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著者の好奇心、人との出会い、未知の土地での生活 旅に出るきっかけを知ることができる。 先の事を考えすぎ不安が先走り日々モヤモヤしている私の心に若かりし頃の自由気ままな思い出が甦る。たくましく生きる子供達の事を思うと甘ちゃんな自分が恥ずかしくなる 香港の幻影ばかり追い求めていた...
著者の好奇心、人との出会い、未知の土地での生活 旅に出るきっかけを知ることができる。 先の事を考えすぎ不安が先走り日々モヤモヤしている私の心に若かりし頃の自由気ままな思い出が甦る。たくましく生きる子供達の事を思うと甘ちゃんな自分が恥ずかしくなる 香港の幻影ばかり追い求めていたことに気づいた著者 次の旅にどう影響が出るのか出ないのか…
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香港を離れインドシナ半島へ。主人公は刺激的な香港を求めて旅をし、どこへ行っても物足りなさを感じる。読み手も少し物足りなさを感じ、早くインドへ行きたいと思う。
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マレー半島やシンガポールは香港ほどの興奮がないと書かれていたが、最後の最後でそれは筆者の内面的な問題が原因と気づいており、そのための1冊だったのではないかと思った。 タイ・マレーシア・シンガポールの3か国での旅が描かれている。 タイはとにかくいい加減でつまらんという調子で描かれていたが、バンコクのあの混沌とした雰囲気のどこがつまらないのかと問いたくなった。 寺院のあの豊かな色彩やキックボクシングのあの無秩序さがまさにタイという感じだろう!と言いたい。 筆者は現在もタイはつまらないと思っているのか、気になる。 日本人の友人を紹介してほしいというタイ人は謎だった。どういうことなのだろうか。 マレーシアのペナン、娼婦の宿の話は非常に面白いと思った。 まさか娼婦が養っているヒモがいるとは。 そんなペナンのヒモ男が日本企業は他の外資企業と比べて、単純な労働を必要最低限の賃金で雇っていることを批判していたが、当時から現在まで状況が変わっていないと感じた。 上手いやり方なのだろうが、うーん。 1週間もしないうちにマレーシアに行く予定を立てているが、ペナンも含めるべきだったと少し後悔している。 シンガポールは当時からマレー半島諸国の中では物価が高い街だったのかと再確認できた。 開発されていてつまらないというような描かれ方をしていたが、激しく共感。 旅行の醍醐味は思いっきり異なる文化に触れることだと考える。 シンガポールは現代的すぎて物足りなく感じそう。 ニュージーランドの新米バックパッカーに東南アジアの旅の手ほどきをしている場面は親しみを感じられた。 旅を終えた後、筆者と再会しているといいな〜。
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「シンガポールは香港とは違う。私はそれに気づいたことで初めて、なぜシンガポールが自分にとってかくも退屈でつまらないのかの原因がわかったように思えた。私はこのシンガポールに香港のコピーを求めていたらしいのだ。」「香港とは別の楽しみ方が発見できてさえいれば、バンコクも、クアラルンプー...
「シンガポールは香港とは違う。私はそれに気づいたことで初めて、なぜシンガポールが自分にとってかくも退屈でつまらないのかの原因がわかったように思えた。私はこのシンガポールに香港のコピーを求めていたらしいのだ。」「香港とは別の楽しみ方が発見できてさえいれば、バンコクも、クアラルンプールも、このシンガポールも、もっともっと刺激的な日々を過ごすことができたのかもしれない。」どこに行っても楽しめることができるのが理想的です。そういう意味では急がない旅が必要となると思う。ある意味そこに住んで日々を楽しむということ。しかし難しい。同じような生活の中にも興味を惹くものが見つかることがあるし、見逃すこともある。自分の気持ちに素直でなければ、楽しめることなのに楽しめない。そんないくつかのタイミングで左右されることもある。楽しめたらラッキーと思うくらいの方が気が楽かもしれない。何が何でも楽しむ必要もないしね。
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「未来を失うという刑の執行を猶予してもらうことが重要だった」だから日本を飛び出した。 この考えにとても共感した。年を取るごとに縛られる感覚があり、そんな感覚に対して執行猶予がほしいから、もどかしいのかもしれん。
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深夜特急1を読んでから、約1年越しに2を読みました。1が面白かったので、続きは絶対に読もうと思っていましたが、気がついたら1年経っていました…。しかし、久しぶりに読んでもやはり本シリーズはまだ見ぬ世界へと連れ出してくれ、1年前のワクワクした感情をいとも簡単に呼び覚ましてくれました...
深夜特急1を読んでから、約1年越しに2を読みました。1が面白かったので、続きは絶対に読もうと思っていましたが、気がついたら1年経っていました…。しかし、久しぶりに読んでもやはり本シリーズはまだ見ぬ世界へと連れ出してくれ、1年前のワクワクした感情をいとも簡単に呼び覚ましてくれました。すごく大きな出来事が起こるわけではないが「何が起きるかわからない」ところがハマります。1を読んだ時は、風景の描写が印象的でありましたが、2では予期せぬ異国の人々との関わりが印象に残りました。 また、旅に出たくなったら読みたいと思います。
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深夜特急2.沢木耕太郎 熱狂のマカオを後にした作者がマレー半島に渡る。安宿を求め、娼婦館にたどり着く展開は同じだが、タイやマレー半島では興奮がない。香港マカオを投影して、比較をしてしまう筆者の気持ちを理解できた。印象的な国のあとに行く旅行はどうしてもその思い出をひきずる。
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近年の日本の活気のなさに退屈して今夏ハノイに行った。旧市街は活気に満ち溢れ、そこでの体験は刺激的なものだった。ここでの体験が素晴らしかったため、いずれ東南アジアを巡る旅にでたいと思っていた。そんなときこの本を読んだ。作者が香港の熱気を求めて東南アジアを巡ったように、私もベトナムの...
近年の日本の活気のなさに退屈して今夏ハノイに行った。旧市街は活気に満ち溢れ、そこでの体験は刺激的なものだった。ここでの体験が素晴らしかったため、いずれ東南アジアを巡る旅にでたいと思っていた。そんなときこの本を読んだ。作者が香港の熱気を求めて東南アジアを巡ったように、私もベトナムの活気を求めて東南アジアを旅したいと思っていたのかもしれない。旅に出る前に旅の楽しみ方を教えてくれた本だった。
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