深夜特急 新版(2) の商品レビュー
係員の適当な情報に踊らされて右往左往、前の客が使って軽く拭いただけのコップ、ぼったくり、汚いトイレ… 旅行をするとあり得ない経験をすることもありますが、それも何故だか忘れられないネタになり、また旅に出たくなります。そんな病みつきになる刺激がたくさん詰まった本だと思います。 ...
係員の適当な情報に踊らされて右往左往、前の客が使って軽く拭いただけのコップ、ぼったくり、汚いトイレ… 旅行をするとあり得ない経験をすることもありますが、それも何故だか忘れられないネタになり、また旅に出たくなります。そんな病みつきになる刺激がたくさん詰まった本だと思います。 そしてそんな刺激について、 旅は自由を与えくれる、と描写されているところが ますますこの本にハマってしまう理由の一つかなと思いました。 (自由=自分のつまらない常識、固定観点から解き放ってくれる) まるで自分も旅をしてるかのように、 面白くてさくさく読めてしまいます。 インド編も楽しみです!
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面白くて一気に読んでしまった。それにしてもこの著者のコミュニケーション能力はすごいな。すぐに地元の人と仲良くなってしまう。
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著者は現地の人の暮らしに溶け込み観光地が見せる表の姿ではなく国民がどんな生活を送り社会と関わっているのかという本当の国の姿を垣間見ようとしている点に毎度尊敬する。 その土地の人が勧めてくれた宿や店を辿れば普通の観光では出会う事が出来なかったであろう沢山の人との出会いがありそこ...
著者は現地の人の暮らしに溶け込み観光地が見せる表の姿ではなく国民がどんな生活を送り社会と関わっているのかという本当の国の姿を垣間見ようとしている点に毎度尊敬する。 その土地の人が勧めてくれた宿や店を辿れば普通の観光では出会う事が出来なかったであろう沢山の人との出会いがありそこに彼らの暮らしがある。 宿には必ずといっていいほど怪しげな人が来る。しかし彼らは必死に今を生きようとしている。職業を選ぶ事が出来たなら今の様な仕事はしていなかったのかもしれない。これもまた暮らしの事実なのだろうと考えさせられた。
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1巻を読み終えてから70日以上空けて2巻読了。 マカオからシンガポールまで。 本巻の旅程中、行ったことがあるのはタイだけなので、当時(1974年頃)と今を自らの体感として比べることは出来ないが、圧倒的な熱量と喧騒は1巻から変わらず。 筆者は、香港と同じレベルを期待すると裏切ら...
1巻を読み終えてから70日以上空けて2巻読了。 マカオからシンガポールまで。 本巻の旅程中、行ったことがあるのはタイだけなので、当時(1974年頃)と今を自らの体感として比べることは出来ないが、圧倒的な熱量と喧騒は1巻から変わらず。 筆者は、香港と同じレベルを期待すると裏切られるが、そもそもそれぞれ固有の都市に対して香港的なものを期待すること自体が間違っている、との悟りに至る。 格安売春宿における娼婦とそのヒモとの交流は読んでいる分には楽しい。自分が著者の立場だったら同じように楽しめるかはよく分からない。 1巻では、著者のことをなんとなく、学生パックパッカーと思い込んでいたが、実際は、26歳のフリーランサー。50年前にこんなぶっ飛んだお兄さんがいた、というのは嬉しい。
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あっという間に、 読み終えてしまった。 次の本も、買おうと思います。 とにかく、面白くて、ついつい、 毎回、 最後の方は、 読むスピードが上がります。 高倉健さんとの、対談も、 とても興味深かったです。 とっても面白い本との出会いに感謝。 続きも、楽しみです。 ありがと...
あっという間に、 読み終えてしまった。 次の本も、買おうと思います。 とにかく、面白くて、ついつい、 毎回、 最後の方は、 読むスピードが上がります。 高倉健さんとの、対談も、 とても興味深かったです。 とっても面白い本との出会いに感謝。 続きも、楽しみです。 ありがとうございました。
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著者は、香港・マカオからバンコクへと飛ぶ。ここで見つけた安宿の名はゴールデン・プラザ。香港で常宿として利用したゴールデン・パレスと似た名前で、ここもまた、売春宿だったボーイがしつこく女性を斡旋に来るのに辟易した著者は、翌日、宿を変える。 著者にとって、バンコクは交通騒音がすさまじ...
著者は、香港・マカオからバンコクへと飛ぶ。ここで見つけた安宿の名はゴールデン・プラザ。香港で常宿として利用したゴールデン・パレスと似た名前で、ここもまた、売春宿だったボーイがしつこく女性を斡旋に来るのに辟易した著者は、翌日、宿を変える。 著者にとって、バンコクは交通騒音がすさまじく、街を行く人々の表情には鋭さ、暗さ、疲労感が漂っており、関わり合えても、深いところで了解できない場所。 香港やマカオでの興奮が感じられないことにも、場違いな思いにかられ、鉄道でマレー半島を南下、一路シンガポールへと向かう。 途中、滞在したペナンの娼婦の館では、陽気な女たちとそのヒモになっている若い衆との交流があり、著者には、それが居心地のいい空間になった。これについて書かれているのが第5章で、およそ100ページに及び、本書のハイライトとも言える。 少年時代を過ぎてから大勢で遊ぶことが得意でなくなった著者にとって、彼らと映画やピクニックに出かけるなど、意外なくらいの振舞いをしたとのこと。彼らの飾り気のない陽気さに巻き込まれたそうだ。 シンガポールでも、様々な人と出会うが、やはり、刺激が乏しく、物足りなさを感じ、好奇心が磨耗したような気分を味わう。ただ、世界一周の旅をしている二人のニュージーランドの若者との出会いは著者の心を動かした。3~4年もかけて旅を続けるという二人の旅行感が、著者に自らの旅の意義を見つめ直したり、過去の自分を振り返るきっかけを与えた。 大学を卒業し、就職した会社を1日でやめたこと、大学のゼミの教官が紹介してくれた雑誌社でルポライターになりながら、それも天職と思えなくなったこと、そして、仕事の依頼をすべて断り、未来を失う「刑」の「執行猶予」を望んで出た旅などが述懐される。 巻末には高倉健との対談が収録されているが、独特の世界にいる二人の話しが面白い反面、平々凡々の生活を送っている自分には何か禅問答のようにしか伝わらないところもあった。
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1巻の、何かに取り憑かれたかのような熱狂と禍々しさが薄れ、形骸化しつつある旅を自覚する沢木耕太郎。それを言語化し、それでも旅は続くということに旅の本質があるとでも言いたげな2巻。 売春宿を本拠地にして、束の間の友情を育んでみたり、そっけなく出発してしまったり、何かに固定され抱か...
1巻の、何かに取り憑かれたかのような熱狂と禍々しさが薄れ、形骸化しつつある旅を自覚する沢木耕太郎。それを言語化し、それでも旅は続くということに旅の本質があるとでも言いたげな2巻。 売春宿を本拠地にして、束の間の友情を育んでみたり、そっけなく出発してしまったり、何かに固定され抱かれることを厭う心性が、20代半ばにたしかにあったよね、と語りかけてくるよう。そして読者は、自らの青春ってやつを振り返っては赤面するのさ。 子供の頃に買い物に行かされた豆腐屋のくだりは自分も体験した世代なので、胸を締め付けられた。 道端に置いてあった大豆の搾りかすの塊とその腐臭に魅了されたあの頃をいとおしく思う。
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香港を経て、マレー半島からシンガポールへ。 マレー半島最南端まで来ても、香港に後ろ髪を引かれている様子が素直に伝わってきた。 巻末に、旅を素材にしたミニエッセイがついている。2巻は少年時代の思い出、がテーマだった。 ユーラシア大陸を横断した経験がしっかりと引き出しにしまわれて、...
香港を経て、マレー半島からシンガポールへ。 マレー半島最南端まで来ても、香港に後ろ髪を引かれている様子が素直に伝わってきた。 巻末に、旅を素材にしたミニエッセイがついている。2巻は少年時代の思い出、がテーマだった。 ユーラシア大陸を横断した経験がしっかりと引き出しにしまわれて、その前後の経験と上手くリンクさせていると思った。 人生のある時点での強烈な経験はその後の人生を温め、救ってくれるものだなと思った。自分にはそんな引き出しが果たしてあるのだろうか。無ければこれからでもまだ間に合う、そう思わせてくれた。
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前作を読んでから間があいてしまったが、この本単体でみると★4だが、前作と比較すると★3だ。 著者も終盤で気づいているが、香港の熱気や怪しさを探し求めており、香港は香港で別物であり、シンガポールにはシンガポールならではの魅力があったはずなのだ、そこへ目を向けていなかったばかりに拾...
前作を読んでから間があいてしまったが、この本単体でみると★4だが、前作と比較すると★3だ。 著者も終盤で気づいているが、香港の熱気や怪しさを探し求めており、香港は香港で別物であり、シンガポールにはシンガポールならではの魅力があったはずなのだ、そこへ目を向けていなかったばかりに拾うことができなかった。 勿論、今作も面白かった。 宿に泊まるとここぞとばかりに女を売りに来るボーイ達や、娼婦の住まう売春宿に泊まり、彼女らや彼女のヒモ男らと交流したり、似たような旅行者だったり、乗り合いタクシーで知り合った人だったりと、食事をしたり、招いてもらったり、一期一会な出会いが面白い。 しかし、前作の方がいかがわしさというか、冒険的な面白さがより強かった。 最後に"死に場所を見つける"と題して、著者と高倉健さんとの対談。 「香港とは別の楽しみ方が発見できていさえすれば、バンコクも、クアラルンプールも、このシンガポールも、もっともっと刺激的な日々を過ごすことができたのかもしれない。だが、すべてはもう手遅れだ。人生と同じように、旅もまた二度と同じことをやり直すわけにはいかないのだから…。」p208
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相変わらず読み易い文章です。量もそんなに多くないので1日で読み終えました。自分では絶対にできない体験なので読んでて楽しいです。
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