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一人称単数 の商品レビュー

3.5

381件のお客様レビュー

  1. 5つ

    46

  2. 4つ

    116

  3. 3つ

    138

  4. 2つ

    31

  5. 1つ

    8

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2022/08/12

「海辺のカフカ」まで村上春樹さんを新刊で追いかけていたけど、それ以降は読む機会があればというスタンス。村上さんの作品の主人公“僕”が、なぜか、村上さん本人のビジュアルが浮かんでしまうようになり、まあ、こちらもそれなりに年齢を重ねて、村上ワールドに入り難くなったから。 この短編集は...

「海辺のカフカ」まで村上春樹さんを新刊で追いかけていたけど、それ以降は読む機会があればというスタンス。村上さんの作品の主人公“僕”が、なぜか、村上さん本人のビジュアルが浮かんでしまうようになり、まあ、こちらもそれなりに年齢を重ねて、村上ワールドに入り難くなったから。 この短編集は、あちらもそれなりに年齢を重ねて、新ワールドというより、ちょっと立ち止まって、あの頃を振り返るという感じが、しっくりきた。 「石のまくらに」で短歌を入れ込んできた。“猫を棄てる”では(ごめんなさい、未読です)亡父の俳句を手掛かりにしたとか。村上春樹氏が、本気の和歌を創ることになれば面白い。 「ヤクルトスワローズ詩集」はファン的心理入魂の詩を堪能させていただいた。多少古い物を使ってきているが、今後、作詞活動とかどうでしょう。 「一人称単数」が書き下ろしという事。いよいよ、本物の“僕”的活動の示唆でしょうか?といっても、作品的には、自己否定感感じましたが。

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2022/08/05

図書館にて。 もともと村上春樹の小説は得意ではないのだけれど、本棚で見つけたので借りてみた。 私の方の問題なのか、あまりスムースに読み進められず、今回は最後までたどりつけず返すこととなった。 次回また出会えたらもう一度読んでみようと思う。

Posted byブクログ

2022/08/01

表題作「一人称単数」はあるバーでおばさんに絡まれムカついて帰る話。何かが起きそうで何も起きない。ただそれがかえって迫ってくる。1人で飲みたいと思うこと、したい事がたくさんあったはずなのに何もできないこと。

Posted byブクログ

2022/07/30

自分はハルキストとは思わないが、度々「村上春樹の描く世界に浸りたい、文章が読みたい」と思い、読めば「ああ村上春樹だなあ」と思うだけで、作品として面白かったとかつまらなかったとか感想をいう気持ちにはあまりならない。 この短編集も全編、ああ村上春樹だなーと思って満足した。ストーリー...

自分はハルキストとは思わないが、度々「村上春樹の描く世界に浸りたい、文章が読みたい」と思い、読めば「ああ村上春樹だなあ」と思うだけで、作品として面白かったとかつまらなかったとか感想をいう気持ちにはあまりならない。 この短編集も全編、ああ村上春樹だなーと思って満足した。ストーリーを追うより、何回も読み返してその世界を味わいたくなる。 特に「謝肉祭」は、女性の容貌の美醜に関する表現とかもあり、ほかの人が書けるものではないなあと思った。

Posted byブクログ

2022/07/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

え?コレって短編小説なの?エッセイちゃうの?とか思いながら読みました。なんというか、短編小説とエッセイの違いってなんだろう?って感じがしましたね。面白いと言えば面白いんですが、フツーっちゃーフツーやなあ、とか思いながら読んでいました。 品川猿が久々に登場したのは嬉しかったのですが、残念ながら「東京奇譚集」での品川猿登場の話のストーリーをほぼ忘れているので、「うーむ。ま、相変わらずよお分からん」のままの読了感で終わったのが残念でした。できれば、東京奇譚集収録の品川猿→この作品の品川猿の話を続けて読むほうが、良いよなあ、とか思いましたね。 でも部屋の中で「東京奇譚集」がどこにあるのか分からないのでそれが出来なかったんだよ。残念だよ。図書館で借りる時は「東京奇譚集」「一人称単数」を、同時に借りることをお勧めしますね。 全体的に、面白いかどうか、でいいますと、「特に面白くもないよね」っていう失礼な感想で終わってしまったのですが、ま、村上春樹さんですのでね。その「特に面白くもないよね」って事も含めたうえで、読み終えて「うむ。コレはコレ」で満足しちゃえるところは、流石です。お見事なんだよなあ~。

Posted byブクログ

2022/07/23

今読んでる途中ですが良い本ってその話に入り込めて現実から違う道へ案内されてると思います、このままそこに居たいというか、現実に戻りたくないというか、居心地が良いと思います。 今は単身赴任で好きな時に好きなだけ本を読める環境に居ます、好きな本をいっぱい読めて幸せかもしれません。

Posted byブクログ

2022/07/08

また春樹を読んでしまった。エッセイのような小説のような短編の作品集。 序盤は小説だと思いながら読んでいたが、途中から「これはほぼエッセイなのではないか?」という印象も持った。明らかにノンフイクションが混じっているし、妙なリアリティを感じる箇所も多かった。フィクションとノンフイク...

また春樹を読んでしまった。エッセイのような小説のような短編の作品集。 序盤は小説だと思いながら読んでいたが、途中から「これはほぼエッセイなのではないか?」という印象も持った。明らかにノンフイクションが混じっているし、妙なリアリティを感じる箇所も多かった。フィクションとノンフイクションが混じり合っているのだろう。春樹の作品を全部チェックしている訳ではないが、少し新しい方向性かなと思う。文体の春樹っぽさはそのままで読みやすい。スルスルと気持ちよく読める。寝る前に一編ずつ読むと丁度良い。 「クリーム」は実際に似たような経験があったのではないか?単にコケにされた、小バカにされた腹立たしい出来事としか思えない。これを不思議不条理ナンセンスな出来事として捉え直すという視点に春樹っぽさを感じた。 「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」は「ノルウェイの森」っぽいなと思った。というか、この短編に似た体験があって、それを基に「ノルウェイの森」を書いたのではないかと想像した。 「謝肉祭」はブスという言葉を使わずに「醜い」という言葉が頻発して、ポリコレ的な意味合いへの挑発を感じた。モデルとなった人物が本当にいる気がする。 表題作「一人称単数」は「クリーム」と違って不思議不条理ナンセンスとして捉え直さずに、不愉快なキモチワルイ体験として描かれている。この不愉快さは先日読んだ『はじめての文学 村上春樹』に収録された「沈黙」に近い。これも似たような経験があったのでないか。悪意の描き方という点で、この「一人称単数」と「沈黙」は今までの春樹とは少し異なった作風だと感じる。こういう嫌な気分になる作品は、短編集の中に一つ紛れているのが丁度いい。

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2022/07/07

村上春樹さんの作品を完読したことがなく、いつも途中で断念してしまっている者です。 短編集ということでとても読みやすく、ファンタジーな現実を実感した作品です。みなさんがいう村上節を少しでも体験できる一冊でした。

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2022/06/23

最初の「石のまくらに」と「Withザビートルズ」が村上春樹らしくて好きでした。登場人物が何を食べたか飲んだか、何を読んだか、どんな話をしたか。そんなことが事細かにかかれてる世界が好きです。

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2022/06/14

村上春樹の小説を読んでいてグッとくるのは、するりといつのまにかそこにいる不穏な影を感じる瞬間。 最初のニ話にはそれがなくて、少し物足りなく感じた。喪失感、浮遊感、緊張感、切実さのない文章で、あまり心に響かなかった。 「ウィズザビートルズ」のように、死や喪失感が通奏低音のように...

村上春樹の小説を読んでいてグッとくるのは、するりといつのまにかそこにいる不穏な影を感じる瞬間。 最初のニ話にはそれがなくて、少し物足りなく感じた。喪失感、浮遊感、緊張感、切実さのない文章で、あまり心に響かなかった。 「ウィズザビートルズ」のように、死や喪失感が通奏低音のように響いている物語は、グッと引き込まれた。 「ヤクルトスワローズ詩集」は、肩の力の抜けたエッセイで良かった。きどらないユーモアにニッコリした。 「謝肉祭」はとても好きな話。見た目の美しさと醜さを相対的なものとして感傷を入れず、それでいて不思議な人間味ある物語として描いているところに引き込まれた。人は美しいと醜いとに関わらず、いくつもの顔を持っている。 「品川猿の告白」は、村上春樹ならではのドライなマジックリアリズム的物語に引き込まれた。 最後の「一人称単数」は、最初の二話で物足りないと感じた不吉さや、不穏な出来事のあと、世界が歪に変わってしまったという怖さや後戻りできない喪失感が描かれていて、好きだった。

Posted byブクログ