一人称単数 の商品レビュー
私には村上春樹は難しい。 一人称単数。読みながら何だか自分の中にある後ろめたさや恥ずかしさを感じたのはなぜだろう。主人公が感じるもやもやと似た感覚だろうか。遠い記憶や心の襞を突くような短編だった。真面目に生きているつもりでも何かしら人は抱えているのかな…… クリーム。中心がいっぱ...
私には村上春樹は難しい。 一人称単数。読みながら何だか自分の中にある後ろめたさや恥ずかしさを感じたのはなぜだろう。主人公が感じるもやもやと似た感覚だろうか。遠い記憶や心の襞を突くような短編だった。真面目に生きているつもりでも何かしら人は抱えているのかな…… クリーム。中心がいっぱいあって外周のない円なんて…はぁ?と思ったけれど、ふと、宇宙や人間社会が浮かんだけれど、結局のところよく分からない。
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- ネタバレ
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現実なのか夢なのかわからない話 「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」と表題作の「一人称単数」の不思議な雰囲気が、昔教科書で読んだ同著者「レキシントンの幽霊」に似てる気がする もし知らない人に「恥を知りなさい」と言われて、すぐに「違いますよ」と自信を持って言えるだろうか 誰もが知らないうちに誰かをきっと傷つけていて、無神経な言葉は誰かの心に深く刻まれていると思う だからきっと誰もが被害者であり加害者で、完璧な人は存在しない 私は本当に私が信じた私で居れているのだろうか 「ウィズ・ザ・ビートルズ」が1番印象に残ったし好きかも お兄さんが結構好きなのは関西弁だからかな サヨコが亡くなってしまうことは誰にも止められなかったんだろうか 計画的だった、とあるけれど近い距離にいながら気づけなかったお兄さんは辛いだろうな 「夏の日の恋」とか「サティスファクション」とか音楽関係にめちゃくちゃ力入れてるなぁ 音楽つながりで「謝肉祭」も良かったけど、本人がそれを愉しんでいるとしても「醜い」が出てきすぎていてなんだかあんまりだった
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短編それぞれでテーマなんていらないんだよと言いつつも、最後の「一人称単数」はアンチのメタファーだろ。 なんだかゾッとしたし、怖かった。
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前回は、いつ読んだのだろうか⁇ 遠い昔だったかも… 久しぶりの村上春樹氏の本である。 8作の短篇小説集。 実際あったことなのか?過去にあったことなのか? …と想像してしまった。 以下は、気になった4篇。 「クリーム」は、老人との会話からして謎めいているが。こんな老人いそうかも...
前回は、いつ読んだのだろうか⁇ 遠い昔だったかも… 久しぶりの村上春樹氏の本である。 8作の短篇小説集。 実際あったことなのか?過去にあったことなのか? …と想像してしまった。 以下は、気になった4篇。 「クリーム」は、老人との会話からして謎めいているが。こんな老人いそうかも…。 「ウィズ・ザ・ビートルズ」は、昔のガールフレンドの自殺よりも兄が気になった。 兄に芥川龍之介の歯車を朗読して聞かせた過去も。 「品川猿の告白」は、ちょっとひと癖あって面白い。 「一人称単数」いつもとは違う自分だと意識していたが、見知らぬ女性に言われた「恥を知りなさい」に腹が立たない感情を消化できたのか… 違った角度から迫ってくるさまざまな短篇。 しっかりと楽しめた。
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自分にある現実は、詰まるところ一人称単数であって、同じ現実がそこにあったとしても、別の一人称単数からは別の現実があるということ。だとしたら、現実は実存するのだろうか?ゆったりと読める本でした。
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久しぶりの村上春樹作品は八編からなる短編集。独特の著者の文章が心地良かった。中でも面白かったのは、『「ヤクルトスワローズ詩集」』と『品川猿の告白』。ヤクルトスワローズ"愛"の凄さと滑稽さが、読んでいて楽しかった。
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村上さんの短編小説は、ひとつひとつが不思議な密度を持っていていいですね。本書では特に、ビートルズ、チャーリーパーカーなど、音楽を扱った作品がいい感じでした。
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表題作では、「私は、実際私が考えている私なのか?」という問いが浮かんでしまうことはとても恐ろしい、と感じた。その問いからすべてが崩壊しそうな恐怖。同時に、他者から向けられる理不尽で容赦ない悪意への恐怖も感じる作品。日常でそのようなことが起きる確率は高くはないとしても、誰にも起こり...
表題作では、「私は、実際私が考えている私なのか?」という問いが浮かんでしまうことはとても恐ろしい、と感じた。その問いからすべてが崩壊しそうな恐怖。同時に、他者から向けられる理不尽で容赦ない悪意への恐怖も感じる作品。日常でそのようなことが起きる確率は高くはないとしても、誰にも起こりうることでもあり、いつそれが襲ってくるか分からない…。実は日常はそれほど堅固ではないことを思い出させられる。怖いけどとても面白かった。
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フィクションと私小説が混ざり合うような感じ、記憶の一部やある人との出会いを切り取ったような「ふと」思い出したような語り口が好き。 でも同時に村上ワールド全開の「品川猿の告白」みたいな不思議な世界もいい。
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最後の短編以外は2回目。 印象に残って覚えている話が多かった。 阪急の駅から坂を登っていった場所のこととか、詩の話とか、猿の話とか、いろいろ。carnivalを聴いて読んだ。 初めて読んだ最後のは強烈、怖い、おもしろい。
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