一人称単数 の商品レビュー
全体を通して、ぼく、僕、私などの一人称単数の登場がある。しかし、村上春樹は〈私〉ではない一人の人間とすれば、〈私〉にとっては、三人称単数になるはずだ。 ところが、不可思議な世界に没入すると、〈私〉の経験のように感じてしまう。どこか上手いテクニックがあるのだろう。 そしてまた、...
全体を通して、ぼく、僕、私などの一人称単数の登場がある。しかし、村上春樹は〈私〉ではない一人の人間とすれば、〈私〉にとっては、三人称単数になるはずだ。 ところが、不可思議な世界に没入すると、〈私〉の経験のように感じてしまう。どこか上手いテクニックがあるのだろう。 そしてまた、どこまで村上春樹の体験なのかわからなくなる。単なるエッセイとも読めるからだ。しかし、文章の構造が精密になっているので、そこはテクニシャンたる村上春樹の世界だろうことは疑えない。
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タイトルになっている作品を含む8つの短編集。 村上春樹さんの過去や要素を感じ取れる部分がある作品が多く、大抵自分とある女性との関わりについての話が多かった。 春樹さんぽい不思議さはあるが、短編なのでさらっと読める。 個人的には「石のまくらに」と「ウィズ・ザ・ビートルズ」がよかった...
タイトルになっている作品を含む8つの短編集。 村上春樹さんの過去や要素を感じ取れる部分がある作品が多く、大抵自分とある女性との関わりについての話が多かった。 春樹さんぽい不思議さはあるが、短編なのでさらっと読める。 個人的には「石のまくらに」と「ウィズ・ザ・ビートルズ」がよかった。
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自伝? なんでもない事柄が趣に変わる村上春樹節。 彼の表現を読むためにある本。 以下、どかーんと腑に落ちた表現。 【そう、人生は勝つことよりも、負けることの方が数多いのだ。そして人生の本当の知恵は「どのように相手に勝つか」よりもむしろ、「どのようにうまく負けるか」というところ...
自伝? なんでもない事柄が趣に変わる村上春樹節。 彼の表現を読むためにある本。 以下、どかーんと腑に落ちた表現。 【そう、人生は勝つことよりも、負けることの方が数多いのだ。そして人生の本当の知恵は「どのように相手に勝つか」よりもむしろ、「どのようにうまく負けるか」というところから育っていく。】
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
村上春樹さんの短編私小説集?音楽に詳しいとかヤクルトファン(判官贔屓?)とか、お人柄がほんの少しだけ想像できる一冊。 村上作品に初めて触れた30年前はスマホなんてないから、例えばノルウェーの森ってどんな曲だっけ、聴きたいなあとある種のフラストレーションを抱えながら読んだもんだけど,今ってすぐ画像やら音声やら検索できるからああこれね〜って私の穴だらけで広く浅〜い知識に少し補強されて満足度上がって読めるのが嬉しい。「夏の日の恋」。そうか、こんなタイトルだったか、今度映画を観てみよう、などなど。 文体は相変わらず素晴らしくいつも思うけど流石だなあと思う表現があちこちに出てくる。 ★が3なのはタイトルと同じ一人称単数の章の最後。これだけ。灰がくるぶしまで積もる歩道が、街路樹にへばりつく多数の蛇が、突然出てくる女が何を指すのか一向に私には分からん。でもこんなところが世界的には賞賛されたくさんのハルキストにノーベル賞候補をと渇望させるのでしょう?私には高尚過ぎる。私はハルキストになれないな。残念。個人の評価なので★3。
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品川猿懐かしい。各作品とも比較的具体的に描かれていて、今までほどメタファー、隠喩を感じなくなった。その分読みやすくなったと思う。
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村上春樹の作品にしては主題が分かりやすい。ハルキストからするとこういうのはどうなんだろう、物足りなく感じるものなのかな。
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短編集。品川猿の告白が、面白かった。 現実世界を描いているのに、いつのまにかその、不思議な世界に入り込んでいて、境目が分からないのが楽しい。 そこかしこに見える人間の見栄とか欲望が、猿にもあるのか?と思うと、猿に対する見方も変わるかもしれない。
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初めて村上春樹の本読んだけど、難しくて多分ほとんど理解できてない。表現の独特さとストーリーの不気味さが印象的だった。
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8話の短編集。 エッセイなのかな?という感じで始まって、少し話が見えなくなって、結局どこに収束したんだかわからないような不思議な話たち。オチのない(読者の想像に任せる系の)謎めいた展開が好きなので楽しく最後まで読めた。 どうやったらこんな文章思いつくんだろうと思ってしまうような表...
8話の短編集。 エッセイなのかな?という感じで始まって、少し話が見えなくなって、結局どこに収束したんだかわからないような不思議な話たち。オチのない(読者の想像に任せる系の)謎めいた展開が好きなので楽しく最後まで読めた。 どうやったらこんな文章思いつくんだろうと思ってしまうような表現がたくさんあって、やっぱり村上春樹は天才なのだと思った。
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図書館で借りた本 前から気になってたので図書館にあってびっくり 大のハルキストではないけど、嫌いではない。 今回の短編も良かった。 でもクラシック系の知識がゼロなのである人に比べると楽しめてないのかも。 村上春樹は発想の天才だと感じた。 猿が喋るとか、現実なのか空想なのか分か...
図書館で借りた本 前から気になってたので図書館にあってびっくり 大のハルキストではないけど、嫌いではない。 今回の短編も良かった。 でもクラシック系の知識がゼロなのである人に比べると楽しめてないのかも。 村上春樹は発想の天才だと感じた。 猿が喋るとか、現実なのか空想なのか分からなくなったりとか。 また月日が経ったら読んでみたい。 人生は勝つことよりも負けることの方が多い。 この言葉を忘れずに仕事頑張ろう!
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