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一人称単数 の商品レビュー

3.5

381件のお客様レビュー

  1. 5つ

    46

  2. 4つ

    116

  3. 3つ

    138

  4. 2つ

    31

  5. 1つ

    8

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2020/11/14

時々記憶がなくなることに困っている恋人のお兄さん、猿に名前を盗まれた女性、バーで「恥を知りなさい」と言われても心当たりがないポール・スミスのスーツの男性。覚えていないがために困惑した状況に置かれるシーンを繰り返し読んだような気がしました。

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2020/11/13

137 ヤクルト・スワローズ詩集 ごく控えめに表現して、僕と父親との関係は、それほど友好的なものとは言えなかった。それにはまあいろいろと理由があるのだが、転移しまくるあちこちの癌と、重い糖尿病によって、彼が九十年に及ぶ人生に幕を下ろす直前まで、二十年以上にわたって、僕と父とはほと...

137 ヤクルト・スワローズ詩集 ごく控えめに表現して、僕と父親との関係は、それほど友好的なものとは言えなかった。それにはまあいろいろと理由があるのだが、転移しまくるあちこちの癌と、重い糖尿病によって、彼が九十年に及ぶ人生に幕を下ろす直前まで、二十年以上にわたって、僕と父とはほとんどひとことも口をきかなかった。 それを「有効的な関係」と呼ぶことには、どのような見地から見てもかなりの無理があるはずだ。最後にささやかな和解のよつなものはあったが、それは和解と呼ぶにはいささか遅すぎるものだった。 221 そういう日がたまに巡ってくる。自由な時間があり、何か好きなことをしようと思っても、何をすればいいのかうまく思いつけない。やりたいことは数多くあったはずなのに・・・・。

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2020/11/08

日常の些細な出来事から産まれる言葉にならない感情を、言語化などを通じて記憶に留める。その記憶が長い年月を経て別の些細な出来事と結び付いて、その時にはなかった新しい意味を持って再び記憶されていく。そうやって様々な記憶を獲得する人生の上で、数えきれないほどの取捨選択をして成り立つ個人...

日常の些細な出来事から産まれる言葉にならない感情を、言語化などを通じて記憶に留める。その記憶が長い年月を経て別の些細な出来事と結び付いて、その時にはなかった新しい意味を持って再び記憶されていく。そうやって様々な記憶を獲得する人生の上で、数えきれないほどの取捨選択をして成り立つ個人。そんな一人称単数の個人である自分が知る由もない自分の一面を知ることへの恐怖。 恥知らずなまま生きるのは楽だけど、怖い思いをしてでももっと自分に向き合いたいと思った。

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2020/11/08

作者本人が体験したことのような切り口で、 不思議な世界に引き込まれる。 これだけ長い間、第一線で活躍している作家なら、 日常でこんなことあったんじゃ?と思わせるのが面白い。 他の人も書いていたが、私も品川猿が好きだなぁ。 猿の後ろに、人間の悲しい性が透けて見える。

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2020/11/04

うーん。村上春樹さんの本は好きだったけど、これは「村上春樹が嫌い」という人の気持ちが少し分かったかもしれない。 「品川猿の告白」は好き。

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2020/11/04

エッセイのように読んでいるうちに、いつの間にか非現実の世界に入り込んでいる、とても不思議な感覚だった。「謝肉祭」の中の音楽の好みに共感。結末に影があったが、久々に聴き比べをしたくなった。

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2020/11/04

村上春樹の小説を初めて読んだ。 会話文少なめ、というかほとんど地の文。そのおかげか、驚くほどすらすら読めた。

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2020/10/31

ヤクルト・スワローズ詩集が面白かった。 久々に村上春樹を読んだけど、やっぱり文体の、村上節がすごいなぁと。

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2020/10/29

最近村上さん読んでなかったけど、結構おもしろかった。 いつもながら、動物がよく喋ってたけど、この人じゃなきゃ イカレテル と思うよな。 村上さん 太宰や芥川のような終わりかたしないでね。

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2021/03/15

久しぶりに面白かった村上春樹さんの短編小説。1Q84の中途半端な終わり方、その後の2作が私には響かなかったこともあり、この短編小説集がだめなら、もう村上春樹は読まないかなと思っていた。それぞれの物語には不可解な事件が起こっていく。その連鎖が読む者に別の世界への入り口を開いていく。...

久しぶりに面白かった村上春樹さんの短編小説。1Q84の中途半端な終わり方、その後の2作が私には響かなかったこともあり、この短編小説集がだめなら、もう村上春樹は読まないかなと思っていた。それぞれの物語には不可解な事件が起こっていく。その連鎖が読む者に別の世界への入り口を開いていく。引き込まれながら何度も思い返して楽しめる一冊だった。

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