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おらおらでひとりいぐも の商品レビュー

3.4

98件のお客様レビュー

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2024/06/05

主人公は親世代。 母を思いながら読んだ。 … 自分がやりたいことは自分でやる。 簡単な理屈だ。 子供に仮託してはいけない。 仮託して期待という名で縛ってはいけない。 … 結果としてこうあるべき、という外枠に寸分も違わずに生きてしまったような気がする。 それに抗うほど尖ってもい...

主人公は親世代。 母を思いながら読んだ。 … 自分がやりたいことは自分でやる。 簡単な理屈だ。 子供に仮託してはいけない。 仮託して期待という名で縛ってはいけない。 … 結果としてこうあるべき、という外枠に寸分も違わずに生きてしまったような気がする。 それに抗うほど尖ってもいなかったし、主張するほどの強い自分もいなかったのだ。 母で子供で、だから理解できることも多かったのだと思う。 仮託しない、期待しない は自戒も含め最近強く思うこと。 私って尖って強いんだなと再認識。 今読んだからこそいろいろ感じられた一冊。

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2024/06/02

夫に先立たれ、子供は自立してて、ってどこにでもいそうな一人暮らしのおばあさんが目覚めた人っぽくて面白い。将来的にこういう孤独感とかに翻弄されたりするんだろうかとかある意味参考にもなった。桃子さん、ちょうどうちの母親と同世代だし田舎で一人だしで思いがけずいろいろ心配になったり懐かし...

夫に先立たれ、子供は自立してて、ってどこにでもいそうな一人暮らしのおばあさんが目覚めた人っぽくて面白い。将来的にこういう孤独感とかに翻弄されたりするんだろうかとかある意味参考にもなった。桃子さん、ちょうどうちの母親と同世代だし田舎で一人だしで思いがけずいろいろ心配になったり懐かしくなったりもした。文庫版の解説に町田康というのは素晴らしいチョイスだと思った。#河出文庫グランドフェア

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2024/03/24

70歳にして家族の一員としての役目を終え、一人になった桃子さんの心の内、自問自答をリアルに吐き出し綴るエッセイのような随筆のような作品。一人で暮らす故の時間の余裕からくる、これまでの経験を基にした深い思考。自分はこのような境地に達していないが言わんとするところはよく分かるし共感す...

70歳にして家族の一員としての役目を終え、一人になった桃子さんの心の内、自問自答をリアルに吐き出し綴るエッセイのような随筆のような作品。一人で暮らす故の時間の余裕からくる、これまでの経験を基にした深い思考。自分はこのような境地に達していないが言わんとするところはよく分かるし共感する。方言を織り交ぜた独特な文体、そして高尚な表現も面白い。作者のも提示された思考を自問ししばしは小説から気持ちが離れることを繰り返したとは作品への共感からだと思う。 一人暮らしになった自分を想像しながら、いつかまた読み返したいとも思った。

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2024/03/24

何も感じなかった。 自分がおかしいのか? 聞き慣れてるし、話し慣れた東北弁だが、文字にしない方が良いとよく分かった。 自分でも読みづらいのに慣れてない人たちはましてやだ。

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2024/03/17

74歳の主人公の桃子さんが、子供を育て上げ、15年前に夫に先立たれ、一人暮らしとなった。東北弁と標準語を入り交ざりながら、若い頃からの想い、夫への想いを語りながら、一人で生きていこうという決意を語っている。私に共通する部分も多くあり、迫力ある文体で心に狭ってくるものがあった。

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2023/12/07

もっとハッピーな老後自由イェイ!みたいな作品を想像していたけど、思ってたよりだいぶというかめちゃくちゃ内向的な自省的な話だった。 このあっちいったこっちいったの思考と過去と現在のいったり来たりの感覚は自分も30代だけど分かる、自分の倍生きてる人からすれば、こうもなるよな、、、と...

もっとハッピーな老後自由イェイ!みたいな作品を想像していたけど、思ってたよりだいぶというかめちゃくちゃ内向的な自省的な話だった。 このあっちいったこっちいったの思考と過去と現在のいったり来たりの感覚は自分も30代だけど分かる、自分の倍生きてる人からすれば、こうもなるよな、、、という納得も出来た。 なんというか、かなり私小説的なのかな、のいう感想。 作品の仕掛けとして東北弁の扱いは理解できたけど、地の文が東北弁まみれでどうリズム取ればいいかわからず、流石に読みづらかったズラ、、、。。

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2023/11/08

頭の中を書いてみたのか、あるいは統合失調症なのか。痴呆症なのか。その片割れなのか。ただそれだけで、前半で離脱。

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2023/11/04

東北地方出身のお年寄り、桃子さんの、心の内を描いた本。 誕生日プレゼント本。自分じゃぜーったい選ばなかった。芥川賞とったんだよね。当時話題になってて、芥川賞とか追わない人種なもんで、変わった題名だな、どんな本かと思っても、興味もなくて読まなかった。誕プレで貰って、第一印象ではぜ...

東北地方出身のお年寄り、桃子さんの、心の内を描いた本。 誕生日プレゼント本。自分じゃぜーったい選ばなかった。芥川賞とったんだよね。当時話題になってて、芥川賞とか追わない人種なもんで、変わった題名だな、どんな本かと思っても、興味もなくて読まなかった。誕プレで貰って、第一印象ではぜーったい刺さらない本なので、なんでこの本なんだとちょっとショックだった。でも貰って読んでほんとよかった。 桃子さんって、ずっと人のために生きてきて、それが無償の愛っていうのでもなく、誰も望んでないのに、自分は他人のために、他人のせいで、と思って生きてきたんじゃないか。それがめっちゃ共感できちゃうから、読んでて切なくなった。自分も誰かのせいにして自分を生きてるんじゃないか。だから桃子さんがこれからは自分のために生きようと気づいた時は、ほんとすごいと思った。今までの自分をちゃんと受け入れられてる。私はまだそこまでできない。でも誰かのせいじゃなく、自分に責任をもって人生を生きるべきだ。 東北弁全開なのも、頭の中の大勢の人の声も、最初はなんだこれって思ったけど、ちゃんと意味があって、物語としてしっかり練られてるところにも感動。芥川賞受賞も納得の一冊。

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2023/10/19

久しぶりに感想を書かねばと思えた本 星五つをつけたい本と出会いたい、星五つをつける本の感想しか書きたくないと思っていたので、この本との奇跡的な出会いに感謝 桃子さんの心の叫びに度々涙した。 人生の或る意味とか、地球史46億年ノートからも考察される生命の存在する意味(意味なんて...

久しぶりに感想を書かねばと思えた本 星五つをつけたい本と出会いたい、星五つをつける本の感想しか書きたくないと思っていたので、この本との奇跡的な出会いに感謝 桃子さんの心の叫びに度々涙した。 人生の或る意味とか、地球史46億年ノートからも考察される生命の存在する意味(意味なんてないのだけど)そんな事を老いた女性の東北弁から自答させられる、哲学の小説だった。 この東北弁がまたイイ。脳内に繰り広げられるありとあらゆる思考、自問自答、普段こうして考えているだろう取り留めのない事が、そう、ジャズのように東北弁で脳内を駆け巡る。それはもう、もはやお洒落で、はたまたリアルで。こうして桃子さんなりの解答に辿り着く過程が素晴らしい。 孤独の確かさというか、ひとりになって直面する孤独というものへの準備というか心構えもさせてもらった。 最終的に老婆がたどり着いた解答は、かけがえのない真実で、真理で、心に染み渡って、度々涙が溢れてしまった。 老いと死を受け入れる準備をしている桃子さんの所に孫が訪ねてくるシーンも本当に素晴らしい。人生ってそういうもの。私もああやって老いていくのだろうな、と想像すると、また涙が止まらなくなってしまったのです。 一人の女性の一生を、雄弁な東北弁で芯まで表現されていて、嘘のないリアルな人の内面の愚かさ、美しさ、雄大さ、そういう深いものに触れさせてもらった、素晴らしかったです。

Posted byブクログ

2023/09/03

芥川賞受賞作品。方言を最大限に活用して人生の後期における複雑でまとまらない、もどかしい心境を巧みに表現している。一方で過度に深刻にならずにゆったりとした文体を保ち、独特の世界を味わえる。

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