おらおらでひとりいぐも の商品レビュー
老人の心情、昭和や田舎の情景を解像度高く詩的に、方言を交えながら表現できますよ、という作者の自己顕示に付き合っているかのように感じてなんか疲れた。第一章を乗り切れずに途中で読むのをやめた人も多そう。第二章からは少し読みやすくなるが私の感性には合わなかった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
子どもが巣立ち、夫に先立たれた独居老女のただの妄想と思うなかれ? 主人公の女性、桃子さん。コトが壮大になっていく。時空を越えた交流がやってくる。地球46億年史…。 それにしても、著者の若竹さんは何故、お国言葉で書こうと思ったのだろう。 「あいやぁ、おらの頭(あだま)このごろ、なんぼがおがしくなってきたんでねべが」 冒頭文からコレだし、この後もほとんどずっとこの調子だ。 調子良くリズミカルに、というか、ずんずん調子で読ませる。ニュアンスが分からなくても気にしないで読んでみると、結構心地良くなってくるから不思議。 なんであんなことしたんじゃい、と書かれた解説文の町田康さんも関西弁で応じているけど、小説家という人達は概して桃子さんみたいだし、そして我々だって桃子さんなところはあるんでしょう…。
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皆さんの感想に書かれているように東北弁に馴染めず苦戦しました。どぎつい訛りの読みにくさは初めの方だけでだんだんとマイルドになっていく印象でした。 旦那に先立たれ子どもは世帯を持ち一応自立しひとりになっている桃子さんは、私からすると自立したご老人にみえます。理屈で考える桃子さんだか...
皆さんの感想に書かれているように東北弁に馴染めず苦戦しました。どぎつい訛りの読みにくさは初めの方だけでだんだんとマイルドになっていく印象でした。 旦那に先立たれ子どもは世帯を持ち一応自立しひとりになっている桃子さんは、私からすると自立したご老人にみえます。理屈で考える桃子さんだからこそ頭の中も忙しいのでしょうが、読み手としては少し、いや結構苦しい。突き詰めて考えると気づきたくないことに気づいてしまい、でも気付いたところでその自分を否定せず受け入れ淡々と日常をこなしていく、、、。早くも読んでいる間だけでも独りのイメージトレーニングをしてしまいそうになります。独りになりたかったと気づくところや娘とのこともひとりのようで一人でなかったところに気づくところなどが良かったです。 内容的に独り言がつらつらと書かれているので読みながらうっかり自分自身の考え事をしてしまうと、簡単に内容から逸れてしまい修正するのが若干難儀しました。 年老いてからまた読み直したら、もっとこの本を味わえるか期待したいところです。
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これはすごい 桃子さんはすごい ひたすらに自分と会話して会話して オレオレ詐欺にお金を出してしまう母親の心境というものにはぞわりとした そんなことに気づいてしまうなんて 桃子さんの年齢にはまだ遠いけれど、こうなれるのなら、孤独でも寂しくても大丈夫な気が…しなくもない いや分か...
これはすごい 桃子さんはすごい ひたすらに自分と会話して会話して オレオレ詐欺にお金を出してしまう母親の心境というものにはぞわりとした そんなことに気づいてしまうなんて 桃子さんの年齢にはまだ遠いけれど、こうなれるのなら、孤独でも寂しくても大丈夫な気が…しなくもない いや分からないな 私には孫はいないし桃子さんほどの経済的なゆとりはなさそうだし それでもひとりで行ぐしかね
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たまに町中で会う「ちょっとこの人変かも」と思う人の頭の中ってこんな感じなのかも。 差別とか嫌悪とかそういう意味ではなく、その必死さに心うたれた感じ。
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タイトルは宮沢賢治の詩、「永訣の朝」の一節でひとりで死んでいくという意味だそうだ。その裏にはひとりで生きていくと言う意味が隠れている。 子供達が巣立ち、連れ合いには先立たれ、気がつけばひとりぽっんと残される。 年をとると誰もがかかえる孤独、病気そして死への恐怖。不安との裏腹にひ...
タイトルは宮沢賢治の詩、「永訣の朝」の一節でひとりで死んでいくという意味だそうだ。その裏にはひとりで生きていくと言う意味が隠れている。 子供達が巣立ち、連れ合いには先立たれ、気がつけばひとりぽっんと残される。 年をとると誰もがかかえる孤独、病気そして死への恐怖。不安との裏腹にひとりで生きていくという覚悟。 誰もが年を取ればこの状況に陥るであろう揺れ動く気持ちを東北弁で語っている。 最初は東北弁を理解することに注意がいってしまい戸惑ったが、読み進めると主人公の気持ちがじわじわと伝わってきてグッと心を掴まれる。 この本はまさに自分の母の姿だし、のちの私の姿である。
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主人公は親世代。 母を思いながら読んだ。 … 自分がやりたいことは自分でやる。 簡単な理屈だ。 子供に仮託してはいけない。 仮託して期待という名で縛ってはいけない。 … 結果としてこうあるべき、という外枠に寸分も違わずに生きてしまったような気がする。 それに抗うほど尖ってもい...
主人公は親世代。 母を思いながら読んだ。 … 自分がやりたいことは自分でやる。 簡単な理屈だ。 子供に仮託してはいけない。 仮託して期待という名で縛ってはいけない。 … 結果としてこうあるべき、という外枠に寸分も違わずに生きてしまったような気がする。 それに抗うほど尖ってもいなかったし、主張するほどの強い自分もいなかったのだ。 母で子供で、だから理解できることも多かったのだと思う。 仮託しない、期待しない は自戒も含め最近強く思うこと。 私って尖って強いんだなと再認識。 今読んだからこそいろいろ感じられた一冊。
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夫に先立たれ、子供は自立してて、ってどこにでもいそうな一人暮らしのおばあさんが目覚めた人っぽくて面白い。将来的にこういう孤独感とかに翻弄されたりするんだろうかとかある意味参考にもなった。桃子さん、ちょうどうちの母親と同世代だし田舎で一人だしで思いがけずいろいろ心配になったり懐かし...
夫に先立たれ、子供は自立してて、ってどこにでもいそうな一人暮らしのおばあさんが目覚めた人っぽくて面白い。将来的にこういう孤独感とかに翻弄されたりするんだろうかとかある意味参考にもなった。桃子さん、ちょうどうちの母親と同世代だし田舎で一人だしで思いがけずいろいろ心配になったり懐かしくなったりもした。文庫版の解説に町田康というのは素晴らしいチョイスだと思った。#河出文庫グランドフェア
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70歳にして家族の一員としての役目を終え、一人になった桃子さんの心の内、自問自答をリアルに吐き出し綴るエッセイのような随筆のような作品。一人で暮らす故の時間の余裕からくる、これまでの経験を基にした深い思考。自分はこのような境地に達していないが言わんとするところはよく分かるし共感す...
70歳にして家族の一員としての役目を終え、一人になった桃子さんの心の内、自問自答をリアルに吐き出し綴るエッセイのような随筆のような作品。一人で暮らす故の時間の余裕からくる、これまでの経験を基にした深い思考。自分はこのような境地に達していないが言わんとするところはよく分かるし共感する。方言を織り交ぜた独特な文体、そして高尚な表現も面白い。作者のも提示された思考を自問ししばしは小説から気持ちが離れることを繰り返したとは作品への共感からだと思う。 一人暮らしになった自分を想像しながら、いつかまた読み返したいとも思った。
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何も感じなかった。 自分がおかしいのか? 聞き慣れてるし、話し慣れた東北弁だが、文字にしない方が良いとよく分かった。 自分でも読みづらいのに慣れてない人たちはましてやだ。
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