1,800円以上の注文で送料無料

おらおらでひとりいぐも の商品レビュー

3.4

103件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    32

  3. 3つ

    30

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    3

レビューを投稿

2023/06/02

想像ではあるが老後の苦しいのは区切りがないからだと思う ここまで耐えれば生活が変化するなどという希望が持てないというのは非常にしんどいと思う

Posted byブクログ

2023/05/18

東北弁は馴染みがあるので何となく分かるが、脳内の内なる声が大量に再生されるので読みづらい。それに幻想、妄想の内容が多く、現実との違いが分かりづらい。現実の人との会話は娘と孫の2ヶ所だけという、圧倒的な独り言の世界。 映画も作成されたようだが、予告編だけ見ると本とだいぶ違うような気...

東北弁は馴染みがあるので何となく分かるが、脳内の内なる声が大量に再生されるので読みづらい。それに幻想、妄想の内容が多く、現実との違いが分かりづらい。現実の人との会話は娘と孫の2ヶ所だけという、圧倒的な独り言の世界。 映画も作成されたようだが、予告編だけ見ると本とだいぶ違うような気がする。芥川賞と文藝賞のW受賞で本も凄い売れたようだが、ここの評価・感想も賛否両論というのが良くわかる。

Posted byブクログ

2023/05/10

馴染みのある方言故に、助詞まで徹底していないことが気になってしまい話に入り込めないが、雰囲気だけ楽しみたい人にはいいのかもしれない。私は読み手が困惑するくらいの土臭さを求めたいが。 あと、三人称にするなら尚更方言はリアルにして注釈でもつければよいのではないだろうか。そもそも、話的...

馴染みのある方言故に、助詞まで徹底していないことが気になってしまい話に入り込めないが、雰囲気だけ楽しみたい人にはいいのかもしれない。私は読み手が困惑するくらいの土臭さを求めたいが。 あと、三人称にするなら尚更方言はリアルにして注釈でもつければよいのではないだろうか。そもそも、話的には一人称が向いているのではないか。

Posted byブクログ

2023/04/20

読むのがしんどかった。 ほとんどを桃子さんの独白で進められる物語だけれど、馴染みのない東北弁で、支離滅裂とさえいえる内なる声を読み進めていく。桃子さんより少し若いものの、初老の域に足を踏み入れた自分でさえも、老いること、孤独であることをこんなにも騒々しく考えたり、思ったりするもの...

読むのがしんどかった。 ほとんどを桃子さんの独白で進められる物語だけれど、馴染みのない東北弁で、支離滅裂とさえいえる内なる声を読み進めていく。桃子さんより少し若いものの、初老の域に足を踏み入れた自分でさえも、老いること、孤独であることをこんなにも騒々しく考えたり、思ったりするものなのかと、半分呆れているという読後感である。 映画ではこの作品がどんな風に描かれているのか、思ったりするものなのか、興味津々である。 芥川賞受賞作とのことだけれども、んーって感じでした。 あと表題は宮沢賢治の「永訣の朝」のフレーズから取られたものかもしれないが、高校生の国語の授業で読んで、詩で初めて涙して以来、僕の中でとても大切な詩のひとつとなっているので、この表題には抵抗がある。 それも込みで選んでいるのだろうけど、なら、僕の中の「永訣の朝」を越えるぐらいの某かを残してほしいと期待していた。 そういう意味でもんーって感じ。

Posted byブクログ

2023/04/14

益田ミリさんが新幹線のなかで読んでいて、冷たい緑茶を飲むみたいにするすると入ってきた、と書いていたのに惹かれて読んだのだった。読み終えて、元気が出る、とも。 わたしは、どちらかというと苦しくなった、と思う。多分今の自分の状況がより切実で、こうなった時わたしはどうなるだろう?と思う...

益田ミリさんが新幹線のなかで読んでいて、冷たい緑茶を飲むみたいにするすると入ってきた、と書いていたのに惹かれて読んだのだった。読み終えて、元気が出る、とも。 わたしは、どちらかというと苦しくなった、と思う。多分今の自分の状況がより切実で、こうなった時わたしはどうなるだろう?と思う。ずっと、そう問い続けながら読んでいた。 悲しみは感動である、のところ 夫周造さんの墓への旅のような一幕、

Posted byブクログ

2023/04/08

孤独な老女の内省を方言を使いながら見事に文章化している。いずれ行く道と思いながら読みつつ、現在の自分に置き換えて悩み苦しみ前を向きしてしまう。独りは悲しくて楽しい。

Posted byブクログ

2023/03/02

夫を亡くした桃子さん。 その物語であるけれど、思いの丈を、詩のようにでも荒々しくぶつけてくる思いが、なんともリアリティがあっておもしろい。 おもしろくて2回読んでしまいました。

Posted byブクログ

2023/03/03

心の中だか、頭の中だか、まわりだかわからないですけれど、主人公の桃子さんはいろんな声が聞こえています。それらの声を聞いたり、時には話したりしながら、喜怒哀楽コロコロと感情が変わっていきます。 それがなんだか、ゆかいでした。 わたしも、わたしと話すことがあります。以前、よくしゃべ...

心の中だか、頭の中だか、まわりだかわからないですけれど、主人公の桃子さんはいろんな声が聞こえています。それらの声を聞いたり、時には話したりしながら、喜怒哀楽コロコロと感情が変わっていきます。 それがなんだか、ゆかいでした。 わたしも、わたしと話すことがあります。以前、よくしゃべっていました。最近はあまり話さないですけれど。 話し相手がいろいろいるのはいいです。自分の中でも外でも。それが、やがて、救いになるのかもしれません。 ふと、自分は死ぬのかもしれない……と感じたことがあります。それでも、たまたまかもしれないですけれど、何故だか、こんにちまで生き延びています。 人間は、なんだかんだ、生きていくのですねえ……。 方言がちょっと、読みづらかったです。たまに何を言っているのかわからなかったです。 けれど、ひとり、「生きてきた人」のことばだと強く感じました。 (以下、読みながら綴った感想) 2023/01/24 p.3-122 p.8 “桃子さんが悲しみを得たとき、ありふれた世間によくある態の悲しみだとしても、本人にしてみれば天地がひっくり返るほどの大衝撃、” どんなことでも、きちんと心が動くのは、健全な証拠だと思います。 一説によると悟りの境地では、良いことも悪いことも心を動かさないほうが良いような考えがある気がしますけれど……。いろいろ思うところあっての人間だと、わたしは考えます。 他者から見ればちっぽけなことでも、本人には大事というのも、あるある。過ぎ去ってしまえば、どうしてあんなに悩んでいたのか……なんて、思うものです。 それでも、その時間が、自分には必要だったのでしょう。それもまた、人生。 p.120 “桃子さんはつくづく意味を探したい人なのだ。” (中略) “耐えがたく苦しいことが身の内に起こったとき、その苦しみに意味を見出したい。その意味によってなるほどこの苦しみは自分に必要であったと納得できたとき、初めて痛みそのものを受け入れられるし、苦しむ今を肯定できる。” 自分もそんな人間なので、親近感を抱きます。 2023/02/23 p.122-164 p.130 “ 見えるものしか見えない女である。 いつか終わりがあるのだとは夢にも思わない。 あきれるほど何も知らない女である。 ” ひとまずは見えるものだけをしっかり見ればいいです。人が見せようとしないものは見ず、自分に見えていないものは、自分の心身がしゃっきりしてから注意深く見ようとしたらいいです。 知らないことは、ある意味、しあわせでもあります。 p.135 “障子越しの日の光がまばゆいまでに美しいと思ったのはそのときが初めてだった。” p.136 “あふれる光で障子の桟の影が畳に長く伸びて、” (中略) “あの真っ暗な絶望的な気持ちがぱっと明るく開けた。” 美しい光景……。 鬱々とした気持ちで、ずるずると考えごとをしていたとき、雷が落ちました。その轟音と光によって、気持ちが一瞬楽になりました。 そのときのことを、思い出しました。自然の力は偉大です。人間はちっぽけです。 p.140 “死はあっちゃにあるのでなぐ、おらどのすぐそばに息をひそめで待っているのだずごどが。” 誰のそばにも、死はいます。老若男女問わず。 生きているものはやがて、死ぬ運命ですから。 p.140 “死は恐れでなくて解放なんだなす。これほどの安心ほかにあったべか。” えぇ、そうです。解放。 もう、苦しまなくていいのです。悲しまなくていいのです。きっと。 無になりたいです。 p.149 “死は生の隣に口を開けて待っている。皆気づかないだけだ。見て見ないふりをするだけだ。” どうしてそんなに死を蔑ろにできるのか……理解できません。どんなに見ないようにしても、生きるものはやがて、死へとたどり着くのに。 p.151 “おめはただそこにある。” (中略) “見守るだけ。” 信者からすれば、「違う」と言いたくなるかもしれないですけれど……神さまのようだ、と感じました。見守ってくださる存在。

Posted byブクログ

2023/02/18

ここに書かれている話は、母の話でもあり、私の話でもあると思たら泣けてきました。 映画で観たのに文字を一字一字追うと心に留まる場所が違うものですね。

Posted byブクログ

2023/02/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

宮沢賢治の「永訣の朝」のトシの台詞は、死を迎えようとするトシが一人で逝くことを述べた台詞だったように思うが、それをひらがなで書いた本書の「おらおらでひとりいぐも」は、他人のためとか世間の常識とかそういうものから離れて、自分は自由に一人で歩いて行きます、みたいな決意に感じられた。 東北弁の文体は『壬生義士伝』の吉村貫一郎の語り口を彷彿とさせた。夫と死別した桃子さんは一人で生きているが、彼女の脳内にはさまざまな層の彼女自身が「柔毛突起」のようにあれこれあれこれ、彼女の故郷の言葉である東北弁で思考を繰り広げている。脳内で騒がしいほどに思索して、それが漣のようにざわざわと広がっていく感じは、分かるなあと思った。 桃子さんは一人で生きているが、心の中にあの世に通じる扉があって、夫周造の声もそこから聞こえるし、ばっちゃも共に生きていて、柔毛突起も騒がしくて賑やか。この世とあの世のこの近さは、遠野物語その他、東北ならではだと思う。 周造を愛し、子どもたちを愛して生きてきたと思ったけれど、自由が一番で男に尽くす女なんて奴隷根性、愛は五番目、って思ってみたり、子どもたちの弁当箱は捨てたのに自分が小1から使っている弁当箱は大事にとっているのは結局自分の方が子どもより大事なのだ、って思ったりするあたりの強さ。生きていたって…と思いつつも、亡き人や自分自身と対話しながら一人でたくましく生きていく、寂しく見えるけれどものすごく強いおばあちゃんの姿がとても良かった。

Posted byブクログ