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おらおらでひとりいぐも の商品レビュー

3.4

111件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/05/18

東北弁は馴染みがあるので何となく分かるが、脳内の内なる声が大量に再生されるので読みづらい。それに幻想、妄想の内容が多く、現実との違いが分かりづらい。現実の人との会話は娘と孫の2ヶ所だけという、圧倒的な独り言の世界。 映画も作成されたようだが、予告編だけ見ると本とだいぶ違うような気...

東北弁は馴染みがあるので何となく分かるが、脳内の内なる声が大量に再生されるので読みづらい。それに幻想、妄想の内容が多く、現実との違いが分かりづらい。現実の人との会話は娘と孫の2ヶ所だけという、圧倒的な独り言の世界。 映画も作成されたようだが、予告編だけ見ると本とだいぶ違うような気がする。芥川賞と文藝賞のW受賞で本も凄い売れたようだが、ここの評価・感想も賛否両論というのが良くわかる。

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2023/05/10

馴染みのある方言故に、助詞まで徹底していないことが気になってしまい話に入り込めないが、雰囲気だけ楽しみたい人にはいいのかもしれない。私は読み手が困惑するくらいの土臭さを求めたいが。 あと、三人称にするなら尚更方言はリアルにして注釈でもつければよいのではないだろうか。そもそも、話的...

馴染みのある方言故に、助詞まで徹底していないことが気になってしまい話に入り込めないが、雰囲気だけ楽しみたい人にはいいのかもしれない。私は読み手が困惑するくらいの土臭さを求めたいが。 あと、三人称にするなら尚更方言はリアルにして注釈でもつければよいのではないだろうか。そもそも、話的には一人称が向いているのではないか。

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2023/04/20

読むのがしんどかった。 ほとんどを桃子さんの独白で進められる物語だけれど、馴染みのない東北弁で、支離滅裂とさえいえる内なる声を読み進めていく。桃子さんより少し若いものの、初老の域に足を踏み入れた自分でさえも、老いること、孤独であることをこんなにも騒々しく考えたり、思ったりするもの...

読むのがしんどかった。 ほとんどを桃子さんの独白で進められる物語だけれど、馴染みのない東北弁で、支離滅裂とさえいえる内なる声を読み進めていく。桃子さんより少し若いものの、初老の域に足を踏み入れた自分でさえも、老いること、孤独であることをこんなにも騒々しく考えたり、思ったりするものなのかと、半分呆れているという読後感である。 映画ではこの作品がどんな風に描かれているのか、思ったりするものなのか、興味津々である。 芥川賞受賞作とのことだけれども、んーって感じでした。 あと表題は宮沢賢治の「永訣の朝」のフレーズから取られたものかもしれないが、高校生の国語の授業で読んで、詩で初めて涙して以来、僕の中でとても大切な詩のひとつとなっているので、この表題には抵抗がある。 それも込みで選んでいるのだろうけど、なら、僕の中の「永訣の朝」を越えるぐらいの某かを残してほしいと期待していた。 そういう意味でもんーって感じ。

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2023/04/14

益田ミリさんが新幹線のなかで読んでいて、冷たい緑茶を飲むみたいにするすると入ってきた、と書いていたのに惹かれて読んだのだった。読み終えて、元気が出る、とも。 わたしは、どちらかというと苦しくなった、と思う。多分今の自分の状況がより切実で、こうなった時わたしはどうなるだろう?と思う...

益田ミリさんが新幹線のなかで読んでいて、冷たい緑茶を飲むみたいにするすると入ってきた、と書いていたのに惹かれて読んだのだった。読み終えて、元気が出る、とも。 わたしは、どちらかというと苦しくなった、と思う。多分今の自分の状況がより切実で、こうなった時わたしはどうなるだろう?と思う。ずっと、そう問い続けながら読んでいた。 悲しみは感動である、のところ 夫周造さんの墓への旅のような一幕、

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2023/04/08

孤独な老女の内省を方言を使いながら見事に文章化している。いずれ行く道と思いながら読みつつ、現在の自分に置き換えて悩み苦しみ前を向きしてしまう。独りは悲しくて楽しい。

Posted byブクログ

2023/03/02

夫を亡くした桃子さん。 その物語であるけれど、思いの丈を、詩のようにでも荒々しくぶつけてくる思いが、なんともリアリティがあっておもしろい。 おもしろくて2回読んでしまいました。

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2023/02/18

ここに書かれている話は、母の話でもあり、私の話でもあると思たら泣けてきました。 映画で観たのに文字を一字一字追うと心に留まる場所が違うものですね。

Posted byブクログ

2023/02/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

宮沢賢治の「永訣の朝」のトシの台詞は、死を迎えようとするトシが一人で逝くことを述べた台詞だったように思うが、それをひらがなで書いた本書の「おらおらでひとりいぐも」は、他人のためとか世間の常識とかそういうものから離れて、自分は自由に一人で歩いて行きます、みたいな決意に感じられた。 東北弁の文体は『壬生義士伝』の吉村貫一郎の語り口を彷彿とさせた。夫と死別した桃子さんは一人で生きているが、彼女の脳内にはさまざまな層の彼女自身が「柔毛突起」のようにあれこれあれこれ、彼女の故郷の言葉である東北弁で思考を繰り広げている。脳内で騒がしいほどに思索して、それが漣のようにざわざわと広がっていく感じは、分かるなあと思った。 桃子さんは一人で生きているが、心の中にあの世に通じる扉があって、夫周造の声もそこから聞こえるし、ばっちゃも共に生きていて、柔毛突起も騒がしくて賑やか。この世とあの世のこの近さは、遠野物語その他、東北ならではだと思う。 周造を愛し、子どもたちを愛して生きてきたと思ったけれど、自由が一番で男に尽くす女なんて奴隷根性、愛は五番目、って思ってみたり、子どもたちの弁当箱は捨てたのに自分が小1から使っている弁当箱は大事にとっているのは結局自分の方が子どもより大事なのだ、って思ったりするあたりの強さ。生きていたって…と思いつつも、亡き人や自分自身と対話しながら一人でたくましく生きていく、寂しく見えるけれどものすごく強いおばあちゃんの姿がとても良かった。

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2023/02/01

まず今作の読書は現段階の私にとって娯楽としての読書ではなかった。作中主人公桃子さんのほぼ脳内1人語りはミシンと金魚を思い出し、東北方言のみで進行する語りは、あくてえを思いだした。タイトルのおらおらでひとりいぐもは宮沢賢治の永訣の朝の一節らしい。そして,作者の若竹佐和子さんは55歳...

まず今作の読書は現段階の私にとって娯楽としての読書ではなかった。作中主人公桃子さんのほぼ脳内1人語りはミシンと金魚を思い出し、東北方言のみで進行する語りは、あくてえを思いだした。タイトルのおらおらでひとりいぐもは宮沢賢治の永訣の朝の一節らしい。そして,作者の若竹佐和子さんは55歳で旦那さんをなくし、その後,小説教室に通い8年かけ、本著でデビューし芥川賞を受賞した。…しびれますよね。絶対読む!読まないと! 文章力も素晴らしいのだが、積み重ねてきた人生の言葉の重みを味わいました。 中盤以降はその迫力に圧倒され、後半は泣けます。物語というよりも,その言葉に泣けます。序盤の方言とただただ、過ぎていく日常にペースが上がりませんが、最後まで読んで納得の1冊でした。 人生讃歌です。

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2022/12/24

すごい。ほぼ一冊まるごと桃子さんの脳内状態。ヘビーな東北弁の羅列。こんなの読んだことない。ドイツの文学賞も受けたというこの作品。ドイツの地方の方言を使って翻訳されたと。 んでねでば。伝えねばわがね。 わかるわかる。意味もわかるしイントネーションもわかる。喋れないけどわかる方言...

すごい。ほぼ一冊まるごと桃子さんの脳内状態。ヘビーな東北弁の羅列。こんなの読んだことない。ドイツの文学賞も受けたというこの作品。ドイツの地方の方言を使って翻訳されたと。 んでねでば。伝えねばわがね。 わかるわかる。意味もわかるしイントネーションもわかる。喋れないけどわかる方言。東出も蒼井優もこの方言を映画では使っているんだろうか。田中裕子ではないよな、もっとおばちゃんを使わないとリアリティないと思うけど。 こういう芥川賞。いいよね。希望が持てる、なんだか。

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