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破局 の商品レビュー

3.2

240件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    72

  3. 3つ

    90

  4. 2つ

    33

  5. 1つ

    7

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2020/09/30

ストーリーだけなぞれば、よくいる大学生が転落していく話。 けれど、繰り返されるモチーフ(ゾンビ、マナー、巡査、こちらを見る目、など)を読み解いていけば、作者が描こうとする虚無が見えてくる。気がする。 主人公は不文律とか一般常識、外から与えられた「こうあるべし」の集合でできていて、...

ストーリーだけなぞれば、よくいる大学生が転落していく話。 けれど、繰り返されるモチーフ(ゾンビ、マナー、巡査、こちらを見る目、など)を読み解いていけば、作者が描こうとする虚無が見えてくる。気がする。 主人公は不文律とか一般常識、外から与えられた「こうあるべし」の集合でできていて、自らの中身は空洞、すなわち虚無、ということかな? 全体を通して客観的に自分を観察している印象。

Posted byブクログ

2020/09/29

ざらりとした後味。 私も大学4年生ですが主人公をサイコパスとは思えませんでした。 たぶん今どきの大学生、みんなこんなもん。 流行りに乗って、海辺ではしゃいで、インスタで幸せアピールして。 だけど中身は案外虚無だったり冷静だったり。 乾いた世界、私は嫌いじゃなかった。

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2020/09/29

物語に飽きた物語好きはハマる感じがする 薄味で平坦、そこが良いし嫌だ 川上弘美の書評が分かりそうで全然分かんないのが笑える

Posted byブクログ

2020/09/27

又吉作品の匂いがして最近この手の小説が評価されるのが良く解らない。 共感できる部分が何もないし文字として興す必要性も全く感じない。 途中で辞めよかと思ったが何とか読み切った僕にとっては読む価値の無かった作品。

Posted byブクログ

2020/09/26

レビューを拝見させていただくと、「主人公に共感できない」というものが多く、できればわたしは共感しながら読みたいものだなあと思って読み進めた。 結果、共感できなかった。 物語を追って、場面を浮かべることはできる。 そして主人公が言っていること、その内容は理解できる。 ただ、この主...

レビューを拝見させていただくと、「主人公に共感できない」というものが多く、できればわたしは共感しながら読みたいものだなあと思って読み進めた。 結果、共感できなかった。 物語を追って、場面を浮かべることはできる。 そして主人公が言っていること、その内容は理解できる。 ただ、この主人公が何を考えているのか、最後まで読んでも、彼の人間性が、わたしにはつかめなかった。 主人公の陽介は、公務員試験を目指している(慶應)大学4年生。後輩のラグビーの指導を手伝っていて、彼女もいる。彼は、セックスだけでなく、ひたすら下半身のことを考えてる。陰毛について半ページを割いたり、自慰やトイレの描写が多かったり。 部員に対する厳しさ、それがどこからくるのか。彼の人間性がつかみきれない以上、彼の声を追っていくしかないのだけれど、追っていても書いてない。 そして、倫理観のこと。 「右の女はショートパンツを穿き、脚を露出させていた。席と席が近いことにかこつけて、私はこの女にわざと脚をぶつけようとした。が、自分が公務員試験を受けようとしていることを思ってやめた。公務員を志す人間が、そのような卑劣な行為に及ぶべきではなかった」であるとか、亡くなった父が女性には優しくするように言っていたから優しくする、であるとか、倫理観の発信源が体裁や親にあって、結局主人公の意思ではなく、他者にある。 この点も、彼の人間性のつかめなさに加担している。そしてこの「彼という人間性のつかめなさ」、主体性が自分ではなく相手に委ねられているという点が、この作品が描こうとしている「虚無」なんだろう。 部屋でふいに見かけるちぢれ毛にふと思いを馳せたり、自分の悪口を言っている人を見かけた時に、全く関係のない、自分が勝手に「悪」とみなした人に当たろうとしたり、きれいな人にぞくぞくしても、捕まるのを恐れてしなかったり。 人の心は、そうした、日常でふと思ったことや、瞬時に感じ取った強い感情、つきまとう倫理観、そういうものがぐるぐると回っていて、だから心の声をずっと垂れ流していたらぐじゃぐじゃで、言葉にしたら支離滅裂なことなんていっぱいある。その瞬間の感情を掬いとった、そんな描写が拡がっている。 やっぱりわたしには芥川賞作品を理解するのは難しいのかもしれない。 だから又吉さんの「火花」とかも読んでない。 今回手に取った理由が、遠野さんがイケメンで話題だったから、というのは大きな声では言えません…。

Posted byブクログ

2020/09/24

規範意識が強すぎるきらいがあって、ちとやっかいに感じるけれども、まあ常人の範ちゅうに収まる青年でしょう。自分の学生時代を思い返してみても、ここまで身体を鍛錬することはなかったものの、生活のリズムに関しては、まあその、おおかたの部分において通じるところがあり、特別に違和感はない。む...

規範意識が強すぎるきらいがあって、ちとやっかいに感じるけれども、まあ常人の範ちゅうに収まる青年でしょう。自分の学生時代を思い返してみても、ここまで身体を鍛錬することはなかったものの、生活のリズムに関しては、まあその、おおかたの部分において通じるところがあり、特別に違和感はない。むしろ共感を覚える。といって、これを大いに評価される文学作品だといわれても、なんともかんともである。タイトルがそうなんだからそうなんでしょうが、最後にあの程度の別離が人生の破局にさえつうじるって、どうなの。

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2020/09/23

芥川賞受賞。 もう一つの「首里の馬」同様、笑っていいんだか泣く場面?なんだか悩みながらもよむ。 シミジミと男の性欲とか正義感とか納得しながらも呆れながらもグイグイ引き込まれる。 何を正しいと陽介は信じそれでも女性を傷つけないように傷つけないよう~公務員になるのだからと自分を糺して...

芥川賞受賞。 もう一つの「首里の馬」同様、笑っていいんだか泣く場面?なんだか悩みながらもよむ。 シミジミと男の性欲とか正義感とか納得しながらも呆れながらもグイグイ引き込まれる。 何を正しいと陽介は信じそれでも女性を傷つけないように傷つけないよう~公務員になるのだからと自分を糺していく姿は、お笑い? と、問うてみたい。 なにが破局なのかは、あの暴力沙汰なのねと、読み終わってから気が付いたけれど、ふと思えば、最初から「破局」へ向かってのストーリー展開。読む人は、陽介がこのまますんなり公務員やらになれるはずはないと気付いていたかもしれない。 ナイフのようなタックルを仕込んできたようだ。

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2020/09/21

法学部大学4年の公務員を目指す「陽介君」は麻衣子そして灯という2人の女子大生とセックス三昧の生活をしているように感じる。道徳心を持っているような自分への言い聞かせをしているが、あまりにも背骨がない青年の印象である。不気味な印象さえ感じる。そして2人の女の子も。まして麻衣子は政治家...

法学部大学4年の公務員を目指す「陽介君」は麻衣子そして灯という2人の女子大生とセックス三昧の生活をしているように感じる。道徳心を持っているような自分への言い聞かせをしているが、あまりにも背骨がない青年の印象である。不気味な印象さえ感じる。そして2人の女の子も。まして麻衣子は政治家を目指しているという!著者は慶大卒で、この陽介君そのものなのだろうか。アメフト青年の「青春の挫折」という小説があったが、ここではラグビー青年。挫折までは描かれていないが、このような青年たちの生態が普通だとすれば、日本の将来の暗さを感じる。

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2021/03/08

純文学。面白くて一気に読了。 主人公がちょっとずれている系(ちょっとじゃないんですが)、コンビニ人間、むらさきのスカート系の主人公で、その辺の作品が好きな人にはオススメ。 乾いた文体と作風と内容が合致していた。

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2020/09/19

淡々と無表情のようでいて、本能のままに行動する主人公。 関係する女性二人も同じだった。ぐにょぐにょおかしなことを言ってる風な膝はとてもまともだ。

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