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童の神 の商品レビュー

4.4

41件のお客様レビュー

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2024/11/12
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むかしむかしあるところに…で始まるおとぎ話。 鬼退治伝説の中に出てくる鬼とは何者か?? もちろん人である。 今も昔も変わらぬ戦の様、敵に共感を覚えると戦意は鈍るため、敵は悪党であり敵は鬼である。 鬼と呼ばれる人たちのシュプレヒコール 「童」…奴隷、鬼などの人でないもの(京人でないもの) 「鬼」…おらぬ=おぬ、転じて鬼と字を当てる。おらぬものとして扱われる存在 「土蜘蛛」…京以外では、山の穴に住む人達も多くいた

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2024/09/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「世を、人の心を変えるのだ」「人をあきらめない。それが我々の戦いだ」 ――平安時代「童」と呼ばれる者たちがいた。彼らは鬼、土蜘蛛……などの恐ろしげな名で呼ばれ、京人から蔑まれていた。 一方、安倍晴明が空前絶後の凶事と断じた日食の最中に、越後で生まれた桜暁丸は、父と故郷を奪った京人に復讐を誓っていた。 そして遂に桜暁丸は、童たちと共に朝廷軍に決死の戦いを挑むが――。 差別なき世を熱望し、散っていった者たちへの、祈りの詩。 第一○回角川春樹小説賞(選考委員 北方謙三、今野敏、角川春樹 大激賞)受賞作にして、第一六◯回直木賞候補作。

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2024/08/12

まさか酒呑童子を描く物語だと思わなかったので、思わず声が出た。 文庫版あとがきを読んで、歴史作家ってすげえと唸った。

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2024/07/29

ヘタレなので人が多く死ぬ物語は気分が落ち込んでしまいます。でも自分が全く知らなかった京周辺に住んでいた童と呼ばれた人たちと、その苦悩、抵抗、希望が鮮明に感じられました。今では生まれによる差別などは少なくなったと思いますが、それがすべての時代は、弱いものにとってさぞ生きづらかったと...

ヘタレなので人が多く死ぬ物語は気分が落ち込んでしまいます。でも自分が全く知らなかった京周辺に住んでいた童と呼ばれた人たちと、その苦悩、抵抗、希望が鮮明に感じられました。今では生まれによる差別などは少なくなったと思いますが、それがすべての時代は、弱いものにとってさぞ生きづらかったと思います。それでも京人の中にも互いの存在を認め合える種類の人もいたのは救いでした。最後の保昌の行動は、組織の中にいても上司がクズでも個人の信念で変えられるものがあるということも教えてくれました。

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2024/05/21

歴史はこういう背景があり作られて行くんだな。綺麗事ばかりでは無い。虐げられる民族がいる。そして声を上げ立ち向かう。3部作との事ですが早く続きが読みたいです。

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2024/05/05

 本作発刊当時から、今村翔吾さんが紛れもないエンタメ作家で勢いのある書き手なのだと理解できました。理屈抜きに楽しめる物語でした。描かれるのは、土着の民たちの、朝廷への抵抗と差別のない社会の希求です。  平安時代「童」と呼ばれ、京人(みやこびと)から蔑まれ虐げられる人々がいました...

 本作発刊当時から、今村翔吾さんが紛れもないエンタメ作家で勢いのある書き手なのだと理解できました。理屈抜きに楽しめる物語でした。描かれるのは、土着の民たちの、朝廷への抵抗と差別のない社会の希求です。  平安時代「童」と呼ばれ、京人(みやこびと)から蔑まれ虐げられる人々がいました。朝廷の支配に屈しない先住の者たちです。  その一人、桜暁丸は凶事の日に生まれ、母の来歴や風貌もあり「禍の子」と呼ばれました。父と村を奪った京人への復讐を誓い、同じ境遇の仲間「童」たちと共に朝廷へ闘いを挑んでいく展開です。  今村さんは、神話や伝説を取り入れながら、想像力豊かな作品世界を作り出しています。特に闘いの場面は臨場感あふれ、手に汗握る描写です。人物の書き分けも明確で、心の機微や揺らぎ、変容などの表現も巧みで引き付けられます。
 桜暁丸が望んだ差別のない社会、平等で貴賤のない未来を夢見て散った者たちの願い‥。容易に埋めることのできない隔たりに、人間の負の側面を見せ付けられる思いです。  千年後の現在でも、洋の東西を問わず紛争の絶えない人間社会が続いており、彼らの願いが叶えられていない現実が哀しいですね。それでも、未来に希望を抱かせる読後感でした。

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2024/04/11

歴史は勝者により作られる。この事を強く考えさせられました。 室町時代に土蜘蛛、鬼等の化物話しが多くありますが、それらは人であり「京人以外は人では無い」という思想から生まれてたんですね。平将門の首が飛ぶ話しもこれと同様に、京人以外を化物扱いとする事で根絶やしにする口実を与える寓話と...

歴史は勝者により作られる。この事を強く考えさせられました。 室町時代に土蜘蛛、鬼等の化物話しが多くありますが、それらは人であり「京人以外は人では無い」という思想から生まれてたんですね。平将門の首が飛ぶ話しもこれと同様に、京人以外を化物扱いとする事で根絶やしにする口実を与える寓話となります。 欧州でも迫害の歴史が多くありましたが、日本でもこれ程の迫害が罷り通る時代があったとは思いもしませんでした。 歴史の裏を書き出し、その者達の抵抗がどれ程過酷だったかを知る事が出来ます。勿論小説としての面白さは十分。オススメです。

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2024/03/22

味方がいて。 敵がいて。 それぞれに信念があって。 同情すべき過去があって。 裏切りがあって。 四天王がいて。 必殺技のようなものがあって。 こんなマンガがあったらな~って思ったらあったりして。 原作今村先生、原哲夫先生に描いてもらいたかった作品。

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2023/12/31

平安の世で勃発する差別との闘いの物語。 てっきり、妖怪の話だと思っていたため、本篇を読み始めてから差別の話であることに気づいた。 差別と戦無き世を目指して励む主人公たちの姿が勇ましかった。

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2023/12/13

今村さんの話は、本当に素晴らしい。思わず引き込まれる。この話、題材から最後が見えてるんだが、そうじゃない最後を期待してしまう私は愚か。しかし、同じような虚しさは今も世界のあちこちで続いているのが悲しい・・・。3部作の真ん中の時代のものと云う構想で今(2023年12月)には出てない...

今村さんの話は、本当に素晴らしい。思わず引き込まれる。この話、題材から最後が見えてるんだが、そうじゃない最後を期待してしまう私は愚か。しかし、同じような虚しさは今も世界のあちこちで続いているのが悲しい・・・。3部作の真ん中の時代のものと云う構想で今(2023年12月)には出てないようだが、きっと悲しい話になるんだろうなあ。でも、読んでしまう私

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