いのちの停車場 の商品レビュー
先日義母が数年の闘病の末に亡くなった。その治療や終末期の過ごし方について夫を含めた義家族にかなり不信感を抱いたので、この物語にはかなり心を揺さぶられるものがあった。夫にもいつか読んでもらおうと思う。
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最近、入院、手術、退院、再入院、といろいろ経験したおかげか、病院関係に関心がありました。みとりという、経験も、何度かしました。人の旅立ちは、みんな違うんですね。後半いっきに読み切りました。せつないけど、避けては通れないことですね。
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さまざまな状況の患者が登場しますが、それぞれの場面で、自分に置き換えることのできる人物がいて、感情移入しながら読みました。 癌で入院していて、転倒による骨折から病状が悪化してしまった祖父を思い出してしまいました。家に帰りたがっていたそうなので、在宅医療を選べていたら、喜んだのか...
さまざまな状況の患者が登場しますが、それぞれの場面で、自分に置き換えることのできる人物がいて、感情移入しながら読みました。 癌で入院していて、転倒による骨折から病状が悪化してしまった祖父を思い出してしまいました。家に帰りたがっていたそうなので、在宅医療を選べていたら、喜んだのかな、と考えてしまいます。 自分の子供が小児がんになってしまったら?旦那が大怪我で全身麻痺になってしまったら?ステージ4のがんになってしまったら? 想像するだけで、涙が出てきてしまいますが、本人の望みを叶えてあげられる心を持て流ようになりたいと思いました。 支える側も、ケアを受けることが不可欠だということにも気付かされました。 両親とも、主人とも、自分たちの死については会話をしておく必要があると思いました。 序盤の救急センターの話は、本書を手にしたときには想像しなかった内容だったため、本編とはまた違った辛さがありました。 ラストは、これまでの流れと毛色が違う、問題提起があり驚きました。 知り合いが、訪問看護師をしていますが、こんな仕事だとは全く思っていませんでした。 終末期医療については、ホスピスのはなしである、小川糸さんの『ライオンのおやつ』もおすすめです。
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ラストが「えっ なんで?」と思わされた一冊 終末期の「在宅医療」がテーマの小説。他の方も書かれていますが、ラストシーンで結果的に主人公は薬を調整しただけです。未遂でも犯罪なのでしょうか。それについての記述が欲しかったです。それまで各患者さんに対して理想的な展開であったがゆえに自分...
ラストが「えっ なんで?」と思わされた一冊 終末期の「在宅医療」がテーマの小説。他の方も書かれていますが、ラストシーンで結果的に主人公は薬を調整しただけです。未遂でも犯罪なのでしょうか。それについての記述が欲しかったです。それまで各患者さんに対して理想的な展開であったがゆえに自分が主人公の診療を受けている側だったら「そんなことで辞めないでほしい」と強く思うことでしょう。 ●金沢の情景の描写がとても美しい 著者は金沢出身ではないのにまるで地元かのようなみずみずしい描写がとても印象的でした。 金沢好きならより共感できるのではないかと思います。 ●本当に真面目な小説 サイレント・ブレスも同様ですが登場人物の明るい(浮ついた?)話が全くなく著者の終末期医療への思いが感じられます。(ネタバレになるので名前はあえて伏せますが)看護師と運転手、主人公と先輩医師になんかあるのではと期待して読み進めてしまいました。(わたしが野暮すぎですね) ●ベットを空けたかったり空けたくなかったりの闇 本書では長く入院していると点数が下がる(=儲からない)システムもあり在宅医療が進められていることが紹介されています。だから症状が固定された患者は退院を促されその受け皿として在宅医療が今後大切になっていくのは理解できました。これは医療者の負担を減らすためにも必要なことと思います。病院では看護の負担を減らすためにその方らしい生活は否定されてしまうことであっという間に衰える場面もありこれは現実によくあるのだろうなと想像できました。一方で、本書では病院の威信のために国の審議官にさらなる治療を促す場面もでてきます。 ●まとめ いのちの停車場は自分の最期について主体的に考えるきっかけになる一冊です。これがお好きなら著者のデビュー作の「サイレント・ブレス」もオススメです。
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救急救命に長年たずさわってきた咲和子は62歳にして故郷の金沢で在宅医療の医師となる。それまでいかにして命を救うかだけを考えてきた彼女は、どうすれば患者が人生の最期を有意義に過ごせるかについて思い悩む。その最たるものが第六章「父の決心」だろう。最後に彼女があのような行動に出たのは、...
救急救命に長年たずさわってきた咲和子は62歳にして故郷の金沢で在宅医療の医師となる。それまでいかにして命を救うかだけを考えてきた彼女は、どうすれば患者が人生の最期を有意義に過ごせるかについて思い悩む。その最たるものが第六章「父の決心」だろう。最後に彼女があのような行動に出たのは、この難しい問題について社会全体で考えてほしいと言う作者の思いの現れなのかも知れない。 皆んなに読んでほしいので星5つ。
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一般企業であれば定年を迎えている齢の白石咲和子が、救命救急医としてのキャリアを捨て、故郷金沢で在宅医として奔走する姿を描いている。 医師としての覚悟が各章毎に響いてきて、特にラストの自分の父への積極的な安楽死「死を創る」ための処置を施そうとする場面は息を飲んだ。在宅医療の現場では...
一般企業であれば定年を迎えている齢の白石咲和子が、救命救急医としてのキャリアを捨て、故郷金沢で在宅医として奔走する姿を描いている。 医師としての覚悟が各章毎に響いてきて、特にラストの自分の父への積極的な安楽死「死を創る」ための処置を施そうとする場面は息を飲んだ。在宅医療の現場ではもっとドラマチックな毎日が繰り広げられていることだろう。現職であるという筆者ならではの、通常はもっと悪者に描かれるような大学側の人間ですら、愛を感じる筆致で著されており、医療ものにありがちな辛い読後感の全くない、かといって軽いわけではない、手応えのある作品であった。
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示唆に富む作品で、星5つ以上つけたい。 現役の医者である作者が、社会に問いかけをしている作品。 できるだけ多くの人がこの本を読む機会があるといいな、と思う。 最期を迎えない人は、この世に一人としていないのだから。 主人公は62才の医師、白石咲和子。 東京の大学救命救急センターで...
示唆に富む作品で、星5つ以上つけたい。 現役の医者である作者が、社会に問いかけをしている作品。 できるだけ多くの人がこの本を読む機会があるといいな、と思う。 最期を迎えない人は、この世に一人としていないのだから。 主人公は62才の医師、白石咲和子。 東京の大学救命救急センターで要職についていた。 しかし、わけあって故郷の金沢で在宅医療に関わることに。 38年間、最前線で「命を救う」仕事に邁進してきた咲和子は、 この地で「最期を看取る」という新たな挑戦をすることになる。 それは、患者の横にいる家族を支える仕事でもある。 患者には、最先端医療を望む若きIT企業の社長や、まだ6歳の小さな子供もいる。 「最新医学も視野に入れた手段で治療する一方で、苦しくない終末期を支えるケアも行う。自由度の高い対応ができるのが在宅医療だ」と本文中にある。 そうあってほしいと思う。 最も心を打たれたのは、最終章。 咲和子が自分の父の看護をするにあたって、 医師としてではなく、患者の家族としての心情を吐露する場面。 《患者が主体の医療》とはどうあるべきか、咲和子とともに揺れ動く。 映画上映中のようだが、まだ見ていない。 社会への問題提起という意味で エンディングが、本と一緒だといいなと思う。
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仕事で在宅医療や看取りなどの言葉をよく目にしており、改めてどういう世界なのか興味を持って手に取った。 看取りには本人よりも家族の覚悟が必要であることや、死の直前の一連のプロセスなど知らなかったことがたくさんあった。 老老介護や小児がんの話はもちろん、父親の最期も涙なしでは読め...
仕事で在宅医療や看取りなどの言葉をよく目にしており、改めてどういう世界なのか興味を持って手に取った。 看取りには本人よりも家族の覚悟が必要であることや、死の直前の一連のプロセスなど知らなかったことがたくさんあった。 老老介護や小児がんの話はもちろん、父親の最期も涙なしでは読めない。患者や家族の中で、どの登場人物の立場にもなり得ることから、今から日々を大切に生きていかなければと実感。 積極的安楽死については自分の場合は賛成派だったが、家族から望まれたとき、もし合法化していたら受け入れられるか揺さぶられた。
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非常に良かった。在宅治療のさまざまな例に触れて知らない世界を味わいながら、登場人物がよく映えていたと思う。 最後のお話が良かったかなー
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在宅医療のリアルと希望が同時に描かれていました。私ならどうするか、と考えながら読みました。こんな医師に出会いたいものです。最後のテーマは難しく、不十分なまま終わった気がします。
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