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まだ温かい鍋を抱いておやすみ の商品レビュー

3.8

114件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

    49

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    1

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2022/04/25
  • ネタバレ

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彩瀬まる読了4作目 なかなかこの作者の描く世界は独特で、どぎまぎと戸惑うことが多いのだが…今回はけっこう 良かった。 ・引きこもりだった主人公が手伝うダイニングバー そこに週1で通う美人なお客 決まって煮込みを1品とワイン ただその彼女には不思議な力があって・・・ ・とてもやさしく気遣ってくれる彼女から たった一つお願いされたのが「枝豆チーズパンを作って欲しい」そのパンは彼女にとっての 心の支えだった。 食べ物にまつわるエピソードが6編。どれも ちょっと独特なシチュエーションではあるが、登場人物や会話が自然で 読み手は話の中に自然に引き込まれる。 ママ友と日帰り温泉に行く「ポタージュスープの海を越えて」は 豪華な食事を前に 毎日家族の料理を作っている母として「自分が好きな物ってなんだっけ」そして 亡くなった母の好きなものは・・・。 秋の夜長に 美味しそうな食べ物の小説もいいですよ。  

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2020/09/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

少し重めな内容ではあるけど、どれも後味の良い作品達でした。生きている中で、いつかは分からないけれど必ずなにかにぶつかる事があって、そういう時に手を差し伸べてくれる誰かの存在がどんなに心強いか。友達でも子供でも。すぐに変われないけど、その変化の入り口に立てた人達がとても眩しかったです。

Posted byブクログ

2020/09/30

○ひと匙のはばたき 自分のことを自分で決めるっていうのは当たり前のようで難しいこと。一歩踏み出した清水さんはとてもかっこよかった。 ○かなしい食べもの 切なさと温かさを感じる物語。 ふたりの未来が、どうか穏やかでやさしくありますように。 ○ミックスミックスピザ 家族の形はそれ...

○ひと匙のはばたき 自分のことを自分で決めるっていうのは当たり前のようで難しいこと。一歩踏み出した清水さんはとてもかっこよかった。 ○かなしい食べもの 切なさと温かさを感じる物語。 ふたりの未来が、どうか穏やかでやさしくありますように。 ○ミックスミックスピザ 家族の形はそれぞれで、理想どおりには決してならない。だけど、根底にある大切にしたいものが変わらなければ、きっと大丈夫なのかな。 ○ポタージュスープの海を越えて 母が作る料理は大好きだけど、母が好きな料理を知らないことを気づかされた。帰ったら聞いてみよう。たくさん。 ○シュークリームタワーで待ち合わせ 家族に対する考えは人それぞれで正解はない。 食は立派な生きる理由。 ○大きな鍋の歌 こみ上げてくるものがあった。 人はひとりひとり違う、それぞれが特別で、ただそれに気がつくことがわたしにもできるのかな。

Posted byブクログ

2020/09/27

何か辛い事があっても、食べることや食べ物がその人の支えとなることもある。そんな6話。 お腹が満たされれば気力も湧いてくるよね。 お返しにシュークリームタワーを作るね、という1話が印象的。

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2020/09/26

この作家さんは好きな作品に当たると本当に好きなタイプのものになる。 今回もタイトルに一目惚れ。 短編集。 様々な人の日常が描かれていて、生きていくために、『食べる』という行為が描かれている気がした。 さらさらと読めるけど、自分が辛いときに読み返したくなる作品。

Posted byブクログ

2020/09/14
  • ネタバレ

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短編6作 どんなに打ちのめされても、辛くても、おなかは減る ただ、最小限食べていれば死なない 残念なことにそれを知っているから 食べることで少しでもプラスに向くこと おいしいと思えることを共感できる相手がいることって、ほんとうに幸せなことなんだな 今ならわかることはたくさんあるけど、やっぱりわからないことも多くて傷つけてしまうこともある

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2021/01/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

〇情景と自分が食べた時の感情が浮かぶような、そして主人公たちの気持ちがわかる、そんな本。 ・ひと匙のはばたき 週に一度来る不思議な何かをまとった女性。小料理屋を介してふとお互いの深淵を知ることになり…不思議な"バサバサバサバサ"と、成長と。 ・かなしい食べもの 料理合コンで出会った透と灯。枝豆チーズパンを作ってほしいという灯のリクエストに透は答え続けるが… ・ミックスミックスピザ 夫子供がいる生田は、部下・弦巻と弾みで不倫をしてしまう。休職中の夫と向き合ううちに、ホテルで食べたピザの味が忘れられなくて… ・ポタージュスープの海を越えて 生活に疲れた素子は珠理を誘って一日旅へ。いかに自分が息子夫のことを考えて食べさせてきたか?でもそのときわかる大事さ。 ・シュークリームタワーで待ち合わせ 幸が家庭のトラブルを抱え夜子の家に避難。ご飯を食べさせたら泣く幸に、いつかの自分の結婚のときの状況を回想する。すると幸の旦那がやってきて… ・大きな鍋の歌 手術を待つ万田を見舞う松。娘の野栄との思い出も共有しつつ、季節料理を懐かしむ万田は味覚に不調をきたし始めており… ご飯の描写って、難しい。 口で話すものと、手で書くものと、映像で見せるものでは表現の仕方が全く異なる。いかに人間の五感に寄り添って伝わらなければならないかを実感させられるが、この本では、その五感をうまく刺激するような表現を使いつつ、丁寧に情景と自分がもし食べたとしたらその時の感情が浮かぶような、そんな書かれ方だなと。 スプーンにぷっくら乗るポタージュスープなんて、最高じゃないですか?ピザを食べて油が一気に脳まで駆け上がるなんてさ。 人間が食べ物を食べたいという煩悩に、いかに支配されているかを実感する。いい意味でね。 そして主人公たちの気持ちがわかる、そんな本。 私たちも、この彩瀬まるという人に、鍋を抱かされるのかね。 思い出のいっぱい詰まった、あなたのあの鍋はいったい何が入っていますか? いい夜を、否いい鍋を。

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2020/09/06

登場する食べ物は美味しそうなのに、お話が辛くて食べ物の印象があまり残らない( ´△`)でも、どんな時でも食べるって大切だなぁと思った(・-・ )

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2020/08/13

人生にさまざまな靄を抱えて生きている人々と、そっと寄り添う食べ物のエピソードを描いた短編集です。 人間にとって食べることは生きることに等しいものです。だから生きることがしんどいときに、食べること、食べ物の記憶がなにかのきっかけや転機にもなってくれるのかもしれない。枝豆パンの懐か...

人生にさまざまな靄を抱えて生きている人々と、そっと寄り添う食べ物のエピソードを描いた短編集です。 人間にとって食べることは生きることに等しいものです。だから生きることがしんどいときに、食べること、食べ物の記憶がなにかのきっかけや転機にもなってくれるのかもしれない。枝豆パンの懐かしさいとしさ、ミックスピザのジャンクな味わい、鶏肉とカブのシチューのやさしさ。食べ物と思い出が連なり、生きる勇気、踏み出すきっかけをひとさじ与えてくれる。今は何とも思ってなくても、それはもしかしたら今日摂った食事かもしれない。 そう思うことで、日々の食事をひとつずつ慈しみ、大切に味わっていきたいと考えさせてもくれました。

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2020/08/03

ちょっと複雑で悲しみが含まれるような人間関係と、美味しそうな料理が一緒に出てくる6つのお話。 話としてはどれも全然違う内容だけど、どこか不器用で、若干、女性蔑視的な男性が出てくることが多かったような。。 ミックスピザの話がいい感じで印象的だったな。

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