少年と犬 の商品レビュー
直木賞受賞と聞いて読んでみた 犬が様々な人に引き取られ、幸せを与えていた 文体は複雑ではなく、素直で読みやすい 何か大きなオチがあるかと思っていたけど、そこまででもなく、これで直木賞?と思ってしまった
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これまで読んだことのある馳星周さんの本とは全くタイプが違っていました。 「その犬のあゆむところ」(でしたっけ?)を思い出しました。 今でも震災の傷跡が癒えていない方も多いでしょう。犬の持つ癒しの力を感じました。
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被災後の岩手から熊本まで5年間をかけて、少年の元へ戻ってきた賢く誇り高い犬、多聞の話。 道中に出会う人々と多聞の交わりが、一つ一つ短編になっていて、でも一つの多聞のストーリーとしてまとまっている。 多聞は愛情やぬくもりを必要とする人に未来を悟っているかのように出会うべく出会い、寄り添っていく。 最後の少年との絆には号泣。 馳さんはミステリーのイメージが強く読んだことなかったけど、犬が登場する小説も多いみたいで、もっと読んでみたい。
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少年と再会するために岩手から熊本まで5年もの年月をかけて進んでいく多聞の物語。 各章で出会う人々は、かなりの問題をかかえていたが、みんな多聞に愛情を持ってくれる心優しい人々で、よかった。 初めの章から、各章涙が出た。 再会できてよかったねと多聞に伝えたい。わたしも多聞に出会いたかった。 この小説全体を通しては、両親と右足を失った女の子の話と最後の話以外、多聞と出会った人が亡くなる場面が多く、とても苦しい気持ちになった。 動物は人を幸せにする不思議な力を持っていると思う。この小説に登場する多聞のような心優しい動物に救われる人は実際に多くいると思う。
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1匹の犬と各章での登場人物との出会いが描かれる。震災を舞台に、それぞれの生き方と共にする犬、多聞。強く芯のある多聞が人間に寄り添い、支える。すばらしい本だった。
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震災をテーマとした小説のひとつとして挙げることができる。東北と熊本の二つの災害をつなぐ筋になっている。しかし、それは大枠であって、本筋は一匹の犬が結ぶ様々な人間模様である。 巧妙に作られたプロットに読者は魅了される。少しずつ話の中の真実が明かされていく手法はまるでミステリーの...
震災をテーマとした小説のひとつとして挙げることができる。東北と熊本の二つの災害をつなぐ筋になっている。しかし、それは大枠であって、本筋は一匹の犬が結ぶ様々な人間模様である。 巧妙に作られたプロットに読者は魅了される。少しずつ話の中の真実が明かされていく手法はまるでミステリーのような趣である。この作品に出てくる人物には泥棒も殺人者もいるが本当の意味では誰一人悪人はいない。人生のさまざまな綾がそのような運命にさせているという設定である。 全編を通して活躍する犬は様々な名前で呼ばれながら、それぞれの名付け親の心を癒していく。しかし、犬自身の意志は別にあり、それを全うするという健気さが感動をもたらしている。 できすぎた話といえばそれまでだが、このような虚構に身をゆだねたいときもある。この小説はその場合には最適だ。
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初読みの作家さんでした。物語的には面白かったのですが…自分の好みではありませんでした、。読んでいる途中で、これって多聞と出会った人たちはいっときの幸せの後必ず不幸になるのでは…?と思ってしまって読むことを少し躊躇ってしまいました。「老人と犬」のおじいさんも最後が衝撃すぎて、えぇ…...
初読みの作家さんでした。物語的には面白かったのですが…自分の好みではありませんでした、。読んでいる途中で、これって多聞と出会った人たちはいっときの幸せの後必ず不幸になるのでは…?と思ってしまって読むことを少し躊躇ってしまいました。「老人と犬」のおじいさんも最後が衝撃すぎて、えぇ…まじかぁってなりました。多聞と出会った人と多聞の別れは物語の進行に必要不可欠なのは分かっているのですが正直辛かったです。最後もハッピーエンド感出てましたが私的には納得がいきませんでした…。私はまだ学生です。なので大人になって色々な事を経験してから読めば今とは違う解釈ができるのかもしれません。そういう意味では、ぜひまた読んでみたいです。
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第163回直木三十五賞受賞作。 『多聞』という犬を中心に描かれた短編集。よく『犬には不思議な力がある』と言われますが、そこに注目した物語だったように思います。 ラストはそうなるのかなって思ってた方向に進みましたが、それでも感動モノでした。 ・ ・ ・ ・ ・ 傷つき、悩み惑う人...
第163回直木三十五賞受賞作。 『多聞』という犬を中心に描かれた短編集。よく『犬には不思議な力がある』と言われますが、そこに注目した物語だったように思います。 ラストはそうなるのかなって思ってた方向に進みましたが、それでも感動モノでした。 ・ ・ ・ ・ ・ 傷つき、悩み惑う人々に寄り添う一匹の犬は、なぜかいつも南の方角に顔を向けていた。人と犬の、種を超えた深いきずなを描く感涙作。
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犬が大好きだからこそ、つらかったです。 読んでる途中途中、隣で眠る愛犬の大きく動くお腹を見て安心したくなりました。 多聞の周りで起きる悲しいことを、多聞がすべて受け入れていかなくてはいけないのがつらかったです。 とはいえ、やはり多聞の強さや真っ直ぐさは本当に素晴らしくて感動しま...
犬が大好きだからこそ、つらかったです。 読んでる途中途中、隣で眠る愛犬の大きく動くお腹を見て安心したくなりました。 多聞の周りで起きる悲しいことを、多聞がすべて受け入れていかなくてはいけないのがつらかったです。 とはいえ、やはり多聞の強さや真っ直ぐさは本当に素晴らしくて感動しました。犬には、本当に人を変える力が実際にあると思います。 文庫版を読んだのですが、あとがきまでもつらいものでした…。 個人的には⭐︎2になってしまいごめんなさい。同じ馳星周さんの「雨降る森の犬」が好きだったので読みました。また、再読してみます。
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厳しい生活、辛い境遇、悩みの中にいる人たちがたまたま出会った犬によって癒され励まされて希望を持ち直す。といった短編で話は繋がっていくのだが、結局誰も幸せにはなっていかない現実がある。もう一度やり直そうがメッセージではなく、死んでしまったらおしまいだよという小説はどうも後味が良くな...
厳しい生活、辛い境遇、悩みの中にいる人たちがたまたま出会った犬によって癒され励まされて希望を持ち直す。といった短編で話は繋がっていくのだが、結局誰も幸せにはなっていかない現実がある。もう一度やり直そうがメッセージではなく、死んでしまったらおしまいだよという小説はどうも後味が良くない。 東北で震災に遭って飼い主を失った犬にリアリティを求めてもしょうがないが、実際にあった事件を題材にするとしたら、こじつけ的なことが多いと感じた。 人との繋がりを理解する犬の優しいお話、だけでは小説にはならないのか。この設定が作者の描きたかったことなら、それはないんじゃないかの小説。
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