少年と犬 の商品レビュー
多聞と言う名の犬が いろいろな人たちとかかわる物語 犬を飼ったことがないけど こんなにイイ子は滅多にいないんだろうなぁ〜。 最後は泣いちゃいました
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
生きること、命について考えさせられた本だった。 生まれることができたこの命を自分はどう使うのか。 命を犯罪に使うこともできれば、命を人助けに使うこともできる。 命が、命をつなぐこともできる。 人の命も、犬の命も1つの同じ命。 多聞という犬から 誰かのために自分の命を使うことの大切さを教えられた。 多聞には不思議な力があって光くんの命を守るために 九州まで来たのだと思う。 人間にはそんな風に異変を感じ取る力はないけれど 自分の命をどう使うのか考え、行動することはできる。 生きていれば嫌なこと、大変なこともある。 自分の命はいつまでも使えるものではないのは自明なこと。 生と死は隣り合わせなのに、死を忘れて命を粗末に過ごしてしまう。 限りある命の中、自分は何のために生きるのか、生きたいのか。 どんな人になりたいのか。 その目的がハッキリするのなら、命は輝くのだと思った。
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様々な事情を抱えた人達と出会いと別れを繰り返しながら人間模様を描いた作品。 出てくる犬は全編通して同じ。だけれども、そこで出会う人間たちは家庭の事だったり、犯罪を犯したり、変に頑固だったりと様々。言葉は通じないけれど出てくる犬の挙動ひとつひとつがどこか悟っているような、心が通って...
様々な事情を抱えた人達と出会いと別れを繰り返しながら人間模様を描いた作品。 出てくる犬は全編通して同じ。だけれども、そこで出会う人間たちは家庭の事だったり、犯罪を犯したり、変に頑固だったりと様々。言葉は通じないけれど出てくる犬の挙動ひとつひとつがどこか悟っているような、心が通っているような感じに思え、愛情が湧く。 故に事情はどうであれ、人は心を開いていく。出会った犬が人との関係性において潤滑油となっていると思いました。 東日本大震災を絡めていたので相当重苦しいかなと思いましたが、そこまでは細かい事は書かれてはいなく、後半の展開でそういう事なのねと納得です。 一匹の犬とそこで出会った人間達の物語。
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重い内容なのに読みやすい。 しかし各章とも常に死が付きまとい、そのストーリーの切なさに耐えられず私は何度か読むのをストップしてしまった。 それでも多聞に導かれ、やっぱり読み進めてしまった。 タイトルにもなってる「少年と犬」が単行本では最終章に納められており、救われた気持ちになった...
重い内容なのに読みやすい。 しかし各章とも常に死が付きまとい、そのストーリーの切なさに耐えられず私は何度か読むのをストップしてしまった。 それでも多聞に導かれ、やっぱり読み進めてしまった。 タイトルにもなってる「少年と犬」が単行本では最終章に納められており、救われた気持ちになった。 逆に、各章を掲載順にしてしまうと、また違った読後感になったと思うと気持ちが沈んだ。 犬を飼っている人には多聞の気持ち、行動がわかりすぎるんだろうなぁ…。
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ようやっと直木賞獲りましたね。本当におめでたいです。 ハードボイルドのイメージが大きいのですが、ギャグマンガを長年続けるのが難しいように、毛色の違ったハードボイルドを書き続けるのは本当に難しいだろうと思います。 そんな中で犬の本を書いて直木賞なので、昔の馳さんしか知らないと違和感...
ようやっと直木賞獲りましたね。本当におめでたいです。 ハードボイルドのイメージが大きいのですが、ギャグマンガを長年続けるのが難しいように、毛色の違ったハードボイルドを書き続けるのは本当に難しいだろうと思います。 そんな中で犬の本を書いて直木賞なので、昔の馳さんしか知らないと違和感あるかもしれませんが、愛犬との日々を書いた「走ろうぜマージ」や犬と人との絆を濃厚に描いた「ソウルメイト」「ソウルメイトⅡ」を読むと犬への愛の深さを感じられます。 その土台を基に書いた本書が悪かろうはずもありません。犬という存在を天からの贈り物と本気で思っている上に、ハードボイルドという背骨が入っている彼だからこそ書ける佳作だと思います。 主人公は犬の「多門」。シェパードと和犬のミックスと思われる彼は、野良犬としてさ迷いながら南を目指します。何故なのか・・・。 そして導かれるように彼を助け彼に魅了されていく、行きずりの人々との心の交流を描いた連作で、犬を愛する人だけが出てくる作品なので、犬好きが読んだらきっと多門と暮らしたくなること請け合いです。
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東日本大震災の傷跡が残る仙台の地からスタートする、1匹の賢く誇り高い犬と、その犬が出会う人々とのストーリー。 出会う人はみな犬の気高さと優しさに魅かれ、癒されていく。それぞれと信頼関係を築きながらも犬の心にあるのはただ1人への想い。 関わる人はことごとく悲しい結末を迎え、切ないけ...
東日本大震災の傷跡が残る仙台の地からスタートする、1匹の賢く誇り高い犬と、その犬が出会う人々とのストーリー。 出会う人はみな犬の気高さと優しさに魅かれ、癒されていく。それぞれと信頼関係を築きながらも犬の心にあるのはただ1人への想い。 関わる人はことごとく悲しい結末を迎え、切ないけれど、最後には強い絆と温かいストーリーが待っています。物語の終焉は涙が出てしまいます。 犬の素晴らしさを語る、犬への愛が深い作品。
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犬には人間の理解がつかないような不思議な能力を持っている。言葉は交わせないが、人間以上に心をかわせ合うことができる。そういう事を教えてくれる本。どの場所でも人の生きる扇動力になった多聞の最後がなんとも切ないが納得のできるものでもある。
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馳星周、やっと直木賞。自分的には不夜城や夜光虫で取って欲しかったと思う。 どちらかというとダークな内容の小説が多かったが、この小説は犬に対する優しさが滲み出ている。 それも単に優しいのではなく、何も言わない多聞(犬の名前)の強い意志を描き切っている。 そして東日本大震災との関係が...
馳星周、やっと直木賞。自分的には不夜城や夜光虫で取って欲しかったと思う。 どちらかというとダークな内容の小説が多かったが、この小説は犬に対する優しさが滲み出ている。 それも単に優しいのではなく、何も言わない多聞(犬の名前)の強い意志を描き切っている。 そして東日本大震災との関係が。 馳星周好きには物足りないかもしれないけど、心地よい作品です。
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一匹の犬「多聞」がツナなぐ連作短編集。 多聞 釜石 ・男と犬 多聞 仙台 ・泥棒と犬 ショーグン 〜新潟 ・夫婦と犬 クリント/トンパ 富山 ・娼婦と犬 レオ 大津 ・老人と犬 ノリツネ 山口 ・少年と犬 多聞 熊本
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著者の馳さんが飼われているバニちゃんは、我が家の先代犬と出身犬舎が一緒だったので、犬舎が主催する集まりやドッグショーでご一緒したことがあるのです。うふふ。とてもいいひとでした♪ ご夫婦ともにかなりの愛犬家で、ここ10年くらいは馳さんのイメージである「不夜城」のようなハードボイ...
著者の馳さんが飼われているバニちゃんは、我が家の先代犬と出身犬舎が一緒だったので、犬舎が主催する集まりやドッグショーでご一緒したことがあるのです。うふふ。とてもいいひとでした♪ ご夫婦ともにかなりの愛犬家で、ここ10年くらいは馳さんのイメージである「不夜城」のようなハードボイルド小説ではなく、ワンコを題材とした小説も書かれており、彼らの愛らしさ神々しさ、飼い主との絆などに涙していました。 なので、馳さんがワンコ系の小説で直木賞を受賞されたことがとても嬉しい。 ハードボイルドが苦手な愛犬家の方に、著者の存在を知ってもらいたかったからです。 ・・・なんですが、この小説はイマイチ・・・ もちろんラストは泣きました。でも、泣いたからって面白い小説とは限りません。 ハードボイルドな犬(無口でワイルド、強くて男気のある孤高の人、ハードボイルドの定義にぴったり!笑)を主人公としたお話で、だから?安易に人がたくさん死ぬし、たしかに犬は人に寄り添ってくれるしすべてわかってくれるけれど、絆の唐突感が否めない。 展開も想像できるしさ。 この作品より「ソウルメイト」など他の作品の方がずっといいです。 犬を飼った経験のある人ならわかる、犬がそこにいるだけで幸せな気持ち、死別の苦しみなどが温かく綴られ、愛犬を亡くした時の心を慰められました。 著者の作品にはバニちゃんが表紙の別の本が沢山出てます、愛犬家の方にはそちらを読んで欲しい。
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