ラジオ・ガガガ の商品レビュー
深夜ラジオをオンタイムで聴き、翌朝寝ぼけ眼で通学する学生時代を送った私は、この自粛生活を機に十数年ぶりにラジオを聴くようになった。本書からも感じ取れるが、パーソナリティとリスナーの【共犯関係】に惹かれていたのだと思う。作中の余剰エピソードが物語の奥行きを圧迫している印象は受けるが...
深夜ラジオをオンタイムで聴き、翌朝寝ぼけ眼で通学する学生時代を送った私は、この自粛生活を機に十数年ぶりにラジオを聴くようになった。本書からも感じ取れるが、パーソナリティとリスナーの【共犯関係】に惹かれていたのだと思う。作中の余剰エピソードが物語の奥行きを圧迫している印象は受けるが、各話毎に実在の番組が登場するのが心憎い。葛藤の苦々しさが残る第二話と作り手の苦悩を描いた第六話が好み。しかし、radikoタイムフリーの利便性は演者の発言がネットメディアで意地悪く切り取られる昨今の閉塞感と等価交換なのですかね。
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あまりラジオを聴かないものととしてはちょっとのめり込めない感じだった。 ナイナイのオールナイトニッポンが出てくるけどたまたまタイムリーだったから勝手にドキドキした。
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実際のラジオ番組を用いながら、登場人物達がどう生きていくのか、苦悩しながらも前向きに生きていく姿を描いた全6篇の短編集です。 オールナイトニッポンや深夜の馬鹿力、ラジオドラマなど、個人的には、聴いたことのあるものばかりで、すぐにスーッと世界観に溶け込めました。 ラジオ+小説と...
実際のラジオ番組を用いながら、登場人物達がどう生きていくのか、苦悩しながらも前向きに生きていく姿を描いた全6篇の短編集です。 オールナイトニッポンや深夜の馬鹿力、ラジオドラマなど、個人的には、聴いたことのあるものばかりで、すぐにスーッと世界観に溶け込めました。 ラジオ+小説というと、佐藤多佳子さんの「明るい夜に出かけて」が浮かびます。その作品では、大学生の青春小説でしたが、本作品では、老若男女、幅広い世代の人達が主人公で、ひたむきに生きようともがきながらも頑張っている様子が描かれるヒューマンドラマでした。 ラジオ番組をアクセントとして、その人達にどう影響を与えてくれるのか、本作品の見どころかと思います。 ラジオの魅力というと、フリートークはメールや葉書を芸能人が読むことで、より身近に感じられることかと思います。普段目にする芸能人もラジオの方が堅苦しくなく、気軽に喋っている印象があり、素が見えていて面白いかと思います。 ラジオドラマは、役者の声と音楽だけで構成されているため、頭の中での想像が膨らみ、異空間を演出してくれるかと思います。 また、仕事や掃除など〇〇しながら聴けるのも魅力の一つです。 描く人たちが、原田さんの実体験?あるいは友人の実体験?と思うくらい、詳細に人物像を描いていて、リアル感が伝わりました。自分と似ていた部分もあり、グッと心に刺さりました。私もほぼ、小説で紹介されたラジオ番組を聴いていて、人生の糧にしています。 実際に聴いたことがなくても、ヒューマンドラマとして楽しめると思います。むしろ、そのラジオ番組を聴いてみたくなるかと思います。ぜひ試しに聴いてみて、ラジオの魅力にハマってみてはいかがでしょうか?
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