わたしたちは銀のフォークと薬を手にして の商品レビュー

島本理生(著者)

2023/12/12

実は再読。高一？高二？のときに読んだ記憶があるけど、昔よりも大人の女性の生き方の解像度あがってるせいでどれもうっすら他人事じゃない気がするなぁと思いながら読んだ。やっぱりこの作品はいいな。島本理生さんの作品って割とつらいイメージあるけどこの作品は色々ありながらも自立して生きてる大人たちのやさしい話で好き。それが無責任な優しさとかじゃないのが好き。

妹も嫌いになれないなと思った。島本理生さんは物語上で悪役として生きるためだけの悪役を作らないから好きだ。彼女にも色々あって、知世にも知夏にも見ようによっては欠点があるのだろうなと思った。やっぱり一人一人違う人間で、それぞれ大変なこともあるけど、それでもやっぱり誰かと関わって少しずつ変わっていけるのはいいよねという物語。

『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』というタイトル、幸福のなかにある椎名さんのちょっと尖った部分も、生きていくうえでの苦しみも手にしながら一緒に生きていくという意味なのかなと思った。

そしてなによりご飯が美味しそう！風景の描写もなんか良いし、旅先のチョイスが絶妙だ。
島本理生さんの本って食べ物とか旅行とかの描写が出てくるけど、お詳しいのだろうか。

島本理生さんの他の作品における旅や食の描写なども思い出しつつ、私もどこかに行きたいなーと思った。
いや、一人旅確定だけど。
椎名さんみたいな素敵な恋人はいないけど……！！！！！(椎名さんみたいな人と交際したかったらまず自分が知世ちゃんみたいに頑張り屋でいい女の子にならなきゃダメなんだよな！！！！！！)

2023/05/29

もしかしたら一緒に焼き鳥が食べられるって、一緒に生きていけるくらい大きなことなのかもしれない。

白地に色鮮やかな唇とシンプルながら艶やかな装丁に目を惹かれました。タイトルも美しい。

銀のフォークも薬も作中で出てくる椎名さんの持ち物です。「わたしたちは銀のフォークと薬を手にして」というタイトルは女の子目線のようにとれることから、ヒロインの知世ちゃんがこれから幸福(フォークから)も苦労(薬から病気含め)も椎名さんと一緒に背負っていくよという覚悟が込められているのではないかと思いました。

2023/05/28

私が過ごしている日常も当たり前ではないのだなと、誰かと一緒に過ごす時間も特別でなくても特別なのかもしれないな、と思わされた。私も恋をしたくなった。

いつか、いつも通るこの道が違った風景に思える日がくるのだろうか。

妹めちゃくちゃ嫌いだけど、終盤、妹目線になったところでああ、彼女も人間なんだなと思った。

2023/05/27

良かった。とても良かった。
美しくて清らかなのにどこか儚くくすんでいる、大人の恋愛の色をしていた。

間に挟まる友人目線のお話も良い差し色になっていた。個人的には直島のベネッセハウス&地中美術館が登場してくれて嬉しかったな

2023/05/25

大好きな作品。
大人の恋って書いてたけど、すごくピュアでそれでいて満たされてる。結局キュンとするところは可愛くて些細なことだし、昔からずっと変わっていないのだと気付かされる。
個人的には、女子3人組の気の置けない仲の良さが羨ましいと思った。こういう性格だからな、と自分と違うところも認めて、なんでも言いたい時に言い合える関係、これから誰かと築けるやろか。みんなそれぞれ仕事をして恋をして、まだまだ若いと慰めあって、生き生きしていて頑張っていて綺麗。そんな大人になりたいなと思う。
また読もう、これは凄くいい。

2023/05/22

人はみんな他人に晒さないだけで
それぞれ抱えている困難があって
一生懸命生きているんだよなあ。

“特別じゃない自分を好きになってくれる人”がいてくれることは
簡単なことではないのだなと改めて思いました。

わたしにもまたいつか、
焼き鳥を一緒に食べられる人が現れるといいなあ。

知世ちゃんが最後に見た夢、
現実になりますように。

あと、映画観た後に原作本をプレゼントするっていいですね。
素敵だな。ここ個人的にきゅんポイントでした。

こんなことされてみたいです(笑)

2023/05/20

めっちゃおもしろかったーーー！！！
色んな男女の愛のカタチがあるなーと知れたり。。。
病気と言うことを認知した上で、愛を育むってすごい素敵なことだと思う♪
様々な男女の恋模様が描かれている！(ブラックなやつもあり)
作中に出てくるご飯が美味しそう～！！！
料理好きな男の人って相当、優秀だと思う！いやもうまじで、自分も見習いたい笑笑

2023/05/19

好きになった人が病気だったら結婚を諦めるのか。自分にも発症するかもしれない不安はあるけど、それよりも彼を失う方が怖い。そんな恋愛もあるよね。結婚した後に病気になることもある。だからわたしは知世の選んだ未来を祝福したい。好きだから一緒に居たい。添い遂げたい。簡単そうで難しいなと思った。ふたりとも幸せになって欲しい。

2023/05/14

『今夜うちで蟹鍋でもしませんか？』
1ページ目の最初の文を読んで、すぐに買おうと思った。

蟹鍋、江ノ島での生しらす丼、焼き鳥、活きた海老、冷えたビール、ワイン。
新緑が映える温泉旅館、SL電車の旅、石垣島。
30代の仕事熱心の知世、そして彼女をとりまく人々の大人な恋愛が物語のメインだけど、それぞれのエピソードが食と旅の描写を通して描かれていく。
その描写が文体が、美しくて、めちゃくちゃ好きだった...！

大阪の夜、キス、海老を剥いて
ハートランド、女子旅、富士山

この目次ワードからも心が躍る。
なんて美しい言葉の組み合わせなんだろう。

登場人物もみんなチャーミング。それぞれ人生に悩みながらも生きていく。大きなドラマは生まれない日常。またそれがリアルでとても良い。

2023/05/14

愛する人との日常

付き合いたての初々しい雰囲気。
愛しさを感じるふとした瞬間の仕草。
月日が経って増えていく大切な思い出。

結婚しないという選択肢も
当たり前な現代だからこそ
愛する人と結婚して一緒になる
意味があるのだろうと思いました。

幸せをわけてもらいました。　
大好きな本のうちのひとつです。