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希望のゆくえ の商品レビュー

3.7

57件のお客様レビュー

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2023/11/04

「希望のゆくえ」。 読み終わった後に改めてタイトルを見て、ああ、なるほどなぁ。と思った。 突然行方不明になった柳瀬希望と、希望に携わった人達の物語。全体的に物悲しいというか、ヒリヒリした空気が漂う一冊だった。 私の「こうなりたい」「こう見られたい」という自分像って一体なんだろう...

「希望のゆくえ」。 読み終わった後に改めてタイトルを見て、ああ、なるほどなぁ。と思った。 突然行方不明になった柳瀬希望と、希望に携わった人達の物語。全体的に物悲しいというか、ヒリヒリした空気が漂う一冊だった。 私の「こうなりたい」「こう見られたい」という自分像って一体なんだろう。 面白いという感想が合うのかは分からないけれど、とても面白かった。 かなり前だけど「他の寺地作品とは雰囲気が全然違うけど、私は1番好きなんです」と、読書カフェの店員さんに薦めて頂いた本。 確かにこの雰囲気の寺地さん作品とは印象が違うな。やっぱり寺地さん作品好きだ。 ⚫自分は驚くほどなにも知らない。きっとみんなが若いうちから積んできたであろう人生経験も、知るべき人間関係のマナーも、存在すら気づかずに通り過ぎてきてしまった。でも空っぽであることは、これからいくらでも好きなもので好きなように満たせるということでもある

Posted byブクログ

2023/07/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

弟が女性と失踪したと母から連絡があった。 弟の名前は希望(のぞむ)ちなみに兄の名前は誠実(まさみ) 家族の中は決して良くない。というより悪い。 母を馬鹿にして、気に食わないと暴力をふるう父。 誠実は結婚しているが、そんな父のようになりたくないと努力している。 母に請われてというのもあったが、誠実は弟にどういう友人がいたかとか、どんなものが好きだったとか、よくわからないのに気が付く。 本人の居場所を突き止めたいというより、どんな人間だったのか知りたくて誠実は弟と交流があった人たちに会いに行く。 けれども炙り出されるのは希望のありようではなく、希望の周囲の人たちの抱える問題だ。 希望はその人たちの抱える問題を、風に吹かれているような感じで引き受けてしまうのだ。 希望を探し出すことは出来なかった。 一緒に失踪した女性は戻ってきたが、希望の行方は分からない。

Posted byブクログ

2023/07/13

人はそれぞれ違う、一言では表せる人はいない。 色んな面を持っていて、その人が出来上がっている。 自分は自分らしく生きていたい、他人とは全く違ってて当たり前で、それでいてみんな素敵。 みんな自信を持って自分らしく生きられたら素敵だなって思った。 望まれた人になるより、望んだ人に...

人はそれぞれ違う、一言では表せる人はいない。 色んな面を持っていて、その人が出来上がっている。 自分は自分らしく生きていたい、他人とは全く違ってて当たり前で、それでいてみんな素敵。 みんな自信を持って自分らしく生きられたら素敵だなって思った。 望まれた人になるより、望んだ人になれるように生きられたらいいなぁ。

Posted byブクログ

2023/07/06

自分が何者であるのか。 誰かが思う私が本当の私なのか。 自分でもわからないのに、兄が見つけようとしても、そりゃ見つからない。

Posted byブクログ

2023/05/20

行方がわからなくなった弟を探しながら弟とはどんな人間なのかを色々な人を通してみていくという作品 空っぽですべてを飲み込んでいく希望 人間の弱い汚い部分がかかれていて自分にもいくらかはそういう部分があるのだろうかと考えさせられた。 私の思う寺地はるなっぽくない1冊

Posted byブクログ

2023/02/24

寺地ファンの方には、ある意味良い具合で様相が違う作品です。ですが、共感する根っこの部分の芯はそのままです。   最初の模造真珠の付いた鍵を渡たされる真珠が伏線だと感じました。 自分が核を持たないと気づいてしまった希望(のぞむ)が初めて取った決断が逃避行であった。 希望(きぼう...

寺地ファンの方には、ある意味良い具合で様相が違う作品です。ですが、共感する根っこの部分の芯はそのままです。   最初の模造真珠の付いた鍵を渡たされる真珠が伏線だと感じました。 自分が核を持たないと気づいてしまった希望(のぞむ)が初めて取った決断が逃避行であった。 希望(きぼう)のゆくえを探す為に。 そして、兄の誠実(まさみ)も自分自身の決断をする。 自分が進むべき方に。

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2023/02/15

今まで読んだ寺地作品とは一味も二味も違う印象を受けた。 主人公・柳瀬誠実は、放火犯の疑いがある女と失踪した弟の行方を追う為に彼と交流があった人物を訪ね歩く。 ミステリーの様相を呈しているが、実は親子、兄弟姉妹、恋人、様々な人間関係で生じる歪さや深層心理を抉っている。 弟の希...

今まで読んだ寺地作品とは一味も二味も違う印象を受けた。 主人公・柳瀬誠実は、放火犯の疑いがある女と失踪した弟の行方を追う為に彼と交流があった人物を訪ね歩く。 ミステリーの様相を呈しているが、実は親子、兄弟姉妹、恋人、様々な人間関係で生じる歪さや深層心理を抉っている。 弟の希望(のぞむ)について語る人々の印象がそれぞれ異なる様に人間誰しも多面性があって一概に決めつける事なんておこがましい事であり不可能だ。 比較される事で生じる嫉妬や恨み、近い関係だからこそ執着する登場人物達の思いに共感。 チリチリとした痛みを伴う作品。

Posted byブクログ

2023/03/26

希望くん自身の思いや葛藤は置いといて、 希望くんみたいな人がもしも周りにいたら、私は心底救われたんだろうな。 こんなにも一途に、かつブレずに自分の全てを受け止めて支えてくれる人って中々いないだろうから。

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2023/01/31

まず、「柳瀬誠実(まさみ)と弟の話1」で始まったとき、勝手に姉弟だと思って読み始めたので、 「俺のほうからも電話してみるから」でやっとあれ?となって始めに戻りました。 本ならでは、日本語ならではのおもしろさ。 最後は確かにもやもやを感じないと言ったら嘘になるけれど、  「これ...

まず、「柳瀬誠実(まさみ)と弟の話1」で始まったとき、勝手に姉弟だと思って読み始めたので、 「俺のほうからも電話してみるから」でやっとあれ?となって始めに戻りました。 本ならでは、日本語ならではのおもしろさ。 最後は確かにもやもやを感じないと言ったら嘘になるけれど、  「これ以上はもういい。もう追いかけない。」 読者もそういう気持ちでいいと思う。 登場人物それぞれの視点からのストーリーも、相変わらず秀逸でした。

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2022/12/24

突然失踪した弟の行方を探しているうちに、弟って本当はどんな人だったのか、自分自身の記憶と照らし合わせながら考えさせられる作品。 人は相手によって印象や評価は異なる。この人はこんな人っていう正解はなくて、自分自身ですら自分て何だろうって思う。 よくわからない、不気味とさえ感じていた...

突然失踪した弟の行方を探しているうちに、弟って本当はどんな人だったのか、自分自身の記憶と照らし合わせながら考えさせられる作品。 人は相手によって印象や評価は異なる。この人はこんな人っていう正解はなくて、自分自身ですら自分て何だろうって思う。 よくわからない、不気味とさえ感じていた弟の足取りをたどるうちに、兄自身が自分と向き合うこととなり、罪悪感や苦しみのために見て見ぬふりをしていた生活から、一歩勇気をだして目の前の問題と向き合い決断をする姿に勇気をもらった。 自信がもてなくても、自分が決めたことを声に出して伝えることって大切。そこから前に進むことができるって教えてくれる一冊でした。

Posted byブクログ