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希望のゆくえ の商品レビュー

3.7

61件のお客様レビュー

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2020/10/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

弟の希望が突然失踪して、兄の誠実は弟の知らない部分ばかりを知り、本当の弟は何だったのか考える日々。 マンションの管理人として働いていた希望。 住民の女性と一緒に逃げたという話を聞き、 弟を探すために探し回る誠実。 希望に期待を寄せる母の孤独。 希望と付き合っていた女性が抱く希望の優しさ。 希望は飄々として、憧れと嫉妬を抱いた同僚。 幼稚園の園長の記憶に残る幼かった頃の大人じみた希望 。 マンションの住民のくみ子は、 いつも父親に暴力と暴言の日々に耐えてきた。 管理人の希望とのやりとりに自信をつけ ついに父親に対する気持ちを爆発させ、 逃げた先での希望との生活。 誰の言うことも素直に受け入れていくだけの 空っぽだった、弟の希望。 希望は、結局どこに行ってしまったのか。 モヤモヤしている。

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2020/10/09

行方不明になった希望という弟を探す兄。 この兄、そして希望に関わった人達が自分は何者なのかと自信を振り返る。 希望の実のない優しさに振れ、自分自身の望みは何なのか、希望のゆくえを模索する。 タイトルの”ゆくえ”は模索なのだと納得する。

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2020/09/23

文章には、いつも通り私の好きな 寺地さんの表現があったけど 話の内容にはあんまり引き込まれる 部分が無かったかな。 毒親話が多かったかな。 幸せそうな人があんまりいなかった。

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2020/09/03

失踪した弟の希望を探す兄のお話し。 希望と関わりのある人目線で各章進みつつも主に兄目線で話は進んでいく。色んな人の話を聞くたびに希望の印象が変わっていくし希望の事が兄同様に私も解らなくなる。 人によって印象が違うのはとても良く解るところがあって、私も相手への心の開き具合によって、...

失踪した弟の希望を探す兄のお話し。 希望と関わりのある人目線で各章進みつつも主に兄目線で話は進んでいく。色んな人の話を聞くたびに希望の印象が変わっていくし希望の事が兄同様に私も解らなくなる。 人によって印象が違うのはとても良く解るところがあって、私も相手への心の開き具合によって、私の印象が全く違っているようなので、人の印象って本当色々で面白いな〜と思いながら読んだ。で希望は何処へ?

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2020/08/24

追いかけても掴めない柳瀬希望の人物像と同じく、ふんわりと不思議な物語だった 良い悪い、一面だけの人間なんていないものな 柳瀬兄妹はもちろん、希望に関わった人たちが日々をすごすのに前向きになれたのならいい 「真珠になんか、なれなくたっていいじゃないか。」には兄として弟を思い遣る気持...

追いかけても掴めない柳瀬希望の人物像と同じく、ふんわりと不思議な物語だった 良い悪い、一面だけの人間なんていないものな 柳瀬兄妹はもちろん、希望に関わった人たちが日々をすごすのに前向きになれたのならいい 「真珠になんか、なれなくたっていいじゃないか。」には兄として弟を思い遣る気持ちが見えた気がする

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2020/08/16

突然失踪した弟を探す兄。元々弟のことは苦手だったが、色々な人に弟について聞いてまわるうちに弟の人物像が一貫していなくて、ますます弟のことが分からなくなる。 「どんな人間かって、そんなに大切なことなんでしょうか?」 「そもそも、いい人とか悪い人ってそんなにきっちり色分けできるもの...

突然失踪した弟を探す兄。元々弟のことは苦手だったが、色々な人に弟について聞いてまわるうちに弟の人物像が一貫していなくて、ますます弟のことが分からなくなる。 「どんな人間かって、そんなに大切なことなんでしょうか?」 「そもそも、いい人とか悪い人ってそんなにきっちり色分けできるものなんでしょうか」 耳障りのいいことを言ってくれる人が「いい人」になってしまいますからね。 寺地はるなさんの本だから、ほっこりできるぞ!と思って読むと痛い目に合います。

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2020/08/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

希望に対してみんな勝手に詰め込んでる 理想の先輩や仕事先の頼れる人 ほのかな恋心をいだく知り合いなど 希望が「俺は空洞なんです」と答える重みを のちのち読み進めていくと触れる わずらわしい父親とのいざこざから逃げ出した重田かよこと 一緒に逃げて、仕事をやめて、またずっとは一緒にいない というのが 引き受けてる強さを感じた

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2020/08/04

この作品が初めての寺地はるな体験、というのは良くない入り方だと思う。他の作品を知らないが、最近取り上げられることが多い作家さんだけに、その作風はなんとなくわかるのだが、この作品は、聞き及ぶ寺地作品のイメージと全然違う。 何しろ、イヤなヤツ、キライなタイプ、ムカツく人間…そんな...

この作品が初めての寺地はるな体験、というのは良くない入り方だと思う。他の作品を知らないが、最近取り上げられることが多い作家さんだけに、その作風はなんとなくわかるのだが、この作品は、聞き及ぶ寺地作品のイメージと全然違う。 何しろ、イヤなヤツ、キライなタイプ、ムカツく人間…そんなんしか出てこないのである。主人公の誠実(まさみ)と希望(のぞむ)の兄弟からしてゲロゲロなヤツらだが、その両親もヒデー2人で「お前ら、どのツラさげて子供にこの名前つけた?」という気持ちが溢れて胸焼けしそうになる。 物語は女性を連れて失踪した希望を探す誠実の語りを中心に進むのだが、彼らの両親だけでなく兄弟に関わる全ての人物ことごとくが、大なり小なりイヤなヤツばっかり。この世の中善人なんておらんのかと思って絶望してしまう。 ツラいのは、こいつら登場人物の思考、行動を自分にあてはめて「ここまででなくても、俺にもそういうとこあるよなぁ」って都度都度思ってしまうこと。自分のイヤな面にこれでもかと向き合わざるを得ない、読書中は自己嫌悪との闘いでもあるから、結構心が疲れる。 これで、オモロくなければ、途中で放り出せばいいのだが、さすがは噂の寺地はるな。小説としては読ませるから、たちが悪い。せめてラストは跡を濁さずかと思いきや、ハッピーエンドでもディスエンドでもなく、これからもなんとなくイヤな日常は続いていきますよ的気だるさ。 あぁ、しんどかった。イヤな汗かいた。早くエエ方の寺地小説を読みたい(が、それらの予約待ち数は当然多いわけだ)

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2020/08/01

今まで読んできた寺地さんの作品とは少し毛色が違うのかな、と始めは感じましたが、やはり家族の話。とても面白かったです。 誰にとっても家族は呪いのようなもの。それがどんな家族であっても。 希望はとても生きづらい人だと思うが、兄の誠実も同様に生きづらさを抱えていると感じた。真珠に核が...

今まで読んできた寺地さんの作品とは少し毛色が違うのかな、と始めは感じましたが、やはり家族の話。とても面白かったです。 誰にとっても家族は呪いのようなもの。それがどんな家族であっても。 希望はとても生きづらい人だと思うが、兄の誠実も同様に生きづらさを抱えていると感じた。真珠に核がないこともあると知った希望、黙っていることが優しさではないと気づいた誠実、これからどう生きていくのだろうか。

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2020/07/26

寺地はるなさんの作品を読むのは、アンソロジーの短編を除いて2作目、装丁のトーンがそのまま生きている感じの物語だった。 ある日突然失踪した弟の希望(のぞむ)を、母の求めに応じて探すことになった兄の誠実(まさみ)。 6つ離れた弟とは、さして仲が良かったわけではなく、弟がどんな人間だ...

寺地はるなさんの作品を読むのは、アンソロジーの短編を除いて2作目、装丁のトーンがそのまま生きている感じの物語だった。 ある日突然失踪した弟の希望(のぞむ)を、母の求めに応じて探すことになった兄の誠実(まさみ)。 6つ離れた弟とは、さして仲が良かったわけではなく、弟がどんな人間だったかわからず、愕然とする誠実。 弟を探すために、記憶にある弟と関わりのあった人物を訪ね歩く。そこで聞いた希望の人柄はそれぞれ違い、ますます混乱する誠実…。 誠実がたどり着く前に姿をくらます希望。 しかし、誠実もまた希望によって新しい人生の一歩を踏み出すきっかけを得る。 誠実自身と、彼が出会った人々の中にある家族との軋轢を、姿の見えない希望(のぞむ)を通して描き出している。 2020.7.23

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