〈あの絵〉のまえで の商品レビュー

原田マハ(著者)

2021/10/17

ゴッホ「ドービニーの庭」
ピカソ「鳥籠」
セザンヌ「砂糖壺、梨とテーブルクロス」
クリムト「オイゲニア・プリマフェージの肖像」
東山魁夷「白馬の森」
モネ「睡蓮」
6つの有名な絵画をモチーフにした6つの短編集。
アート作品に救われる内容で、全体的に切なさや戸惑いがありながらも、美術館にいるような心地よい静けさ、その中に優しさや温かさもあり、前向きになれる。

2021/09/03

『忘れられない絵を想い出の場所であなたと…』

日本国内の美術館に所蔵されている絵画の前で、心機一転リスタートしようと決心する6人（組）の姿を描いた短編集。芸術作品には、人の心を揺り動かす秘められた力があるんだろうな、と実感。『豊饒』のスガワラさんがお気に入り！

2021/08/03

マハさんは何を書いてもハズレがない気がします。
「檸檬」と「聖夜」が特に印象的。
日本国内でアートを楽しめる場所が沢山あることが分かるし、そしてその全てを訪れたくなる本。

2021/07/27

6編のストーリーと関連する絵と美術館。
どの作品も香り高く、何だか生きている日常のオアシスという感じ。
日常生活は、つまらない刺激や単調や不快に
満ちているけど、原田マハの作品は心洗われる
感じ。絵や作家を通して別次元に誘ってくれる。
東山魁夷の美術館、行ってみたい。瀬戸内海の直島も訪ねてみよう。

2021/07/10

夏休みで軽井沢に行く前に長野県立美術館内にある東山魁夷館へ立ち寄り、そこのミュージアムショップでこの本を見つけて買った。自分の欲しいものリストに入れていた本にここで出逢えた事がまずは嬉しかった。
早朝の軽井沢のホテルのテラスで、鳥の声とせせらぎの音を聴きながら、東山魁夷館に因んで「聖夜」の章を読んだ。哀しく心優しくなるお話だった。
旅行から帰ってから他の物語を読んだけど、あの東山魁夷観賞後に軽井沢で読んだ「聖夜」の印象が絶大。五感とともにある思い出は何にも勝るし、東山魁夷の絵が好きだから尚更です。
最後の章「さざなみ」は直島のモネの睡蓮に会いに行くお話。遠くない将来に必ず行こうと心に決める。
全ての物語において一つの絵がパワーを与えてくれる事を伝えたいと思う作者の気持ちがすごく伝わってくる。私も本当にそうだと思う。全ての物語に「あの絵のまえで」の文言が使われているのがとても良い。

2021/07/06

それぞれ、絵画が話の中に出てきて、
どの絵画も見てみたい、と思える話だったよ。

ハッピー・バースデー
ひろしま美術館「ドービニーの庭」 ゴッホ
就活がうまく行かないー!!8月6日が誕生日!!

窓辺の小鳥たち
大原美術館「鳥籠」ピカソ
なんでいまさら、留学するの!?私が後押ししたんだ…。

檸檬
ポーラ美術館「砂糖壺、梨とテーブルクロス」セザンヌ
心の中のモウさんが出てくるよ。

豊饒
豊田市美術館「オイゲニア・プリマフェージの肖像」
グスタフ・クリムト
私の夢は小説を書くこと。おばぁちゃん見ててね!!

聖夜
長野県信濃美術館「白馬の森」東山魁夷
息子は亡くなったけど、息子の夢は叶えられるよ。

さざなみ
地中美術館「睡蓮」モネ
疲れた日々も、睡蓮が洗い流してくれる。また来よう!!

ものすっごい、私なりの感想ー笑
伝わらないと思うけど、どの美術館にも行ってみたいと思えたよ。
そして、私だけの絵を見つけて、物語が
始まればいいのに…って思えたよ。

2021/06/27

どこかの街の美術館で小さな奇跡が今日も、きっと起こっている。人生の脇道に佇む人々が“あの絵”と出会い再び歩き出す姿を描く。
詩帆17歳の誕生日デートは岡山の「大原美術館」、ピカソ〈鳥籠〉のまえ。それからふたりはいつも一緒だった。けれど、彼は今日旅立つ。
(「窓辺の小鳥たち」)

ある少女に導かれるように会社と逆方向の電車に飛び乗った私。箱根「ポーラ美術館」のセザンヌ〈砂糖壺、梨とテーブルクロス〉のまえで夢を諦めた記憶が蘇りーー。(「檸檬」)

日常の中の小さな幸せに寄り添う、珠玉の6篇。

2021/06/20

なるほど❗って、感心。短編で、１つずつ読みやすく、さわやかな気持ちになりました。１つの絵が、こんなに影響を与えるのですね。

2021/06/09

それぞれもっと読みたいと思うけどこのくらいで十分という瀬戸際。とにかくまた大原美術館に行きたい。日本画の話も書いてほしいな。

2021/05/30

いつも読む本は、大どんでん返しが待っている本ばかりを好んで読んでいた。そうじゃないと、本の記憶を残すことができないし、面白いと感じられなかったから。けど、、、。この本は違う。大どんでん返しがあるわけじゃないんだけど、いつまでもわたしの心の中に残るなぁと思った。別に泣けるシーンでなくても、心がうるうるとする場面が幾度となくあった。ずっと大切にしたい本になりましたね。