〈あの絵〉のまえで の商品レビュー
評価の高さはウソじゃなかった。読んでいてどの作品も泣きそうになるストーリーばかりだった。(本当はほとんど泣いてた)短編集なので、すごく読みやすく、その場所を鮮明に想像できる表現力の豊かさ。コロナが落ち着いてから、いつかこの本に出てきた美術館、絵を観に行きたいと強く思いました。
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3.8 六人の女達・・それぞれの人生と、 そのターニングポイントに寄り添った六枚の絵画。 マハ・ワールドの絵画短編六作品。 個人的には後半の三作が心に残った。 作家になる夢は余りにも遠く、応援してくれていた祖母にも不義理のまま逝かれ、 荒んだ生活を送る主人公の隣に越してきた...
3.8 六人の女達・・それぞれの人生と、 そのターニングポイントに寄り添った六枚の絵画。 マハ・ワールドの絵画短編六作品。 個人的には後半の三作が心に残った。 作家になる夢は余りにも遠く、応援してくれていた祖母にも不義理のまま逝かれ、 荒んだ生活を送る主人公の隣に越してきたのは、息子夫婦と折り合いが悪く一人暮らしを始めたお節介なおばさんだった… 「豊壌」。 冬山登山に魅せられた青年が両親に紹介する筈の婚約者を残し還らぬ人となった…「聖夜」。 子宮筋腫による貧血で救急車 騒ぎになり、OLを辞めて飛び込んだマッサージセラピストの仕事もクビになった主人公が、入院先のベッドで知ったアートアイランド・直島で巡り逢うモネ…「さざなみ」。
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日本各地の美術館に展示されている名画をモチーフにした、マハさんらしく愛らしい小品6編。マハさんの入門者には良いと思うが、ヘビーユーザの私にはやはり物足りない。人気作家になられ、かつ美術関係のお仕事も精力的にこなされていらっしゃるので、多忙と拝察しますが、ぜひ重厚なアートミステリー...
日本各地の美術館に展示されている名画をモチーフにした、マハさんらしく愛らしい小品6編。マハさんの入門者には良いと思うが、ヘビーユーザの私にはやはり物足りない。人気作家になられ、かつ美術関係のお仕事も精力的にこなされていらっしゃるので、多忙と拝察しますが、ぜひ重厚なアートミステリー作品の上梓をお待ちしております。
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※このレビューにはネタバレを含みます
原田マハさんの描く絵画の世界が好きでこれまでの本にはいつも慰められてきた。そして今回も。 短編集の形をしていてどれも若者向け(?)な内容。 決して専門家ぶってるのではなく、人生の楽しい甘く切ないそして悲しい時のことも。部分を切り取って見せてくれるが、『絵』のそして『美術館』を描いてくれている表現は本物。 お陰様で、私も読者の一人として美術館鑑賞を趣味の一つとして持っているけれど、この本に触れた方々にもぜひともそういった機会が訪れますようにと念じずにはいられない。
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6編収録の短編集。本作において、絵は主役ではなく脇役である。が、これがいいのだ。登場するのはゴッホ、ピカソ、セザンヌ、クリムト、東山魁夷、モネと錚錚たるメンバーの作品ばかり。すべて日本の美術館所蔵だ。“その”絵の前でということは、その美術館に行かなければ観られないということ。そこ...
6編収録の短編集。本作において、絵は主役ではなく脇役である。が、これがいいのだ。登場するのはゴッホ、ピカソ、セザンヌ、クリムト、東山魁夷、モネと錚錚たるメンバーの作品ばかり。すべて日本の美術館所蔵だ。“その”絵の前でということは、その美術館に行かなければ観られないということ。そこからドラマが始まる。日本各地に有名な美術館があって、それぞれ目玉といえる作品を所蔵している。うーん、シリーズ化できそうだな。
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※このレビューにはネタバレを含みます
結婚や就職、人間関係、死などの人生の重い悩みを描いている作品なのに、雰囲気が優しくどことなくオシャレで、疲れていても読める作品だと感じた。 日常を切り取るという性格からか、フワッと希望が生まれて終わるので、消化不良で終わる感もある。 原田マハは初読だが、美術についてもっと詳しく語る作品が多いものだと思っていた。短編だからかもしれないが、この絵画を登場させなくてもストーリー構成に問題ないだろうなと、原田マハを読む上では本末転倒なことを考えてしまえる話も収録されていた。ストーリーと美術作品が密接に結び付く作品を期待して、長編にもチャレンジしてみようと思う。
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美術館の雰囲気や、絵画についての描写が繊細で、アートに詳しいマハさんらしい短編集です。 色々な美術館が出てくるので、訪れたことのある人は懐かしく感じると思います。 全編を通じて、美術や、絵を描く人への愛にあふれていて、最後まであたたかい気持ちで楽しみました。
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