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世界は贈与でできている の商品レビュー

4.2

177件のお客様レビュー

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2024/07/06

本書の出だしは、ぴったり自分のテーマでした。 資本主義は、容赦なく拡大を目指す。 金銭を使った等価交換の世界に 持ち込もうとする。 一方、そうでない世界がある。 ざっくりいうと贈与の世界。資本主義のすき間に贈与の世界があるようです。ここまではokでした。 残念ながら、最初から...

本書の出だしは、ぴったり自分のテーマでした。 資本主義は、容赦なく拡大を目指す。 金銭を使った等価交換の世界に 持ち込もうとする。 一方、そうでない世界がある。 ざっくりいうと贈与の世界。資本主義のすき間に贈与の世界があるようです。ここまではokでした。 残念ながら、最初から60ページくらい読み進めると、 追ってけないグダグダぐねぐねした迂回路に なってました。 最終章近くでもう一度、贈与のしあわせの話?に戻ってきます。 そのあたりで閃いたのですが。 名作漫画「鋼の錬金術師」の主人公のひとりアルフォンスがたどり着いた世界観『(意訳です): 錬金術の基本原則 等価交換なんてくそくらえ、10もらったら自分で1を足して11にして誰かに渡す、これがしたいんだ』の境地、これこそが資本主義(等価交換)のすき間の行為すなわち贈与のことなのでしょう。 漫画でアルの考えを読んだ時には、なにやら煙に巻いたようなこと言ってると思ってましたが、 この本と結びつけると、アルの言ったことがすごく真っ当なことに見えてきました。 ……イマイチですねー。 感想がうまくまとまりませんでした。 自分、不器用なんで(笑)。

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2024/06/25

ちょっと前から、私はこれまでずっと贈与されてばかりだと思っていて、贈与したいのに贈与する側になれないと思っていて、罪悪感があって、贈与できたかもと思う日はそれ以上に贈与されていて、負債が溜まっていって、そしていつか誰からも贈与されなくなる日が来るんだとひりついて生きている 「私に...

ちょっと前から、私はこれまでずっと贈与されてばかりだと思っていて、贈与したいのに贈与する側になれないと思っていて、罪悪感があって、贈与できたかもと思う日はそれ以上に贈与されていて、負債が溜まっていって、そしていつか誰からも贈与されなくなる日が来るんだとひりついて生きている 「私には育ててもらえるだけの根拠も理由もない。にもかかわらず、十分に愛されてしまった」、つまり「不当に愛されてしまった」という自覚

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2024/06/24

資本主義の息苦しさを感じている時にこの本を読みました。贈与という考え方が資本主義に搾取されている感覚を和らげ、自身はたくさんの贈与を受け取っていたのだと思いました。 たくさんの贈与を受け取っているのだとすべてを納得してしまい、このままで良いのだ思ってしまうことは危険であると思いま...

資本主義の息苦しさを感じている時にこの本を読みました。贈与という考え方が資本主義に搾取されている感覚を和らげ、自身はたくさんの贈与を受け取っていたのだと思いました。 たくさんの贈与を受け取っているのだとすべてを納得してしまい、このままで良いのだ思ってしまうことは危険であると思いますが、それでも自分たちの社会の新たな一面を見て冷静になれる一冊です。

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2024/06/17

現代に必要な哲学、でも哲学書が読みづらい…そんな課題を解決してくれる本でもある。 資本主義は人類の発達、文明の発達に寄与する一方で、環境破壊や貧富の差、何より人間らしさ、生命の尊厳なども脅かしていると書くと資本主義が悪に思えるが、資本主義自体に善も悪もない。ただ、そのシステムに扱...

現代に必要な哲学、でも哲学書が読みづらい…そんな課題を解決してくれる本でもある。 資本主義は人類の発達、文明の発達に寄与する一方で、環境破壊や貧富の差、何より人間らしさ、生命の尊厳なども脅かしていると書くと資本主義が悪に思えるが、資本主義自体に善も悪もない。ただ、そのシステムに扱えないものを扱おうとしたり、万能と勘違いしたりしている我々の問題。 お金は便利で交換は素早い。でも交換は代替が効く。だから効率的に価格で比較し交換される。でも人はかけがえのないものを欲し、かけがえのないものになりたいと思う。そのかけがえのない関係性が幸福につながる。 それを可能にするのが贈与。 でも贈与は息苦しさや返礼の呪いも引き起こす。かつてのムラ社会をみんなが離れたのはこの呪いのせいでもある。 返礼性のない贈与、アンサングヒーローとは? 日常の当たり前が、見えないし賞賛もされない人たちの手による努力で保たれていることに気付ける。その想像力のある人だけが別のアンサングヒーローになれる。 その当たり前の欠如で起こることを具体的に想起させられるのがsf。たった一つの常識が崩れるだけで当たり前の日常は繰り返せなくなる。 今読みやすく必要なテーマが捉えられている倫理学の本。生きづらさを感じている人も、ビジネスで少しモヤモヤが止まらない人もぜひ読んでみてほしい。

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2024/06/07

倫理書というものを初めて読んだ。 胡散臭さや説教臭さだらけなイメージが一新した。 赤ペンで線を引きまくりたい!誰かに教えてあげたい!という衝動が…あ、これって贈与なのでは? 観察する、違和感を見つける、感謝する。 そして渡していく。

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2024/06/06

本の内容についての理解度はイマイチだったが、深く共感できたフレーズが、アノマリー(常識に照らし合わせたとき、うまく説明がつかない)についてのくだり。 「発見は、変則性(アノマリー)に気付くこと、つまり自然が通常科学に共通したパラダイムから生ずる予測を破ることから始まる。」 「パラ...

本の内容についての理解度はイマイチだったが、深く共感できたフレーズが、アノマリー(常識に照らし合わせたとき、うまく説明がつかない)についてのくだり。 「発見は、変則性(アノマリー)に気付くこと、つまり自然が通常科学に共通したパラダイムから生ずる予測を破ることから始まる。」 「パラダイムという枠組み、つまり科学者たちの常識の総体が存在しなければ、そもそもアノマリーが発生することができない」 未然に防がれている破局を意識することで、感謝の意識が生まれる。それに気付いた者だけが、アンサングヒーローからの贈与を受け取ることができ、その返礼として、この社会を支える主体となることができる。この社会には、報酬を期待しない無数のアンサングヒーローが存在している。 こういう切り取り方は、確かに成り立つし面白い。

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2024/05/26

世界は贈与でできている。だからまずは与える人になってみよう。ではなくて、すでに余りあるぐらいのものを偶然にも受け取っているということに気づくところから始まる、というのがとてもポジティブで素敵な主張でした。 SNSで目立つ叫びのようなものを目にしたり、しんどいつらいと言う言葉を聞...

世界は贈与でできている。だからまずは与える人になってみよう。ではなくて、すでに余りあるぐらいのものを偶然にも受け取っているということに気づくところから始まる、というのがとてもポジティブで素敵な主張でした。 SNSで目立つ叫びのようなものを目にしたり、しんどいつらいと言う言葉を聞いたり自分でも感じたり。そうしていると「欠けている」「足りていない」ものばかりを見てしまいがちですが、今「当然のようにあるもの」たちが誰かの手によって発明されて、今日も誰かの手によって支えられ続けていることを忘れてはいけませんね。 帯で糸井重里さんが仰っているように、ずっと感じていた何かが自分の中に無かった言葉で表現されている感じがして、所々目頭が熱くなってしまいました。 何かを与えようと意識するから贈与が生じるのではなくて、自分がどれほどの贈与を受け取っているかを意識することによって自然に発生するものなんだと思います。 (あなたが気づいていないだけで、もうずっと昔から)世界は贈与でできている。 めちゃくちゃいい本。ありがとうございました。

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2024/04/24
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※このレビューにはネタバレを含みます

贈与は差出人に倫理を要求し、受取人に知性を要求する。 受取人が知性で贈与を感じ取り、次に未来に向かって贈与を差し出す。

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2024/04/14

前知識なしに読んだら、哲学の本だった。 そして、想像していた以上に素晴らしい内容だった。 タイトルからして、胡散臭い自己啓発系の本かと思った。 と言うのも、本書を手に取ったのは前に読んだ「傘のさし方がわからない」で、著者がこの本を話題に挙げていたからだ。 で、読んでみたらパズルの...

前知識なしに読んだら、哲学の本だった。 そして、想像していた以上に素晴らしい内容だった。 タイトルからして、胡散臭い自己啓発系の本かと思った。 と言うのも、本書を手に取ったのは前に読んだ「傘のさし方がわからない」で、著者がこの本を話題に挙げていたからだ。 で、読んでみたらパズルのピースがぴったりとハマったようなまるで雷に打たれたような驚きと感動を味わった。 ぼんやりとしていた気持ちが「贈与論」という概念を通してはっきりと明確になったからだ。 また、後半部分のボールを支えている外力の話も印象に残った。私たちが普段何気なく享受しているものは他の誰かに支えられているからこそなのである。 そして、それを忘れがちだ。 当たり前のことなんて何もない。 過去の人々や生きている他の人々から様々なものを受け取っているんだと、自覚して感謝を忘れないでいたい。

Posted byブクログ

2024/04/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 情けは人の為ならず、ではないが、めぐりめぐって人の気持ちが、循環していけばよい、そういうお話。  人に薦められ読んでみたが、まえがきや、章立てをよんで、すぐに『子供はわかってあげない』(田島列島著)を思い出した。  本書でも、映画『ペイ・フォワード』のセリフを引いている。 「お礼はいいから、次へ渡しなさい(pay it forward)」  同じ内容のことを、『子供は~』の中の主人公は年配者から言われるのだった。  さらに本書を読み進めると、内田樹の贈与論の話がでてくる。 「思想家の内田樹は、「贈与は『私は贈与した』という人ではなく、『私は贈与を受けた』と思った人の出現によって生成する」と述べています(『困難な成熟』207頁)。」  『子供は~』を読んだ時、背後に内田樹の存在を感じたが、なるほど、共通するところがあったのだな、と妙に納得した。 『子供はわかってあげない』のレビューはこちら; https://booklog.jp/users/yaj1102/archives/1/4063883795

Posted byブクログ