木になった亜沙 の商品レビュー
不穏で不気味な文の中に、家族や仲間との温かい話も含まれていて、色んな感情になりながら読んだ。だが、後味は少し悪い。
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狂気じみてて面白くて 驚愕のラストだった。 まず「自分の手からはなぜか誰も(金魚さえも)食べてくれない」という強烈なコンプレックスを持つ主人公、という設定もぶっとんでるし それから杉の木になって割り箸に加工される、という展開もぶっとんでるし そしてラストよ。まじか。 短編3つ...
狂気じみてて面白くて 驚愕のラストだった。 まず「自分の手からはなぜか誰も(金魚さえも)食べてくれない」という強烈なコンプレックスを持つ主人公、という設定もぶっとんでるし それから杉の木になって割り箸に加工される、という展開もぶっとんでるし そしてラストよ。まじか。 短編3つが収録されてて 一番ページ数が多い「的になった七未」も ヤバかった。出てくる人みんなヤバい。 最後の「ある夜の思い出」も。 どうやったらこんな狂気じみた不思議な世界観次々と思いつけるんやろ。 ヤバいものを読んでしまった、という気持ち。ぞわぞわした。 だけどこの狂気、ちょっとクセになる。 確かあいみょんが推薦してるの知って 今年の発売当初から気になってたんだけど いかにもあいみょんが好みそうな変態小説だった。笑 今村夏子を愛読する人たちは その狂気に隠された切なさにほろりとくるらしいけど ちょっとあまりに衝撃的でそこまで深読みできなかった…笑
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偶然、母が図書館から借りていたのを見つけて読ませてもらう。 芥川賞を取った人ということで名前だけ知っていた。 どうやらわたしの好みではなさそうな作品を書く人みたい…ということは書評動画等を見て思っていたのだけれど、 この本には漠然と惹かれていた。 で、読んでみて、読めた。 こ...
偶然、母が図書館から借りていたのを見つけて読ませてもらう。 芥川賞を取った人ということで名前だけ知っていた。 どうやらわたしの好みではなさそうな作品を書く人みたい…ということは書評動画等を見て思っていたのだけれど、 この本には漠然と惹かれていた。 で、読んでみて、読めた。 これがまず快挙。 淡々と主人公の視点で前へ前へとだけ動いていく。 それがいかに不条理でも理不尽でも、文句を言わず受け入れ前進。という姿に後ろから必死についていけた。 食べてもらえないのも、当ててもらえないのも、実は結構しんどいよ。 普通に当たってこられてよかった。 ジャックとハッピーちゃん、何でもありの世の中ね。
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3作収録。『木になった亜沙』こんな悲しい話があったとは。亜沙は、生まれ変わってわりばしになった。今後わりばしを見る目が変わりそう。『的になった七未』なんだこれは。今まで読んだ今村さんの話の中で1番理解に苦しんだ。どんな攻撃からも身をかわし続ける七未。私も高校学年女子ドッジボール大...
3作収録。『木になった亜沙』こんな悲しい話があったとは。亜沙は、生まれ変わってわりばしになった。今後わりばしを見る目が変わりそう。『的になった七未』なんだこれは。今まで読んだ今村さんの話の中で1番理解に苦しんだ。どんな攻撃からも身をかわし続ける七未。私も高校学年女子ドッジボール大会で優勝したので身かわしは得意だけど共感レベルを超えている。とりあえず大人達がクレイジー。『ある夜の思い出』面白い。常に腹ばいで生活していた主人公は、ある日怒られて腹ばいのまま外に飛び出した。何度か声を出して笑った。変な話だけど。
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ちょっと最近気になる作家、これまでもやや不条理気味の小説を読んできたが、本作はずばり不条理小説、かな。しかし人間ひとつ間違うとこうなってしまいかねない設定でもある。変だ変だと思いながら最後まで読ませてしまうのはこの作家の力なのだろうか。
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短編集。 ・木になった亜沙 ・的になった七未 ・ある夜の思い出 あたしにとって丁度良い表現ばかりだった。 「あ。ここはこんな感じであっさりしちゃうんだ。」 って感じとか。 色々とびっくりしちゃうんだけど、 「んもう、読書の醍醐味だわさ。」 って嬉しさしかない。 苦手だと思...
短編集。 ・木になった亜沙 ・的になった七未 ・ある夜の思い出 あたしにとって丁度良い表現ばかりだった。 「あ。ここはこんな感じであっさりしちゃうんだ。」 って感じとか。 色々とびっくりしちゃうんだけど、 「んもう、読書の醍醐味だわさ。」 って嬉しさしかない。 苦手だと思った『こちらあみ子』を読み返す時かもしれぬがどうしよう。 装画と装丁も超絶いい。
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短編が三つ入っている。 最初が表題作で、読むと、今村夏子アベレージより低い印象。いつもいつも傑作は書けないもんなあ、それにしても表題作がこれだと、他もそうでもないのかも、なんて思いながら読んだら、他二つはとても良く、特に最後の「ある夜の思い出」は良かった。もうひとつの「的になった...
短編が三つ入っている。 最初が表題作で、読むと、今村夏子アベレージより低い印象。いつもいつも傑作は書けないもんなあ、それにしても表題作がこれだと、他もそうでもないのかも、なんて思いながら読んだら、他二つはとても良く、特に最後の「ある夜の思い出」は良かった。もうひとつの「的になった七未」とあわせて比べると、タイトル単体なら、確かに表題作が良い。作品としての出来ではなく、タイトルで選んだのではないかと思った。 三つとも、語り手の女性は、家庭に恵まれず、友達もなく(どころかいじめの対象である)、もちろんお金も社会的地位もないのだが、それを身を切るような不幸とは感じていない。というか、自分が幸せになれるなんて、全く期待していない。だから、どう見ても怪しい人の親切(実は下心あり、普通はわかる)にも喜びを感じるし、自分の責任ではないことを申し訳なく思う。そこら辺が、ぼんやり書かれているのに、とことんリアルで、薄ら寒いような、切ないような、不思議な気持ちになるのだ。これは、今村夏子にしか書けない。 「的になった七未」なんて、客観的に見れば虐待を受けて、悲惨な末路を辿る女性の話なんだが、不幸を不幸と認識すらできないほど不幸に慣れきっている人間にも、極たまによろこびを感じる時があり、そのよろこびは、所謂幸福な人のよろこびに劣ってはいないどころか、いつも薄ぼんやりと不幸だからこそすごく大切で輝いているんだと、苦しく切ない。 最後の「ある夜の思い出」も、人間が普通にペットとして飼われている話なんだが、もちろん社会批判とか、ディストピアとかそういうんではないところが、他の作家とは違う。普通の家庭で飼われていた男性ジャック、どうしているだろう、と考える。彼なりに幸せだといいな、って。 装画がとても可愛い。もちろん普通の可愛さではないけど。今村夏子に合っている。 表紙の毒キノコみたいな角の生えた、毛のあるトカゲみたいなのが、最高にキュート。木原未沙紀さん。覚えておこう。
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やはり独特の感性で作者の才能があふれている作品だという事は理解できる。 所謂イヤミスと言うか後味の悪い感じが受けてる時代かもしれないがこれはホントに読後感が悪い。と言うか読んでて気分が悪くなる。 それほどの想いをしてまで読む価値があるかと言うと少し疑問。 この作品で作者が伝えたい...
やはり独特の感性で作者の才能があふれている作品だという事は理解できる。 所謂イヤミスと言うか後味の悪い感じが受けてる時代かもしれないがこれはホントに読後感が悪い。と言うか読んでて気分が悪くなる。 それほどの想いをしてまで読む価値があるかと言うと少し疑問。 この作品で作者が伝えたいことが今一つ僕には判らない。 憂鬱になる前に一気に読み切った作品。
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表題を含む短編3作品。どの作品も胸が苦しくなる内容でした。どんな姿になろうとも、どんな結果になろうとも一生懸命に生きて最後を迎える。不思議な気持ちになりましたが、不快な気持ちにならずに読了しました。
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#読了 帯を見てファンタジーなのかと思い読んでいたため読み進めて行って戸惑ってしまった。 最後の話は少し違うけど、それ以外の二作の主人公の女の子は不幸が過ぎる。自分ではどうしようもないことで学校から追い出される様はファンタジーなんだけどある意味リアルでもあったかな。 二作目は最早...
#読了 帯を見てファンタジーなのかと思い読んでいたため読み進めて行って戸惑ってしまった。 最後の話は少し違うけど、それ以外の二作の主人公の女の子は不幸が過ぎる。自分ではどうしようもないことで学校から追い出される様はファンタジーなんだけどある意味リアルでもあったかな。 二作目は最早ホラーだった。平坦な文体なのに引き込まれるように読了。読後感は最悪だけど、魅力的なお話だった。
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