木になった亜沙 の商品レビュー
読んでると現実の世界と夢で見た世界の境界があいまいになるような感覚だった。 恐ろしいんだけど続きを見ずにはいられない気持ちで読み進めた。 作者が何を伝えたくてこの本を書いたのかは全く分からなかったけど、ものすごく印象深い本だった。
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「的になった七未」を読んでから、 ドッヂボールで当たらない時に思い出してしまうようになった。 そして 当たりたい…っと思うようになった。 七未は決してMではない。 終わらせないといけないだけ。 …何を? 読んだ後思った。 七未は最後、息子に当ててもらった。 でも私はまだ七未...
「的になった七未」を読んでから、 ドッヂボールで当たらない時に思い出してしまうようになった。 そして 当たりたい…っと思うようになった。 七未は決してMではない。 終わらせないといけないだけ。 …何を? 読んだ後思った。 七未は最後、息子に当ててもらった。 でも私はまだ七未は終わっていないと思う。 結局七未は何がしたかったの? 死んだの?
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星の子、あひる、今作と読んできたんだけど、久々に作風が好きな作者に会った感覚。 どの作品も、表面上の優しさと内包された暴力性が一体となって、深い読後感を残してくれる。 表題作の「木になった亜沙」は、集団から爪弾きにされる人達を、その視点に立って描いている感じがすごい。後半のゴミ屋敷の人とかね。僕達の視点からは、当然訳のわからない人なんだけど、その人なりの理屈があるんじゃないか、理解できないだけで純とした気持ちがあるんじゃないかと、寄り添っている感じが良かった。 「的になった七未」も「ある夜の思い出」も世間から爪弾きになるような人達の視点で、物語が進む。周囲、いわゆる普通の人達はみんな、異質な主人公達をみて嫌悪の表情を浮かべる。 しかし、「ある夜の思い出」では、同じ這う男のジャック、「的になった七未」では、お母さんといつも一緒にいるたくやくんが、主人公を気遣ったり、救いの手を差し伸べたりする。「木になった亜沙」も、最後色んな人がゴミになって、青年の家で共同生活している。 世間から見捨てられた、もしくはマトモに生きられない性の人達を、一人じゃないよ、大丈夫だよ、分かってくれる人もいるようと優しく包み込むような話達なんじゃないかなと思いました。
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誰も亜沙が作ったもの、彼女の手から食べ物を食べてくれなかった。 木に生まれ変わり箸となった亜沙の運命。 どんぐりもボールもビンも当たらなかった七未が 生き別れた息子に的となって当ててもらうまで。 ずっと家にいることを父に咎められ、這ったまま家出し、 気づけば同じ這った格好の人に出会い、彼を世話してくれる人たちの家で過ごしたもう戻れないあの頃のこと。 どれも不思議なんだけど、最後の話が特に強烈だなあ。
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「木になった亜沙」「的になった七未」「ある夜の思い出」の短編三編。 160ページの薄い本です。 開始点は当たり前の日常なのだけど、そのどこかに不思議な裂け目が出来、中を覘くとなにやら不気味なものが見えて来る。それが私の中の今村作品の印象です。 この本の最初の2編も日常から始まるの...
「木になった亜沙」「的になった七未」「ある夜の思い出」の短編三編。 160ページの薄い本です。 開始点は当たり前の日常なのだけど、そのどこかに不思議な裂け目が出来、中を覘くとなにやら不気味なものが見えて来る。それが私の中の今村作品の印象です。 この本の最初の2編も日常から始まるのですが、「裂け目」では無くいきなり「地滑り」が起き、世界全体が別物に変質して行くようです。自分が手にした食べ物を食べてもらえない「木になった亜沙」の亜沙と、何故だか知らないが物が当たらない「的になった七未」の七未。そのエンディングも何やら不穏です。 「ある夜の思い出」は、不穏な世界(二足歩行すら億劫になって腹這いで過ごすようになる主人公)からスタートして普通の日常に移動する今までと逆パターン。 不穏な世界を描くと云う意味では小川洋子さんに似ているかもしれません。しかし、小川さんがその世界を緻密に描き込んで行くのに対し、今村さんは日常と非日常が揺らぐところが大きく異なります。 いずれにせよ不穏な作家さんです(良い意味で・・)。
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様々な欲求、願望がある主人公の 今村夏子という奇才が放つ愛の物語。 不思議な世界観で理解出来たかと言うとそうではないが、優しい文章で読みやすい。 人によって解釈が異なると思うがわたしには"愛の物語"とあるように、小さな光がポッともったような感覚になっ...
様々な欲求、願望がある主人公の 今村夏子という奇才が放つ愛の物語。 不思議な世界観で理解出来たかと言うとそうではないが、優しい文章で読みやすい。 人によって解釈が異なると思うがわたしには"愛の物語"とあるように、小さな光がポッともったような感覚になった。
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3篇の短編集だけどどれも内容が衝撃的で 面白かった! ありえないけどありえそうで少し不気味で 個人的に好みでした 特に『木になった亜沙』よかった
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3つの話が入っている。 まず一つ目の表題作は不思議すぎて理解できず、、、 2つ目の【的になった七未】を読んで後悔、、、不愉快な気持ち。 三つ目読む勇気が出ず読めてません。。。
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つくづく今村夏子の作品は不思議だと思う。 この本もそうだった。 木になった少女。 「当たる」ことを切望する少女。 這ったまま過ごす少女。 そして突然物語は終わる。 「へ?どゆこと?」 頭の中が「???」だらけの3作品でした。
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とても不思議な話だが、ただ不思議では 終わらない痛く、切ない感じのする三遍だ。 どの主人公も、社会や現実とは切り離され 何処か違う世界で生きている様だ。 他人と違うと言う事、それだけで孤独を 感じる物語の世界。
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