木になった亜沙 の商品レビュー
「木になった亜沙」「的になった七未」「ある夜の思い出」の3話収録。 亜沙の手を介すと皆一様に食べ物を受け取ってくれない。 そんな亜沙が杉の木に転生し、その後わりばしにまで変貌して行く奇想天外な物語なのだが、滑稽さの中にも切なさや純粋さが混在していて何故だか胸を打たれる。 2作...
「木になった亜沙」「的になった七未」「ある夜の思い出」の3話収録。 亜沙の手を介すと皆一様に食べ物を受け取ってくれない。 そんな亜沙が杉の木に転生し、その後わりばしにまで変貌して行く奇想天外な物語なのだが、滑稽さの中にも切なさや純粋さが混在していて何故だか胸を打たれる。 2作目は、どんぐりに始まり、水風船、ドッジボール等、全く自分に『当たらない』七未の葛藤が切々と描かれ、行き過ぎてしまった人物の、病的とも思える行動から目が離せなくなる。 3作目は読者の頭を翻弄する展開。 本作でも今村さんの独特な世界観を堪能した。
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「むらさきのスカートの女」と同じ作家さんということで、手に取った。現実には起こり得ない奇妙なお話3編収録。 テーマのはっきりしない意味不明なお話は苦手だが、別の場所から覗いているような描写は嫌いではない。現実かファンタジーかよくわからないまま読了。 あまり深く考えず読んだ方がいい...
「むらさきのスカートの女」と同じ作家さんということで、手に取った。現実には起こり得ない奇妙なお話3編収録。 テーマのはっきりしない意味不明なお話は苦手だが、別の場所から覗いているような描写は嫌いではない。現実かファンタジーかよくわからないまま読了。 あまり深く考えず読んだ方がいいのかもしれない。
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表題「木になった亜沙」と「的になった七未」を読了。 もちろん「ある夜の思い出」も読むつもりだったのだが、気持ちが悪くて、読書打ち止め。 本当に意味がわからない。 「むらさきのスカートの女」を読み、 面白かったので、他の作品… と思って手にとったのですが、 ここまで、意味不明...
表題「木になった亜沙」と「的になった七未」を読了。 もちろん「ある夜の思い出」も読むつもりだったのだが、気持ちが悪くて、読書打ち止め。 本当に意味がわからない。 「むらさきのスカートの女」を読み、 面白かったので、他の作品… と思って手にとったのですが、 ここまで、意味不明と 説明できない不快感に近い 気持ち悪さのある作品ははじめて。 人だったはずが、割り箸になったり 人だったはずが、的になったり もう、コワイ。 ただ、コワ気持ち悪い。 でも、きっと、 気持ちが落ち着いたら、 「ある夜の思い出」も読むと思う。
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今村夏子さんの作品…これまで何作か読んできたけど、この作品はかなりかな~り個性的!独特の世界観に飲み込まれ一気読みしました。 「木になった亜沙」=主人公が手にしたものは誰も受け取らずに食べてくれない、木になれば実る果実を食べてもらえる…そう考えたが、そううまくいかず、割り箸になる...
今村夏子さんの作品…これまで何作か読んできたけど、この作品はかなりかな~り個性的!独特の世界観に飲み込まれ一気読みしました。 「木になった亜沙」=主人公が手にしたものは誰も受け取らずに食べてくれない、木になれば実る果実を食べてもらえる…そう考えたが、そううまくいかず、割り箸になる。 「的になった七未」=どんぐりも空き缶もドッチボールにも主人公は逃げ続け当たらない…みんな「ななちゃん頑張れ、はやくはやく」と声援を送ってくれるが…ふと、当たれば逃げ続けなくてもよいのでは?と思い直す。 「ある夜の思い出」=日常的に腹這いで生活していた主人公が、家を出て同じような生活を送る男性とめぐり会う。 参りました…!なんだろ、この不思議な感覚は…さっき読んだばかりなのに、また読みたくなるような…ある種、中毒のような読後感…読めば読むほどハマります!
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作者のこれまでの作品とは若干趣を異にする短編集。特に『ある夜の思い出』は作者の作品の中では最も不条理な雰囲気の強い一編。
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表題作と、「的になった七未」、「ある夜の思い出」を収録した中短篇集。 特に、亜沙と七未の物語には共通したものを感じ、それは、今村さん特有の不穏さではなく、人生を全うしたという、ひとつの充実感であったこと。 というのも、ふたつの物語それぞれには、高々と立ち塞がる人生の壁があって...
表題作と、「的になった七未」、「ある夜の思い出」を収録した中短篇集。 特に、亜沙と七未の物語には共通したものを感じ、それは、今村さん特有の不穏さではなく、人生を全うしたという、ひとつの充実感であったこと。 というのも、ふたつの物語それぞれには、高々と立ち塞がる人生の壁があって、それを乗り越えるために彼女たちの・・たとえ周りから、さぞ奇特で恐ろしい行動に思われようとも、あくまで彼女たち自身の必死な人生の過程において、そこに見え隠れするのは、涙を手書きしているピエロであったり、喜劇と悲劇を両天秤に抱えたやじろべえであったりする。 それは、人生って、ちょっとしたことで、悲しいことが笑えることに変わったり、逆もまた然りであることを実感することで、生きることの複雑さを思い知り、その辛さや楽しさがごちゃ混ぜになった、泣き笑いのような亜沙や七未の人生観を、読者は目に深く焼きつけることになる。 それに対して、決して、可哀相だとか思ってはいけない。おそらく彼女たちは、これでやっと報われたという、ある意味、それを知らずに人生を終えなければならなかった人たちに比べれば、充分、幸せだっただろうから。 そういったわけで、上記のニ作品に比べれば、「ある夜の思い出」が、今村さんにしては、おとなしい普通の作品に思えてくるから、不思議。 まあ、不穏さはあるから、こちらの方がいつもの今村さんなのかもしれないけど、私にはちょっと物足りなくなってきた。 床をズリズリと這う女性の話なんだけどね(笑)
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自分が手がけたものは誰にも食べてもらえず悩んだ亜沙は、別のものに転生して究極の形で願いを叶えることになる。不穏で想定し得ない世界観が結構好き。今回のは気持ち悪さもなくて良かった。
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2019年芥川賞受賞作「むらさきのスカートの女」が衝撃的で以来気になっている作家さん。こちらは2020年に出版された3つの短編となっている。手作りクッキー・給食など自分が給仕するものはなぜか誰にも食べてもらえない少女、ドッジボールやゲンコツがなぜか自分にだけ当たらなくて逃げつづけ...
2019年芥川賞受賞作「むらさきのスカートの女」が衝撃的で以来気になっている作家さん。こちらは2020年に出版された3つの短編となっている。手作りクッキー・給食など自分が給仕するものはなぜか誰にも食べてもらえない少女、ドッジボールやゲンコツがなぜか自分にだけ当たらなくて逃げつづけなければならない少女、働きもせず猫のように家でゴロゴロしていたら家を追い出されて本当に猫なのかわからなくなってくる女性。どれも強者揃いだった。最初は笑っちゃうんだけど次第にゾッとしてきて、最後には切なくなる感じが病みつきに。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自分の手から渡した食べ物を誰にも食べてもらえない。 ものを全て避けてしまい、当たれない。 這いずってる途中出会ったジャック。 どれも不思議な短編作品。ファンタジーな展開もあるけどどこか現実と根付いていて、不思議
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読了後、脳内がハテナで埋め尽くされた。 こんな支離滅裂な物語思いつく今村さん本当さすがすぎる(褒めてる)。 人間だった亜沙が色々なモノに憑依していくみたいに、形に捉われずに生きるべきっていうのが今村さんのメッセージだったのかな。
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