クスノキの番人 の商品レビュー
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自分の境遇から人生を悲観的に生きていた若者がクスノキの番人という役割でいろんな人達と関わるとこで成長していく話し 人にとって何が一番大切なのか価値観を考えさせられる話し 根底にあるのは、言葉に出来ない想いを念としてクスノキが媒体する仕組みを利用した親子、姉妹、家族愛を表現したところと思う その中で、家族と言えど全てをさらけ出すという難しさや認知症といった難しい問題が深いテーマな気がした 人は生まれ時には何もないのになんで生きているといつの間につまらない意地やプライド、他者との関係に悩まされてしまうのか
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東野圭吾さんの新作は、祈れば願いが叶うとされるクスノキを巡る物語。主人公の若者・玲斗が、ふとしたきっかけで伯母の千舟から「クスノキの番人」を命じられ、クスノキを祈りに来る人々の番人をすることで、クスノキに隠された秘密をしだいに明らかにしていく。老女+若者のコンビで「人のネガイ」に...
東野圭吾さんの新作は、祈れば願いが叶うとされるクスノキを巡る物語。主人公の若者・玲斗が、ふとしたきっかけで伯母の千舟から「クスノキの番人」を命じられ、クスノキを祈りに来る人々の番人をすることで、クスノキに隠された秘密をしだいに明らかにしていく。老女+若者のコンビで「人のネガイ」に絡む話なので、辻村深月さんの「ツナグ」が思い浮かんだ。クスノキの謎は最後の方で明らかになるが、本作は序章でなんだか続編ありそうな感じの終わり方だったかな。450ページと結構な長編だが、面白すぎて一気に読めてしまった。
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主人公がどんどん成長していく姿も面白い。結構こういうネタは好きです。壮大なイメージはあまりないけど…楽しく読めました。
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自分が歳をとったせいか、重すぎる物語を読むのは年々しんどくなっている。帯やあらすじだけで見送ることもしばしば。そこに東野圭吾さんの新刊である。『秘密』『時生』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の系譜に連なる作品だそうだが。 これらはいずれも好きな作品だ。早速読み始めると、主人公はいきなり警察に捕まり、おいおいと思ってしまうが、そこに遠縁の人物が訪ねてきて、ある仕事をすることに。その仕事とは、タイトルにある『クスノキの番人』なのだった。 クスノキの番人の仕事というのが説明しにくい。「祈念」に訪れる人々の案内をするが、彼自身「祈念」とは何なのか詳しく聞いていない。いずれわかると、彼を指名した人物は言うのだが。そんな中、ある依頼に深入りすることになる。 主人公の生い立ちもそれだけで長編になりそうなほど複雑だが、その割には素直に突拍子もない仕事を受け入れる。助けられた恩もあるのだろうけど。何より、彼自身、番人という仕事の本質に深い興味があるのだろう。だから協力した。 ある中心人物の家庭環境というのがこれまた複雑だが、後を継いでまっとうに生きてきた。真相は主人公や娘の想像とは大きく違っていたが、もっと早く打ち明けていればよかったような。子を持つ親の立場として考えさせられる面もある。悪気は一切なかった。だからこそ残したかった。伝えたかった。 また別の、頻繁に訪れる依頼者も、主人公は動かした。彼は自らこの仕事の本質をつかみつつあった。それぞれの生まれながらの宿命。詳しくは言えないが、彼にはカウンセラーの適性もあるのかもしれない。あの人物といい、もうちょっとわかりやすく伝えなさいよと言いたくもなるけどさ。 読み終えてみて、それぞれの人物の違う顔も見えてきたりして、さすが東野圭吾という仕上がりだった。世界中が閉塞感に包まれている今、必要なのはこういうほっとして温かくなる物語ではないか。刑事事件が起きるミステリーは変わらず好きだが、時にはこういう清涼剤もいいよね。
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途中までは東野圭吾にしたらややイマイチかなぁ、と思っていましたが、最後はきっちりというかほっこりさせて貰いました。ナミヤ雑貨店風のお話ですが、良かったです。
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最新作ということで購入。 主人公は、ひょんなことからクスノキの番人になった玲斗。 なぜ老婦人は玲斗を指名したのか?クスノキとはどんな効果があるのか?老婦人の正体とは?などクスノキを通じて、家族との絆が試される物語なのではないかと思いました。 ミステリーではないですが、ちょっと...
最新作ということで購入。 主人公は、ひょんなことからクスノキの番人になった玲斗。 なぜ老婦人は玲斗を指名したのか?クスノキとはどんな効果があるのか?老婦人の正体とは?などクスノキを通じて、家族との絆が試される物語なのではないかと思いました。 ミステリーではないですが、ちょっとしたいくつかの謎解きを読んでいるようで楽しめました。普通なら、クスノキの秘密を最初に全て提示しますが、この作品では教えてくれません。色んな証言や資料から様々な謎をちょっとずつ探っていきます。 また、ちょいちょい東野さんの得意とされる理系に関することが散りばめられていて、個人的にはそこも楽しめました。 クスノキの秘密、自分の出生の秘密、老婦人の秘密、ある男の謎の行動など良いバランスで話が盛り上がっていて、読みやすくかったです。 思ったよりも間接的にクスノキの話題を扱っていて、むしろ人と人のつながりをメインにした物語かと思いました。 クスノキの秘密について、なかなか他人からは信じられないことですが、実際にそういう巨木があったら、ちょっと試してみたいなと思いました。 後半になると、ほっこりと感動を誘う終わり方なのかなと思いきや、一番最後では、さらに隠された真実があったため、ちょっとした驚きや戸惑いを加えながらの読後感でした。 おーそうきたかと思わず思ってしまいました。まさか伏線を張っていたとは・・・。その部分は、あまり意識せずに読んでいたので、油断していました。 もし実写化するなら、主人公は仲野太賀さん、老婦人・千舟は草笛光子さんかなと思って、読んでいました。
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「人は誰も一人きりではない」と東野小説はいつも私に教えてくれる。 たとえ、今は一人きりだとしても、誰かから私へ、そして私から誰かへ続く何かがあるはずだと。 そしてそこには「家族の物語」がきっとあるのだと。 私ならだれにどんな思いを残すだろうとふと考える。でも今はまだ、何も思い浮かばない。逆に受け取りたい思いならたくさんある。私に、どんな思いを残してくれたのだろう、と。とても知りたい。受け取ってみたい。いつか、クスノキの中で。
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