クスノキの番人 の商品レビュー
クスノキのシステムについては予想の範疇だった。(タイムリープか意識飛ばしか伝言メモ) でも、千舟が玲斗にクスノキのシステムを隠す理由が思いつかず、そのうちになるほどと思える理由を提示して謎解いてくれるはずだとワクワクして読み進んでいた。 だか、そんなものはなかった! 小説の体をな...
クスノキのシステムについては予想の範疇だった。(タイムリープか意識飛ばしか伝言メモ) でも、千舟が玲斗にクスノキのシステムを隠す理由が思いつかず、そのうちになるほどと思える理由を提示して謎解いてくれるはずだとワクワクして読み進んでいた。 だか、そんなものはなかった! 小説の体をなすためだけの隠し事だった! まあこれを隠さなかったら小説にならないよね〜現実だったら番人のくせにシステムを客よりも知らないなんてありえないけどね〜小説=フィクションだからしょうがないよね〜〜〜 などと思うわけないだろ! 東野さんはそういう手前勝手な小説を書かない人だと思っていたのにがっかりだ。 和菓子屋の旦那が祈念したのだって、祈念というのが「包み隠すことなくすべての思いを伝達する」ことが公知のことなら、血のつながった息子だと信じていたことになるという理屈はわかる。 だが、祈念って何か、誰もしらないよね? ほんの一部の人しか知らない秘密だよね? じゃあ和菓子屋の旦那の意図は一体、誰に届くというのか。 千舟の祈念は腹違いの妹の子どもである玲斗に届いた。血の濃さでいえば4親等相当(3親等だけど母違いのため)。だったら現柳澤社長と千舟さんも同じ距離なんじゃないの? もう世界設定が甘すぎて辛かった。登場人物の描き方は素敵だっただけになおさら悲しい。
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ファンタジー系ミステリー。 母が亡くなった後、唯一の家族は祖母だけだと思っていた玲斗の元に現れたのは、伯母だと名乗る千舟。彼女は大企業の顧問であり、弁護士費用の肩代わりとして、玲斗にクスノキの番人を命じる。 クスノキには新年と満月の日に、人々が祈念に訪れる。その意味とは。 ...
ファンタジー系ミステリー。 母が亡くなった後、唯一の家族は祖母だけだと思っていた玲斗の元に現れたのは、伯母だと名乗る千舟。彼女は大企業の顧問であり、弁護士費用の肩代わりとして、玲斗にクスノキの番人を命じる。 クスノキには新年と満月の日に、人々が祈念に訪れる。その意味とは。 途中で家系図を書き始めたのは正解だった。大きく分けて三つの家族。そう、家族とは何か、それが本書の主軸。クスノキでなければ伝わらないもの。残したい想い。 受念出来ないことを分かった上で預念したことの、その伝えたい意味。 私がクスノキへ残したいものはあるのだろうか。何も浮かばない自分に少し落胆しつつ、これからは残せるような人生を歩みたいと思った。
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本の帯には「その木に祈れば、願いが叶うと言われるのはなぜか」とあります。 まあ、本文中にも同様の文章はあるのですが、ある意味ミスリーディングを狙っていますね。えてしてキャッチコピーとはそういうものですが。 神社にある不思議なクスノキの番人となった玲斗(れいと)。関わってくる人...
本の帯には「その木に祈れば、願いが叶うと言われるのはなぜか」とあります。 まあ、本文中にも同様の文章はあるのですが、ある意味ミスリーディングを狙っていますね。えてしてキャッチコピーとはそういうものですが。 神社にある不思議なクスノキの番人となった玲斗(れいと)。関わってくる人々との不思議な話が書かれています。 ラストではへえ~と思わされました。
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念、記憶に関わるファンタジー作品。 色んな人と関わることで、クスノキの謎が少しづつ主人公に伝わっていく。それが、クスノキの番人としての資格になるのかな。
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パワースポットとして知られるクスノキの本当のチカラを守る一族の話。 東野圭吾の読みやすい文章なので、スイスイ話が進んでいく。 念を預けて、念を受け取る。 という行為が都合よく物事を解決していくのだが、都合がいい話だけでなく、悪いことも伝えてしまうのが面白い。 主人公の思考も...
パワースポットとして知られるクスノキの本当のチカラを守る一族の話。 東野圭吾の読みやすい文章なので、スイスイ話が進んでいく。 念を預けて、念を受け取る。 という行為が都合よく物事を解決していくのだが、都合がいい話だけでなく、悪いことも伝えてしまうのが面白い。 主人公の思考もわかりやすく、物語に入っていきやすい。 シリーズものになっているようなので次作も読んでみたいと思います。
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久しぶりに東野圭吾の本を読んだが、どんどん読み進めたくなる構成、描き方はさすが!と思った。 クスノキの話はこんなことあるはずがない、、と思ったが、それでもあって欲しいな。あるかも⁈という気持ちにもっていかされた。最後は優しい気持ちで読み終えた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
玲斗は窃盗の罪で警察に捕まってしまったが、亡き母の異母姉の千舟から月郷神社にあるクスノキの番人になる事を承諾する事を引き換えに釈放してもらう。 クスノキには祈念をした人の思いを血族であれば受念ができるという不思議な力があって、兄が祈念で残したメロディーを形にしようとするお話に、玲斗と千舟の話が盛り込んでありました。 玲斗があまりにも良い青年なので、窃盗した事に違和感を感じました。 いつもの東野作品のハラハラドキドキではなく、ゆったり、でも次が気になる作品でした。 曲が完成して、認知症の母が兄を思い出した所がグッときました。
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図書館で借りた本。 住居侵入、器物破損、窃盗未遂の罪で起訴された玲斗は、弁護士費用と示談金を請け負い、助けてくれた千舟の命によって、クスノキの番人の任務を請け負った。 請け負ったは良いが、クスノキの番人とは、どう言うものなのか。少しずつ分かってきた事をつなぎ合わせて、どう言う事な...
図書館で借りた本。 住居侵入、器物破損、窃盗未遂の罪で起訴された玲斗は、弁護士費用と示談金を請け負い、助けてくれた千舟の命によって、クスノキの番人の任務を請け負った。 請け負ったは良いが、クスノキの番人とは、どう言うものなのか。少しずつ分かってきた事をつなぎ合わせて、どう言う事なのか分かっていく。
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想いを言葉にしてカタチにするのではなく、想いを想いのまま、そのまま伝えられるというのは非常に面白い。 言葉にする工程で、型にはめる必要があるためどうしても多少のズレが出る。なんとなく感じているものは言葉にできないことも多い。そのため、上手く自分の考えや想い、感覚を伝えられずに歯痒...
想いを言葉にしてカタチにするのではなく、想いを想いのまま、そのまま伝えられるというのは非常に面白い。 言葉にする工程で、型にはめる必要があるためどうしても多少のズレが出る。なんとなく感じているものは言葉にできないことも多い。そのため、上手く自分の考えや想い、感覚を伝えられずに歯痒い想いをすることも少なくない。そういったものをそのまま伝えられたらどれだけいいだろう。ただ、誤魔化しは効かない。「問答無用」である。それも含め、面白い。 こういった感覚や想いは人に伝えようとすると言葉が介入するが、自分の中で感じる分には必要ない。そのままを受け取ることができる。だからこそ自分だけにでも常に正直に、そのまま受け取って、じっくり感じることを大切にしたいと思う。これを心理学用語で「フォーカシング的態度」というが、今進めている研究の題材でもあるのでますます興味深かった。
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最後のページを読みながら、思わずボロボロ涙が溢れてしまった。 千舟さんも玲斗も本当に素敵な人間だ。 クスノキの番人というよくわからない仕事の全貌を理解していく過程も人々が織り成す物語もとても心地よくて、すぐ読み終えた。 ファンタジーだけど地に足ついた作品。 借りてきてくれた弟ナイ...
最後のページを読みながら、思わずボロボロ涙が溢れてしまった。 千舟さんも玲斗も本当に素敵な人間だ。 クスノキの番人というよくわからない仕事の全貌を理解していく過程も人々が織り成す物語もとても心地よくて、すぐ読み終えた。 ファンタジーだけど地に足ついた作品。 借りてきてくれた弟ナイス
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