みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 の商品レビュー
金融は情報システム産業といっても過言ではない。 自分自身金融機関に勤めているが、初めの頃は「システムは常に正確に、滞りなく動くもの」と誤認していた。 先日まで新会社立上げ・新規事業立上げを行い、システムの開発・運用を横目に見ながら思ったのは、システムには人の手がかかり、緻密か...
金融は情報システム産業といっても過言ではない。 自分自身金融機関に勤めているが、初めの頃は「システムは常に正確に、滞りなく動くもの」と誤認していた。 先日まで新会社立上げ・新規事業立上げを行い、システムの開発・運用を横目に見ながら思ったのは、システムには人の手がかかり、緻密かということ。そして、いくつものシステムが複雑に連動して稼働しているかということ。 みずほFGはシステムに苦心し続けてきた。その末にシステムを全面更改して「MINORI」を開発した。しかし2021年、再び度重なる障害を起こした。 この度重なる障害は、システムの全面更改が失敗したということではない。全面更改したからこそ、これまでとは違った苦難に直面している。 システムは要件定義から運用に至るまで繊細な管理が必要ということ、そしてMETIが提言する「2025年の崖」に対するヒントを、本書は圧巻の取材力で、丁寧に教えてくれる。
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名実ともに日本最大となったIT開発プロジェクト「MINORI」について、その全容を記した一冊。 総開発費4,000億円超、1,000社以上が開発に携わった(少なくとも国内全IT開発ベンダーの10%以上が参画した)「IT業界のサグラダ・ファミリア」が、どのように推し進められたのかを...
名実ともに日本最大となったIT開発プロジェクト「MINORI」について、その全容を記した一冊。 総開発費4,000億円超、1,000社以上が開発に携わった(少なくとも国内全IT開発ベンダーの10%以上が参画した)「IT業界のサグラダ・ファミリア」が、どのように推し進められたのかを知ることができる点で、とても貴重。 2021年現在もトラブルが頻発している現状を鑑みても、成功譚と呼ぶにはあまりにも複雑で、「苦闘の19年史」という副題が言い得て妙だと感じる。歳月をかけて肥大化したモンスターは簡単には御し難く、これから長い年月をかけて付き合っていかなければいけない問題として残り続けるんだろう。 この苦闘史から得られる最大の教訓は、リファクタリングを後回しにし続けたら、後で大きなツケを払うことになる、ということだろうか。魔物は、生み出してからではとうに遅いのだと…
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以前から本の存在は知っていた。システムエンジニアとしてこの本は読んでおかなければならないのではないかと思い、読んだ。トラブルの様子が目に浮かび、途中で読むのがつらくなるくらいだった。自分はこのような大人数が使うシステムではないが、みずほ銀行の勘定系システムのようなブラックボックス...
以前から本の存在は知っていた。システムエンジニアとしてこの本は読んでおかなければならないのではないかと思い、読んだ。トラブルの様子が目に浮かび、途中で読むのがつらくなるくらいだった。自分はこのような大人数が使うシステムではないが、みずほ銀行の勘定系システムのようなブラックボックス化したシステムの開発・運用に関わっていた。仕様書はなく、ソースコードを読んでプログラムが何をしているか理解するような…。今はこのシステムから離れているが、あのシステムも刷新しないと大きなトラブルを起こしそうだ…。読んでいてお腹が痛くなる本であった。
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みずほをこき下ろすだけではなく、システム統合の難しさと統合によって目指していた事も描かれており、公平なドキュメンタリー本だった。
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システム開発に携わっているので読んでいて面白かった。 古いシステムの仕様が分からなくなるのは、ほんとあるあるだと思った
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SEの立場から見て読み物として面白い。 特に障害原因の部分が為になる。 ただ、もっとエンジニア視点の みずほ公表原因に対する考察など 踏み込んだ記載が欲しかった。 著者の見える範囲の推測にとどまっている印象。 2021年に何度も障害発生しており 障害報告の内容を見ると 201...
SEの立場から見て読み物として面白い。 特に障害原因の部分が為になる。 ただ、もっとエンジニア視点の みずほ公表原因に対する考察など 踏み込んだ記載が欲しかった。 著者の見える範囲の推測にとどまっている印象。 2021年に何度も障害発生しており 障害報告の内容を見ると 2011年の是正が未完である印象を受ける。 ・負荷テスト不足 ・テストのシナリオ不足 ・運用員の知識・教育不足 ■目次 ①2019年の大規模システム更改 ・更改の背景、難易度 ・新旧のシステム構成の違い ②2011年の障害と原因 ③2002年の3社合併時の問題
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銀行の既存の疎結合なシステムをどう新規開発していったかがメインな話 ニュースにもなったみずほのトラブルの裏側など読み応えがあった
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なぜ失敗していたのか、について主に銀行やベンダー同士の関係性まわりの事情を書いた本。ざっくり概要はわかるが、SEとしてはもうちょっとシステムに踏み込んだ内容があると面白かった。しかし割と短めに何が起こってたかをまとめてあるのはよかった。 書いてあるのは、おそらくちゃんと失敗を分析...
なぜ失敗していたのか、について主に銀行やベンダー同士の関係性まわりの事情を書いた本。ざっくり概要はわかるが、SEとしてはもうちょっとシステムに踏み込んだ内容があると面白かった。しかし割と短めに何が起こってたかをまとめてあるのはよかった。 書いてあるのは、おそらくちゃんと失敗を分析した結果ではなく著者から見えてる範囲のことな気はする。
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・マネジメント層の現場理解 ・報連相を速く ・大きな組織ほど共通理解を徹底させる この3つの大切さを感じました。システムのことは専門外で私自身読み終えた今も深く理解出来ていないですが、上記3つは取り組む内容関わらず大切な項目だと思います。 私もシステム部門へ就職するわけではあ...
・マネジメント層の現場理解 ・報連相を速く ・大きな組織ほど共通理解を徹底させる この3つの大切さを感じました。システムのことは専門外で私自身読み終えた今も深く理解出来ていないですが、上記3つは取り組む内容関わらず大切な項目だと思います。 私もシステム部門へ就職するわけではありませんが、現代社会でシステムは切っても切り離せない存在です。ITパスポート等を利用して基礎知識は付けておきたいと思いました。
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現在も障害が起きていた中で、とても気になったので手に取りました。 マネジメントになるのであれば、 必ず以下は教訓としていきたいと思います。 ・ドキュメント化(標準化)させる事の大事さ。 ・悪い事ほど早く共有と報告、方針を打ち出す。 ・現場任せの組織は壊滅する。 色々と奥深い...
現在も障害が起きていた中で、とても気になったので手に取りました。 マネジメントになるのであれば、 必ず以下は教訓としていきたいと思います。 ・ドキュメント化(標準化)させる事の大事さ。 ・悪い事ほど早く共有と報告、方針を打ち出す。 ・現場任せの組織は壊滅する。 色々と奥深い。
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