みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 の商品レビュー
非エンジニアだが、非常に興味深い内容でした。 経営トップが、①システムでできること・できないことの分別と②実務オペレーションとシステムの相関関係を理解し、 顧客への最適解としての経営判断しかも割と独善的な判断を求められるなと感じた。 実務においては、大企業だけでなく、日本人の5...
非エンジニアだが、非常に興味深い内容でした。 経営トップが、①システムでできること・できないことの分別と②実務オペレーションとシステムの相関関係を理解し、 顧客への最適解としての経営判断しかも割と独善的な判断を求められるなと感じた。 実務においては、大企業だけでなく、日本人の50歳以上は割と新しいシステムを嫌がる人多いから、そいつらをどう丸め込むかが大事。
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みずほ銀行のシステム統合の失敗とそれを受けての勘定系システムの更新は他山の石とするべきものだ。ITシステムに限らず、高度成長期に作られたシステム、建築が老朽化し、その刷新やメンテナンスが喫緊の課題になっている。 みずほ銀行の失敗は、この国で起きがちな失敗例であり、どこにでも存在...
みずほ銀行のシステム統合の失敗とそれを受けての勘定系システムの更新は他山の石とするべきものだ。ITシステムに限らず、高度成長期に作られたシステム、建築が老朽化し、その刷新やメンテナンスが喫緊の課題になっている。 みずほ銀行の失敗は、この国で起きがちな失敗例であり、どこにでも存在する、現在進行形で起こっていることでもあり、先の大戦に負けた理由でもある。一方その様なダメなこの国の日常から抜け出すには何が必要なのかをみずほ銀行の勘定系システム刷新が一つの方法を示していると思う。 みずほ銀行の勘定系システム刷新からわかってくるのは、それに必要なのが強いリーダーシップとリーダーのプロジェクトへのコミットメントだと言う事がわかる。何を捨て、何を残し、何を作り直すのかの判断をするにはリーダーに高い知見と資質が求められる。一つ一つの決断に確固たる理由と理論があり、それを実現するだけの組織運営が必要になる。ITシステムに限らない、我々の社会が目指すべきもののヒントの一つがこの中にある。
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エンジニアリングをする際の、そしてレガシーと向き合う際の組織アンチパターン。 2011年、2002年の障害に関しては組織構造や社内政治の混沌が生み出す不協和音について掘り下げられており、小規模ながらそこかしこでも見られるような課題が山盛りだ。 対岸の火事ではなく、明日のみずほにな...
エンジニアリングをする際の、そしてレガシーと向き合う際の組織アンチパターン。 2011年、2002年の障害に関しては組織構造や社内政治の混沌が生み出す不協和音について掘り下げられており、小規模ながらそこかしこでも見られるような課題が山盛りだ。 対岸の火事ではなく、明日のみずほになるかもしれないという危機感を持つことができる。 一方で2019年に完成した新システムについては、工程の膨らみや開発途上で発生した課題に対しての掘り下げが浅いのではないか。 なぜ大規模リプレイスを経てもCOBOLが残存しているのか、ここでは肯定されているコード自動生成ツールに課題はないのか(入力する数式のメンテナンス性はどうなのか、など)、ソフトウェアエンジニアが感じる疑問への回答はなく少し肩透かしを食らった気分だ。 しかし、19年にも及んだ大規模な案件に踏み込み、これからのシステム開発でニの轍を踏まないようにと本書をまとめた意義は大きい。
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話題になっていたのもあり手にとった。 圧倒的な規模のプロジェクト。こんだけ大規模のマネジメントを複雑な組織の中でやるのは本当に大変だっただろうなぁと頭が下がるになった。 トップコミットメントと方式設計や仕組みの標準化、漏れをなくすためのコミュニケーション設計が重要だったんだと...
話題になっていたのもあり手にとった。 圧倒的な規模のプロジェクト。こんだけ大規模のマネジメントを複雑な組織の中でやるのは本当に大変だっただろうなぁと頭が下がるになった。 トップコミットメントと方式設計や仕組みの標準化、漏れをなくすためのコミュニケーション設計が重要だったんだと理解した。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
IT界隈では有名なみずほ銀行システム統合について書かれた本。経営層がITを理解する重要性や要件定義の大切さが実例を通して示されており、結果論ではあるもののシステム障害対応の考察もあるので、学べる点は多いです。一方で、上手く纏まりすぎているので、失敗事例から学びたい人にとっては物足りないかもしれません。多くの人が知りたいリアル感ある混沌とした状況までは書かれていませんでした。
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「みずほ銀行のATMの下には数多のITエンジニアの死体が埋まってゐる!」と梶井基次郎がかつて書いたか書かなかったかは不明だが、本書はそうしたエンジニア達へのレクイエムとして、日経コンピュータが長年のみずほ銀行のシステム開発の取材をまとめた一冊である。 メインは2019年7月によ...
「みずほ銀行のATMの下には数多のITエンジニアの死体が埋まってゐる!」と梶井基次郎がかつて書いたか書かなかったかは不明だが、本書はそうしたエンジニア達へのレクイエムとして、日経コンピュータが長年のみずほ銀行のシステム開発の取材をまとめた一冊である。 メインは2019年7月にようやく完了したみずほ銀行・みずほコーポレート銀行・みずほ信託銀行ら3行のシステム統合のプロジェクトマネジメントでの詳細である。4,000億円という開発費、そしてそれを稼働のタイミングで減損処理し、以降のPLへの減価償却費のヒットを避ける、というあまり例の見られない会計処理がなされた点でも異例と言える本プロジェクトについての実態が知れる点では、非常に面白い。 ただし、残念なのは統合プロジェクトがテーマなのは本書の1/3程度で、残りは過去2回(2002年のみずほ銀行統合直後、2011年の東日本大震災の義援金受付に端を発するシステム障害)の既出記事のエディットが残りを占める点。もう少し、統合プロジェクトに関する記事が多いと読み応えがあるのだけど。
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