みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 の商品レビュー
よくこの銀行潰れなかったなあ、と感じます。 20年を経て新システムを作り稼働させた今のみずほや関係者の方々に感嘆し ”古い時代の人達”の根拠のないデシジョンで迷走するシステムトラブルの正常化と戦ってきた方々に敬意を表します。
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日経コンピュータの記事を集めただけの上っ面をなめたような本。掘りが浅い。ITを理解できない経営者は総退場すべき点を強調している点はよい。内部事情を知っている者にとっては怒りと諦めの気持ちしかわかない本。
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みずほ銀行のシステムが、どのように問題で、どう統合を完了させたかを、今までの日経コンピュータの記事をもとに書いている。これを読めば、みずほのシステム統合の流れだいたいわかる。(現場担当者の声は分からないが) この本の中で述べられている結局の原因は「合併当初から基幹システムたる...
みずほ銀行のシステムが、どのように問題で、どう統合を完了させたかを、今までの日経コンピュータの記事をもとに書いている。これを読めば、みずほのシステム統合の流れだいたいわかる。(現場担当者の声は分からないが) この本の中で述べられている結局の原因は「合併当初から基幹システムたる勘定系システムの統合を、経営層が甘く見ていた」というところではないか。基幹システム統合は、合併の中では一部分に過ぎない。しかし、社員が日々行う事務作業はシステムに依存している。したがって、合併後もシステムをただ連携するだけでは、社員の業務は変わらず、格好だけの合併となる。故に、本書で述べられているような、業務を全て改革し新規システムを作るか、全てどこかのシステムに片寄するという経営層の判断が不可欠だったのではないか。(そういう意味では、ユーザ部門によるMINORIプロジェクトの業務フロー図棚卸しは良い取り組みだと思う。) 足元のシステムすら整わず、「IT戦略を活用する」では、現場の受け入れ態勢も整わず付け焼き刃のIT実践しかできない。基幹の業務が整って、社員の事務・システムの受け入れに余裕ができてこそ、真のITによる改革が出来るのではないか。 何となく、今もそんな感じある。 現代は、今やってる業務・システムに縛られないベンチャー企業とかがIT改革を推進できるのだと思う。 この本、なんで時系列順にしないんだろう、読みにくいなと思ったけど、数々の障害を乗り越えてみずほの新しいシステムができました!これからITによる改革がいっぱいできるね!みたいな終わり方にしたくなかったんだと邪推。章の最後に最初のシステム障害を書くことで、君達は大丈夫か?我々に問い掛けて来るような気がする。
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日経コンピュータ、山端宏実、岡部一詩、中田敦、大和田尚孝、谷島宣之著『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」』(日経BP社、2020年)は、みずほフィナンシャルグループのシステム統合を振り返るノンフィクションである。みずほフィナンシャル...
日経コンピュータ、山端宏実、岡部一詩、中田敦、大和田尚孝、谷島宣之著『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」』(日経BP社、2020年)は、みずほフィナンシャルグループのシステム統合を振り返るノンフィクションである。みずほフィナンシャルグループは第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3行が統合したものであるが、システム統合や刷新は中々進まず、2002年と2011年には大規模なシステム障害を引き起こした。 このプロジェクトはIT業界のダメプロジェクトの代名詞のようになっているが、本書はIT部門よりも経営の問題を指摘する。現場には目の前の問題をリカバリーしようと頑張る意識があるが、それが障害を大きくする。経営が問題を把握してストップする判断を早期に下さなかったことが大障害をもたらした。 システム障害とシステム統合は区別される。みずほ銀行でシステム障害が起きると、合併前の旧行意識が原因と言われがちであるが、直接の関係はない(175頁)。しかし、システム統合は合併前の旧行意識、それぞれの旧行のシステムを提供するITベンダーのぶつかり合いであった(第三部「合併直後、「まさか」の大規模障害」)。
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新システム(超巨大プロジェクト)開発の紹介 2度の大規模障害についてそれぞれ解説 という3部構成 障害の解説が興味深い 積読中の”失敗の本質”を読みたくなった
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話題のアレ読了。前半はどうぶプロマネしたか。天眼システムとか現物の画面が出てくるのは面白いし参考になる。ぼくも放送システム開発の末期はこれに近いものを手作業で作ってエンジニアと音声チャットつないで、秒単位で試験放送の進捗を読み上げながらバグ監視してた。後半は実際に起きた障害とその...
話題のアレ読了。前半はどうぶプロマネしたか。天眼システムとか現物の画面が出てくるのは面白いし参考になる。ぼくも放送システム開発の末期はこれに近いものを手作業で作ってエンジニアと音声チャットつないで、秒単位で試験放送の進捗を読み上げながらバグ監視してた。後半は実際に起きた障害とその対応、その原因となったベンダーの綱引きの経緯。どこがいくら値切って無理したかまでまとめてあるのが日経らしい。銀行という資本関係の要みたいなところだと、結局外資コンサルに行司を持たせるしかなかったのね。こんな地雷原だらけの開発案件に関わることは自分にはないような気もするけど、そういえば放送システムの開発なんてやることになるとは数年前まで全く思ってなかったので、咀嚼して頭の片隅に置いておこう。
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大規模障害の件は、割と臨場感がありました。 大なり小なり、SEなら経験があることかなと。 本書で伝えたかったのは、情報システムの構築、刷新、維持には経営戦略と、経営者の関与が重要不可欠なものだと感じました。 蛇足ですが、IT戦略は日本全般が米国に遅れ、遅れている日本の中でも更に銀...
大規模障害の件は、割と臨場感がありました。 大なり小なり、SEなら経験があることかなと。 本書で伝えたかったのは、情報システムの構築、刷新、維持には経営戦略と、経営者の関与が重要不可欠なものだと感じました。 蛇足ですが、IT戦略は日本全般が米国に遅れ、遅れている日本の中でも更に銀行や自治体は民間企業に遅れているという感覚です。
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前半は新システムや移行の話、Web業界とは世界が違うなって感じ。Javaがメイン言語として使われていて、Javaエンジニアの需要はまだまだ減らないと思った。 後半は2011年の障害のポストモーテム的な感じ。障害に備えること、定期的にシステムを刷新すること、経営陣がリーダーシップを...
前半は新システムや移行の話、Web業界とは世界が違うなって感じ。Javaがメイン言語として使われていて、Javaエンジニアの需要はまだまだ減らないと思った。 後半は2011年の障害のポストモーテム的な感じ。障害に備えること、定期的にシステムを刷新すること、経営陣がリーダーシップをとることなど、共感できることは多い。 著者が日経コンピュータなので、あくまで外部から見た内容で、細かい内部事情の記述はなし。
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インパクトのある表現はブログやTwitterで先に目にしていた為読んでいての驚きは少なかった。金融系システムは門外漢なので大変だなーと思いながら読んだが、進め方は正攻法に思えた。とはいえ人数が多いと能力や責任感が異なるたくさんの人と進めなくてはならないので燃えることは避けられなか...
インパクトのある表現はブログやTwitterで先に目にしていた為読んでいての驚きは少なかった。金融系システムは門外漢なので大変だなーと思いながら読んだが、進め方は正攻法に思えた。とはいえ人数が多いと能力や責任感が異なるたくさんの人と進めなくてはならないので燃えることは避けられなかった気がする。 通して読んでの感想はみずほの人々の目線・コメントが自分たちにしか向いておらず、ビジネスを扱う面々が「システム開発力を向上させる」と相変わらず他責の思考を持っているので何年後かは分からないがきっとまたやらかすだろうなと確信している。
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2010年代の情報システム業界を語るうえで外せないであろう、みずほFGのシステム統合。第1部では2019年に完了した統合の経過を追い、第2部と第3部では時間を遡って2002年と2011年の大規模システム障害を扱う。 第2部と第3部は、数々の不手際が重なり障害が膨れていく過程を活写...
2010年代の情報システム業界を語るうえで外せないであろう、みずほFGのシステム統合。第1部では2019年に完了した統合の経過を追い、第2部と第3部では時間を遡って2002年と2011年の大規模システム障害を扱う。 第2部と第3部は、数々の不手際が重なり障害が膨れていく過程を活写し、また、そこに至る根本原因にまで踏み込んでいて、失敗の見本としてとても面白く読める。現場で事態収拾に当たった担当者のことを思うと泣けてくる。 一方で、本来なら本書の核心となるべき第1部は表層的な記述に終始しており、統合完了に辿り着くまでの過程が今ひとつ明らかにならない。2度のシステム障害の原因となったシステム軽視や縄張り意識はどう克服され、失敗の経験はどう活かされたのか。それでも発生する困難はどのようなものでどう乗り越えられたのか。35万人月という途方もないリソースを投入して出来上がったシステムはそれにふさわしいのものなのか。そういうところが描かれないので、長らく課題だったシステム統合が完了した、という当たり前の事象しか見えてこない。 テーマがテーマだけにとても期待していたのだが、ちょっと期待外れだなあと。
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