犬のかたちをしているもの の商品レビュー
打算。この物語はたくさんの打算で溢れている。 自分がこんな状況になったらどうするだろう。私は男なので、あり得ない話だが、もし薫だったらと考える。間違いなく郁也と別れる道を選ぶだろう。 もし、自分が郁也だったら?間違ってできてしまった子ども。しかも、彼女ではない相手との子ど...
打算。この物語はたくさんの打算で溢れている。 自分がこんな状況になったらどうするだろう。私は男なので、あり得ない話だが、もし薫だったらと考える。間違いなく郁也と別れる道を選ぶだろう。 もし、自分が郁也だったら?間違ってできてしまった子ども。しかも、彼女ではない相手との子どもだ。普通なら堕ろしてくれと言うだろうが、相手がそれを望まないとしたら。 主人公の薫は卵巣の病気を持っていて、子どもができない体。そういう問題を抱えて郁也と付き合っている。ある日、郁也と待ち合わせした場所に向かうと、そこには郁也と見知らぬ女性がいた。名前はミナシロさん。 そこで、ミナシロさんに衝撃の告白を受ける。金で郁也と体の関係を持っていたミナシロさんが妊娠したと言う。ミナシロさんは子どもを堕すつもりはなく、生み終えた後は子どもをあげると言いだした。果たして薫の出した答えは・・・。 さて、読み終えて、考えれば考えるほどあり得ない話でもないのかなと思ってしまった。それでも私にはやはり共感できない部分が多かったが、薫と同じような考え方をする人の方が、もしかしたら多いのかも知れない。
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女性が子供を産むということ、そのためにセックスをするということ。この当たり前の前提に疑問符を突き付けられた。女性だからといって誰もが子供を欲しいわけではなく、セックスが嫌いな人だって当然いるはずだ。男女間の愛と性愛、夫婦間のそれ、仕事や世間体などなど……。本当に難しい。
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穏やかな村田沙耶香さん、という印象。 穏やかにキレてて、何気にヤバい小説。 っていうか、タイトルからして穏やかにヤバくないですか? 犬?のかたち??? はっ? 一見「なるほど」と思うだけで素通りするが、ふと「なんだそりゃ?」と立ち止まってしまうと、深みにはまる。 絶妙すぎ...
穏やかな村田沙耶香さん、という印象。 穏やかにキレてて、何気にヤバい小説。 っていうか、タイトルからして穏やかにヤバくないですか? 犬?のかたち??? はっ? 一見「なるほど」と思うだけで素通りするが、ふと「なんだそりゃ?」と立ち止まってしまうと、深みにはまる。 絶妙すぎる。 未だ意味はわからないけど。 というか、あまりわかりたくないけど(笑) 卵巣の病気で手術をして以来、付き合い始めてある程度経過すると、恋人とのセックスがパタっと嫌になってしまう薫。 そんな薫を理解してセックスレスを受け入れていたはずの彼氏・郁也は、実は別の女(ミナシロ)と金を払ってセックスしていた。 ある時薫の前にミナシロが現れ、郁也の子を妊娠してしまい、堕胎はイヤだから産むので、あとは郁也と育ててほしいと言われる… 140ページ程度と短い小説だけど、深い。 村上春樹さんの小説に出てくる井戸くらい深い。 高瀬隼子さんのデビュー作。 今後が楽しみな作家さん。 僕は大注目しています。
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愛とセックスと快楽と安心と日常生活 考えると悲しくなってくる人間の違い 性別の違いだけじゃなくて、人はそれぞれ違うということ
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ずっと昔に読んだ、江國香織の「きらきらひかる」を思い出した。似てるという意味じゃないけど、鏡に反転したような物語だな、と。 性と愛は近いところにあるようで、居場所が違うものと思っていたので、いつまでもセックスがー。愛がーと始まる独白に『 なんかこちゃこちゃと小煩いこと言う主人公だな。この世の森羅万象を全部自分の所へ持ってこれる才能!』みたいな感想が頭の中を占めてしまって、自分には不向きなタイプの小説だった。 でも、犬への愛は、犬との愛情は、いつかその事についてじっくり書かれた小説と出会いたいな。 後日。もう一度じっくりこの本について考えてみたんだけど、もしかしたらミナシロさんが主人公の物語かもしれない。主人公(仮)があーでもない、こーでもないと脳内反芻してる間に、立場を逆転させたトリッキーな物語だとしたら。 それはそれで主人公(仮)の描写をこつこつ紡ぎ続けたのが、むしろブラックユーモア的な味わいもあるかもなぁ。 そんなふうに読むと、面白い小説かもしれない。
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久しぶりに勢いよく読んだ。小説として評定しようという気分ではない。東川で対話したテーマと絡んで、ひとつ考えるタネになる本。暇と退屈の倫理学、人類学の思考法、13歳からのアート思考とともに読みたい。
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子どもを持つということ、愛する愛されるということ、改めて考え直す。 イレギュラーな関係で、子どもを得られるかもしれないとか、恋人が別な人と婚姻するとか、言葉にすれば割とありきたりでも薫にとっては血を流すほどのこと。感情移入しながら一気読み。
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とても好きな文章の本だったけど、主人公が救われない気がして切なかった、もう少し方向性を見せて欲しかったかも。。自分も結婚や出産を考える歳なので重く考えさせられた。 他の作品も読んでみたい。
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私も婦人科系の病気をしたので、他人事ではなかった。子供をもつ、持たないという選択はこの世の中決められない。 知らないうちに子供ができているというパターンが一番考えなくていい。それができない今はつらい。
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図書館員がすすめるという企画に出ていた本。 読んだことのない作家だったけれど、タイトルに惹かれて借りる。 いやー、こんな無茶な相談、あたしなら話を聞いたあとにすぐさまお断りする。そして彼氏ともバイバイだ。
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