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丸の内魔法少女ミラクリーナ の商品レビュー

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205件のお客様レビュー

  1. 5つ

    64

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2020/07/09

凄い短編作品でした。 丸の内魔法少女ミラクリーナ コンパクトを開き呪文を唱えると変身する。変身して無敵になる感覚。これは子供だから微笑ましいのであって、これを大人になってまでやる事の是非。 秘密の花園 子供の頃から好きだった少年が大人になり、自分も大人になり相手の許しを得て監...

凄い短編作品でした。 丸の内魔法少女ミラクリーナ コンパクトを開き呪文を唱えると変身する。変身して無敵になる感覚。これは子供だから微笑ましいのであって、これを大人になってまでやる事の是非。 秘密の花園 子供の頃から好きだった少年が大人になり、自分も大人になり相手の許しを得て監禁する。子供の頃に大好きだった少年は実際大人になってしまい、自分の理想とは違っていた。あの頃王子様だと思っていた少年は普通の大人になっていた現実。だからと言って監禁までして自分の気持ちを確かめようとする事の是非。 無性教室 男女の区別がない学校。男か女か解らない状態でクラスメイトを好きになる。その相手は男なのか女なのか。自分は一体、どちらの性別なのか。体と性別が一致しなくても、人としてその人の事を好きになる事の是非。 変容 いつの時代も人生の先輩達から見ると今の人は新人類って言われる。感情の起伏が少なく、怒られても平気。もっと言うなら何で怒っているのかが理解出来ない若者と年上の人の感情の差があり過ぎる。若者の新しいニュアンスの言葉があっても先輩には理解出来ない。どちらの感覚が正しいのかの是非。 将来、こんな世の中が当たり前になっていくのか?と思わせる一冊。作品では不気味さが混じっていますが、実際こういう感じに似たような内容が世間でも議論されてる。執着したりやり過ぎたり行き過ぎたりするとこんな状況もあり得るのかも、と。村田さんの発想力ってスゴイですね。

Posted byブクログ

2022/11/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

4つの中編を纏めた作品集で、久々に、村田さんの濃い世界観を堪能した。 発売時期としては、「変容」だけが、2019年で、他は2013~14年だが、あまり気にはならず。 表題作は、村田さんの作品では、まれにある、人の持つ純粋さの、素晴らしさと凄まじさを堪能出来るもので、いい年した大人が、幼い頃にテレビで観た、魔法少女の影響による行動指針を今でも持っていて、イタイ感じに見られやすいところを、現実の男女の修羅場で繰り広げられると、これが感動するのだから、すごい。まさか、ミントスプラッシュの連呼で涙が出るとは。でも、理屈抜きに共感出来た。いい年したと書いたが、別にいくつになっても、自分の生きる指針を持ち続けることの出来る人は、素敵だと思うし、それが出来ない私自身を恥ずかしく思ったりもした。 「秘密の花園」は、一番、分かりづらかった。小学校の頃から、ずっと片想いを抱いていた男を監禁する、千佳の本音は何だったのだろうと。男の自業自得な話だけとは思えない。監禁しながら、少しでも過去のイメージがあるかも、なんて僅かな期待を抱いていたのか、書いてある通りの、次の恋へのステップに必要なだけだったのか。あるいは、両方の合間を漂いながらという、自分自身でも説明できない状況だったとか?いずれにしても、そのまま解釈すると、そんじゃそこらのホラー小説よりも怖い内容になるが、人の心は、そういう部分もあると思うので、人間心理を描写していると捉えれば、すごいと思う。 ただ、千佳の元バイト先の、コンビニの店員の他人行儀に接する伏線は、ちょっと無理があったと思う。 「無性教室」は、性を取り扱っているが、すごくイノセントな作品だと思った。 性に対して最も興味のある時期なのに、設定が「性別が禁止された学校」で、若い頃特有の狭い視点でしか、物事を観られない苦しみに加えて、学校という閉鎖空間での不安は、周りが全くそうした思いを持ってないように見えれば、本当に辛いだろう。 そんな中で、心と心が繋がる様子を見て、描写は細かかったが、素敵で美しいと思った。他の人の性を、盛んに知りたがった主人公の「ユーキ」だが、好きな人には、性別関係なく想いを顕にするのは、矛盾しているようで、これも純粋さがもたらす、好きという本能的なものの美しさを表現していると思った。 「変容」は、長いものに巻かれる的な、よく分からないものでも、流行っていると聞けば共感する、群衆心理を皮肉ったようにも感じられるけど、本当にそうだと実感した人がいたら、どうなんだろうみたいな、不思議な面白さがあった。そこに、古き良き頃を取り戻せみたいなムーブメントを、程よく織り混ぜた感じが、また、面白かった。 一見、滑稽な感じに見える人物描写でも、こういう人いるよなと思える、ちょっと安心できる感じが、村田さんの作品は、本当に良いです。

Posted byブクログ

2020/07/02

コンビニ人間で芥川賞受賞の村田沙耶香の短編4本。 ある事物への執心をベースに不条理世界を突き進む展開は筒井康隆を彷彿させる。作者の妄想力が楽しめた。

Posted byブクログ

2023/07/20

村田沙耶香は今日も戦っていた。 読まされてしまうなー。 再読: 村田沙耶香は、「人は変わらない」ということと「常識とは砂上の城である」ということを教えてくれる。 『丸の内魔法少女ミラクリーナ』 小3からこっそり魔法少女(の設定)になっていて、それを継続しているOL。友達の彼...

村田沙耶香は今日も戦っていた。 読まされてしまうなー。 再読: 村田沙耶香は、「人は変わらない」ということと「常識とは砂上の城である」ということを教えてくれる。 『丸の内魔法少女ミラクリーナ』 小3からこっそり魔法少女(の設定)になっていて、それを継続しているOL。友達の彼氏が2代目マジカルレイミーになったことで、本当に大切なものが何かを感じる。 『秘密の花園』 初恋の相手を監禁し、とことん味わうことで幻滅し、初恋にけりをつける。 『無性教室』 一番クル話。性別が禁止されている学校で生きる子どもたち。性別に捉われないという環境が、どうしても性別が知りたくてたまらなくさせる。同性愛でも過ごしやすい環境ではある。セナはインターセックスなのかノンバイナリーなのかその他の性なのか。男性器の描写が秀逸。「それは不思議な植物のようでもあり、水族館で見た深海生物のようでもあり、露出した臓器の生々しさもあり、淡い桃色の部分は生まれたての赤ん坊の臍の緒のようでもあった。」 『変容』 流行とは、その当時はそれ以外考えられないくらい人々の常識に根付く感覚のことである。各時代の「なもんでいる」「まみまぬんでら」がある。常識は、時代とともに変わらずにはいられない。

Posted byブクログ

2020/06/22

好みが分かれるのは承知の上だけど、なにこれすっごいおもしろいいいいいいいいい!と叫びたいぞ。 好みは分かれるだろうけど(しつこい)、ハマる人にはめちゃくちゃハマる。 このくせのある世界観と、もうすぐで致死量ですねという毒素がたまらん。 ミラクリーナも最高だけど、秘密の花園も最...

好みが分かれるのは承知の上だけど、なにこれすっごいおもしろいいいいいいいいい!と叫びたいぞ。 好みは分かれるだろうけど(しつこい)、ハマる人にはめちゃくちゃハマる。 このくせのある世界観と、もうすぐで致死量ですねという毒素がたまらん。 ミラクリーナも最高だけど、秘密の花園も最高だし、無性の教室はもう好きすぎて吐きそう(褒めてる 今回は図書館で借りたけれどすぐにポチりますね。(くいぎみ

Posted byブクログ

2020/06/17

短編集4編 結婚生活であったり恋愛であったり表れ方は様々であるが,その人の個性性格あるいは感情にとても執着したそればかりにこだわった物語.どの作品もそういう自分が好きで肯定できるかということを問いかけているようだ.

Posted byブクログ

2020/06/13

「コンビニ人間」が面白かったので、こちらも読んでみた。 ぶっ飛んだ世界観が中毒性あって、癖になりそうです。 ありえない世界のようで、どこか現実味があるというか…その絶妙な感じが面白いです。 短編4篇のどれもそれぞれに面白かったけど、特に印象深かったのは「無性教室」。 どんどん追い...

「コンビニ人間」が面白かったので、こちらも読んでみた。 ぶっ飛んだ世界観が中毒性あって、癖になりそうです。 ありえない世界のようで、どこか現実味があるというか…その絶妙な感じが面白いです。 短編4篇のどれもそれぞれに面白かったけど、特に印象深かったのは「無性教室」。 どんどん追い詰められていく主人公の焦りが伝わってきて、一気読みしました。 怖いけど、面白い。

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2020/05/26

『コンビニ人間』を思いのほか気に入って、『地球星人』読んだら作為が鼻について気に入らず、仕切り直し気分で向かってみたけど冴えんなぁ(俺には)。我われ化石化した昭和のおとっつぁんも、現代人というのか近未来人も、どちらも揶揄したユニークなテーマなんだけど、締まりがないってのかなんての...

『コンビニ人間』を思いのほか気に入って、『地球星人』読んだら作為が鼻について気に入らず、仕切り直し気分で向かってみたけど冴えんなぁ(俺には)。我われ化石化した昭和のおとっつぁんも、現代人というのか近未来人も、どちらも揶揄したユニークなテーマなんだけど、締まりがないってのかなんてのか。妙に情緒的な余韻を残させないのが著者のアイデンティティと思うも、笑えず哀しめずで、とにかく浸れない。やっぱ読後にエクスタシー欲しいわ。

Posted byブクログ

2020/05/24

元気の出る明るい本が読みたくて、タイトルを見て購入。 ファンタジー要素もあるのかと思っていたが、逆で、なさそうな話だけど登場人物の心情が細部まで描かれているので、日常というかリアリティのある話だった。

Posted byブクログ

2020/05/21

やあぁ…すき… 普通とはなんだろう、とひたすら考えさせられる 世界観として面白くてめちゃめちゃアイロニカルなのはもちろん「変容」なんだけど、 ミラクリーナのラストがとてもすき。

Posted byブクログ