丸の内魔法少女ミラクリーナ の商品レビュー

村田沙耶香(著者)

2020/09/17

4編を順番に読むと、徐々にぶっ飛び度が上がっていった気がしました。。
『ミラクリーナ』は一番ライトに読めてリナに共感する部分も多く、オチもスッキリで読みやすかった。
『変容』は出てくる出来事は突飛だが、今の世の中を鋭く風刺していて面白かった。真琴がかつての宿敵であった人物と、久々に怒りを共有できたことで興奮・発狂していく様や、「なもむ」「まみまぬんでら」等の謎の感情には、ぶっ飛びすぎていて爆笑でした（笑）

2020/09/17

最初から頭のネジ飛んでる人がいるなと思ったが
まさか最初の話が一番普通だと思わなかった。

個人的には後半二つはもうSFと呼んで差し支えない

エクスタシー五十川がまみまぬんでりすぎてホームはパブリックじゃない。天才か？

どこかで感じた読後感だと思ったがあれだ
世にも奇妙な物語だ

2020/09/16

表紙とタイトルに惹かれ、手に取った。
装画された原　裕奈さんのファンにもなった。

✩︎丸の内魔法少女ミラクリーナ
この話が1番好きだった！というか、分かる。この日々の過ごし方。
ラストもすっきりでよかった！

✩︎秘密の花園
異常ではあるが、こうやって乗り越えていくことってあると思う。

✩︎無性教室
不思議な世界だけれど、そこから見えるこういう心の葛藤とかそれでもって気持ちとかは大切にしなければいけないと思う。

✩︎変容
きっとこういう会議って行われていると思うな。
そんな気がする。現に作りあげられた世界に私達はいるし、それに身を委ねるかは自分次第。
まみまぬんでら。

2020/12/05

相変わらずどうかしているテンションの本ではあるのですが、他のよりも突飛ではないので大分読みやすいです。
表題作はあらすじだけでもグイっと読みたい気を誘われますが、内容的にも一気に引きこまれます。30年も魔法少女ごっこを内緒で続けている主人公がどういう生活をして、どういうメンタルで生きているのか興味津々でしたが、思いもかけない人とコンビで、町の平和を守るというまさに予想だにしない展開。なんでこんな訳の分からないアイディアが枠のやら。
あと好きなのは最後の「変容」でした。介護で世の中と没交渉だった主婦が、久々に世の中に出てみると、若者の心から怒りという感情が消えていて、夫すら次第に世の中に合わせて怒りという感情を失っていくという話です。
作者お得意の性差が無くなって、次第に結婚と生殖という行為に関連が無くなっていくという所も盛り込まれています。
今という現実も踏まえながら、まるで筒井康隆のような、シュールでリアリティーを少し落とし込んだコミカルなSFに仕上がっています。
人の感情も時代の流れに合わせて変容していく。これは今現在でもありますね。なので笑えるけれど、どこか怖さもある話です。

2020/09/06

表題作は可愛らしい表紙に表された通りで、優しい感じ。後はキレキレな作品ばかり。とくに「変容」は、おじさん、おばさんには刺さるのではないか。「言葉」の変化のスピードの速さや、世代のギャップ、とてもうまく表現されている。でも「刺さる」も昔はこんな風に使わなかったかな…。性別云々はデリケートなので…

2020/09/03

４編の短編集。

どれも今までの作品のミニ版といったところ。
４編、掲載順に読んでいくとどんどん異質な世界に入っていく。
３作目「無性教室」でやっぱり濃すぎる・・・とここでどんよりしてくる(笑)
しかし、最終話「変容」はなんだか笑えるし、共感もしてしまうという、著者の作品にしては珍しく。後味悪くなく読了となりました～。

2020/09/03

36歳OL・茅ヶ崎リナは現役の魔法少女。降りかかる無理難題も、魔法で解決☆世界と対峙する力をくれる表題作と村田節炸裂の４篇。

エロ描写も卑猥じゃないのは「世界と価値観を再定義」する作品の爆風が、雑念なんぞ秒で砂塵と化すからだろう！

2020/08/23

村田沙耶香の短編集。どの話も、ファンタジックなものだった。自分も時代に流されて性格が形成されてるのかもしれない、と思ったらぞっとした。

2020/08/22

おもしろかった！
独特な村田沙耶香さんらしい表現がでておりました。
3番目の無性教室が特に好きで、最後の4番目変容は世にも奇妙な物語的な要素を感じました。
もちろん、ミラクリーナも面白く、軽く痛快でした！！

2020/08/19

タイトルになっている『ミラクリーナ』を読むと、あれ？作者誰の本？！と驚くくらいいつもの性と生がテーマになっている村田ワールドではない。だけども面白い。違う村田ワールドを見たな〜と思っていた矢先に『秘密の花園』を見て、あやっぱり村田先生だ。と思う。『無性教室』なんかはまさに村田の性と生。『変容』はリアルになりそうで怖い、世にも奇妙な物語になりそうな話だった。