丸の内魔法少女ミラクリーナ の商品レビュー
表題を含めた4つの短編集。村田さんの本はいつも自分の価値観を問われ、さらに今ある価値観がとても儚いものに感じられる。無性教室と変容はどちらもぞくっと、ある意味ホラーだった。
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村田沙耶香さんのあり得ないはずなのに、実はどこかであり得そうな話が、読んでてざわざわして面白い‥ 冒頭のミラクリーナとマジカルレイミー、外から見たら絶対関わってはいけない人たちだけど、心の中でこのマインドを持っておくことは大事?
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著者の名前は知っていたけれど、今まで食指が動かず今回初読み。 丸の内魔法少女ミラクリーナ、秘密の花園、無性教室、変容の4作品からなる短編集。 どの話もどこか奇妙で違和感を感じつつ、自分の中の正しさの基準が少し揺さぶられる気がした。 魔法少女に変身して日々の嫌な事を和らげることがで...
著者の名前は知っていたけれど、今まで食指が動かず今回初読み。 丸の内魔法少女ミラクリーナ、秘密の花園、無性教室、変容の4作品からなる短編集。 どの話もどこか奇妙で違和感を感じつつ、自分の中の正しさの基準が少し揺さぶられる気がした。 魔法少女に変身して日々の嫌な事を和らげることができるならアリだと思い、初恋の幻想を打ち砕く手段に衝撃を受け、男女格差だなんだと声高に言われていることを思うと無性ってある意味究極かも…と思い、「怒り」という感情がなくなっていっている世界に喜怒哀楽がなくなるなんてもはや人間じゃない気がすると思ったり… 「無性教室」と「変容」が特に印象的だった。 SFとは少し違うけれど、なんだか不思議で奇妙な物語に酔った気分。
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表題作「丸の内魔法少女ミラクリーナ」は、36歳になっても変身コンパクトと相棒のぬいぐるみを持ち歩き、気合を入れるときに魔法少女に変身する(という体の)リナが主人公。 最初は痛い人だと思ったけれど、意外と現実的で、「これはお遊び」だと、周りの迷惑にならないように線を引いて楽しんでい...
表題作「丸の内魔法少女ミラクリーナ」は、36歳になっても変身コンパクトと相棒のぬいぐるみを持ち歩き、気合を入れるときに魔法少女に変身する(という体の)リナが主人公。 最初は痛い人だと思ったけれど、意外と現実的で、「これはお遊び」だと、周りの迷惑にならないように線を引いて楽しんでいる。 でもひょんなことから、友人の彼氏と、魔法少女として東京駅をパトロールすることになってしまう。 この彼氏が本気で魔法少女になりきって行動するので、ドン引きするリナと友人の様子がおかしかった。 「秘密の花園」は初恋の人を監禁する話。性描写が、相手への嫌悪に満ちていて気持ち悪かった。 「無性教室」は、性がなくなっていく世界が舞台。 「変容」は、怒りの感情をなくしてしまった人たちがいる世界の話。 どれも少しだけ奇妙で、「普通」の感覚からはズレていて、おかしい。 でも、本当にそうなの?「普通」って何なの? という問いかけが含まれているような気がするのは、深読みし過ぎだろうか。 「変容」にでてくる「なもむ」「まみまぬんでら」という新しい感情が意味不明で面白かったんだけど、現実で「エモい」が新語として出てきたように、これも全くあり得ないことではないんだよなぁと思えてくる。
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四つの短編集。 「丸の内魔法少女ミラクリーナ」は、コンパクトで変身して校内を巡察し、正義を行う魔法少女ごっこを36歳になっても続けている茅ヶ崎リナの話。魔法少女の相棒をモラハラ彼氏から救おうとして、そのモラハラ彼氏をなんちゃって魔法少女になりゆき上してしまう、というのがメインストーリーだけれど、日常のイラッとすることとかモヤっとすることを笑顔で乗り越える魔法って考えると、そういう魔法少女ごっこだってすこぶる健全な気がしてきた。コンパクトで変身するってこと自体、コンパクトを開いて化粧をしたら別の私、っていう現実世界の女子に通じると思う。 「秘密の花園」は初恋の相手の男の子を監禁する話。結局初恋は片思いで頭の中で完結するから美しいのであって、現実のその男を見たら生々しくてキモいよ、っていう。描き方は気持ち悪いんだけどそれも一面真理が含まれてるよなぁ。初恋を乗り越えるために、とことんその男のキモさを見る話。だから全体的に記述が気持ち悪い。 「無性教室」は校則で性別が禁止された高校の話。男女別学と多少似た感じはあるよなぁと思う。恋した相手の性別なんてどっちでもいい、っていいながら、相手の実際を探ったり暴いたりするのではなく、セクシュアリティがどうであってもあなただから好き、っていう姿勢は好き。 「変容」は、怒りの感情がなくなった最近の若い人たちについていけない話。怒りは古いし、パブリックネクストスピリットプライオリティホームパーティで30年後の人類の流行の性格をディスカッションして精神を向上させるのがステータス、みたいな世の中になっている。怒っていた主人公もそのパブスピホムパに出ているうちに、自分と同じように怒りの感情を持っていた五十川さんに「なもむ」ようになり、「まみまぬんでら」するようになる。なもむ、も、まみまぬんでら、もよくわからないんだけど、「エモい」とか「卍」とか「ぴえんこえてぱおん」みたいな世界と思うと、まさにこの世の中で起こってることだと思う。ジェネレーションギャップでもあり、人間はその社会にいるとどんどん変容していくたやすいものだ、という。ワンピースの上に腹巻きがファッション、は笑うけど、はお腹出してるのがファッション、とかだって同じように別の時代・別の世代から見れば笑止なわけで。
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ディストピア。発想が面白い。正義の味方の本質的な価値観に違和感感じるとか、初恋を終わらせるのは幻滅させることとか、前半2話はまだ現代らしさがあってけど、後半2話はSFチックだった性別が禁止とか、新しい世代の性質が意識高い系コミュニティで作られてるとか。陰謀論。
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気色わるいまでいかない気持ち悪さ 暴力的じゃない気持ち悪さ 何とも言えない不思議な気持ち悪い作品が多い 村田沙耶香さんの作品好きで時々読みたくなって読んでます。 4章短編 今回はマイルドな気持ち悪さでした。
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36歳OL趣味魔法少女ごっこ お試し監禁生活 性がない学校 パブリックネクストスピリッツプライオリティホームパーティ 最初からアクセル全開で突っ込んできて、2.3章で落ち着いたと思ったら4章で急にギア上げて走り去って行った。 とにかく強烈な作品。 最後気付いたらまみまぬんでら...
36歳OL趣味魔法少女ごっこ お試し監禁生活 性がない学校 パブリックネクストスピリッツプライオリティホームパーティ 最初からアクセル全開で突っ込んできて、2.3章で落ち着いたと思ったら4章で急にギア上げて走り去って行った。 とにかく強烈な作品。 最後気付いたらまみまぬんでらってた、絶対にそっち側に行くことは無いと思ってたのに。 深夜テンションで書いたんだろうな ☆3.9
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丸の内魔法少女ミラクリーナ 村田沙耶香 ∞----------------------∞ -丸の内魔法少女ミラクリーナ- 子供の頃から続けている魔法少女ごっこ。妄想力で自分の気持ちを切り替えて仕事を頑張ってる。 友人の彼氏が魔法少女となって地域活動をしてるのはいいことだと思ったけど、それが度を越してただの煩いおじさんと化してた。 コンパクトを見て呪文を唱えるのは置いといて、妄想魔法少女ごっこってやる価値ありそう。 -秘密の花園- 初恋の男性を自宅に監禁。初恋を忘れられず、付き合う男性とも上手くいかない。そんな初恋を終わらせるには、本物で幻想を爆破すればいい。 -無性教室- 性別禁止の学校。髪はショートで一人称は僕。高校生ともなれば、身体が発達してどちらか分かってしまうこともあるが、全く分からない子もいる。そして自分だけが性を持っているのではないかと不安になる。 この小説の中での「恋は性でするものではない」はなるほどと思った。でもこの学校は何のためにあるの? -変容- 怒る感情が無くなった若者たち。と思っていると、夫すらそうだったと気づく。知らない言語、知らない感情に取り残されている感があり不安になるが、人は流れに乗ってどんどん変容していくものだ。 2024/07/06 読了(図書館)
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ポップな世にも奇妙な物語 読みやすくて面白い 何が正しくて何が間違ってるか分からなくなる まみまぬんでら、、、笑
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