御社のチャラ男 の商品レビュー
チャラ男をめぐる本人も含めて13人の赤裸々な本音の暴露をスケッチ風に.といった程だが,社会批判あり働き方への考察あり人生教訓ありもちろん恋愛もあって盛りだくさんな玉手箱のような感じ.
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小説を読む意味の一つが、様々な登場人物の視点によって、物の見方には色んな見方があるということを再認識させてくれるということ。 ある人にとっては理解しがたい嫌悪の対象だとしても、当人や別の第三者には相応に理解できる理由や言い分があったりする。オムニバス形式で各登場人物からの視点で...
小説を読む意味の一つが、様々な登場人物の視点によって、物の見方には色んな見方があるということを再認識させてくれるということ。 ある人にとっては理解しがたい嫌悪の対象だとしても、当人や別の第三者には相応に理解できる理由や言い分があったりする。オムニバス形式で各登場人物からの視点でチャラ男や周囲の物語が語られていく。その中に猿山に例えられる男性社会、地方都市の寂しさ、平成から令和へ移ろいゆく中での価値観の変化など、時代性を捉える本質が入り混じっていく。 その中でも印象的なのが、やはり当人チャラ男の寂しさ。軽やかに生きているつもりでいて、どこか寂しさを感じさせる描かれ方で、決して明確な救いがあるわけではない。だけども、そのどこにでもいそうな人だからこそ、今の日本を象徴しているようで、共感する部分が生まれるのだと思う。
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タイトルからは軽いユーモア小説を想像するのですが、全く違っていました。 チャラ男こと三芳道造部長44歳と彼の勤めるジョルジュ食品の周りの人々の物語。各編で主人公を変え、三芳部長やその周辺を多角的に描いた16の短編集。 定見など無く、話題毎に見かけの良いハヤリ言葉を吐き、弱い者に強...
タイトルからは軽いユーモア小説を想像するのですが、全く違っていました。 チャラ男こと三芳道造部長44歳と彼の勤めるジョルジュ食品の周りの人々の物語。各編で主人公を変え、三芳部長やその周辺を多角的に描いた16の短編集。 定見など無く、話題毎に見かけの良いハヤリ言葉を吐き、弱い者に強いチャラ男。別名、石北会計事務所(意識高い系)の三芳部長。しかし、本人の弁を読むと少しイメージが変わる。いずれにせよチャラ男を描きたかった訳では無さそうです。 五輪を前にした平成末期の世相。そこに有るのはいじめや分断、心の余裕の無さ、今も残る男女不平等、老害、クレーマー。いまだに社内の猿山(階級)にかじりつく人達。先行きは不透明で、多くに人が感じる生き辛さ。そうした事がそれぞれに視点で繰り返し語られます。淡々と、どこか軽いユーモアを交えて。でも救いや結論は有りません。まあ、小説にそういうものを求めても仕方ないですしね。 毎度の事ですが「言いたい事は掴み切れないけど、しっかり読まされる。」「どこが良いのか言えないけど、なんか『良い』と感じられる。」困ってしまう絲山作品です。
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図書館で借りた本。チャラ男とは三芳部長の事である。服装や小物はオシャレでイケメンでもあるが、他人を見下し圧をかけてくる。政治経済の話を好む意識高い系の中年だが仕事をしない、できない無能。部下たちからバカにされてると薄っすら気付いているのだが…この小さな食品会社の社員たちの鬱憤をそ...
図書館で借りた本。チャラ男とは三芳部長の事である。服装や小物はオシャレでイケメンでもあるが、他人を見下し圧をかけてくる。政治経済の話を好む意識高い系の中年だが仕事をしない、できない無能。部下たちからバカにされてると薄っすら気付いているのだが…この小さな食品会社の社員たちの鬱憤をそれぞれ告白してる話で、共通しているのが、チャラ男がムカつくという事。男のプライドは厄介だ。
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何処にいたってチャラ男はいる。 そんなチャラ男と1つの会社に務める色んな人からのチャラ男に対する視点で話が最初は進んでいたけど、 途中から視点はチャラ男以外にも当てられ働く社会人のやるせなさやら怒り等にも焦点が変わっていく。 時々いきなり出てくる登場人物や設定に追いつけず置いてけ...
何処にいたってチャラ男はいる。 そんなチャラ男と1つの会社に務める色んな人からのチャラ男に対する視点で話が最初は進んでいたけど、 途中から視点はチャラ男以外にも当てられ働く社会人のやるせなさやら怒り等にも焦点が変わっていく。 時々いきなり出てくる登場人物や設定に追いつけず置いてけぼり感を食うこともあるけど、社会人にはそれぞれの登場人物に重なる自分を見つけて共感出来るはず。
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+++ 社内でひそかにチャラ男と呼ばれる三芳部長。彼のまわりの人びとが彼を語ることで見えてくる、この世界と私たちの「現実」。すべての働くひとに贈る、新世紀最高“会社員”小説。 +++ チャラ男の存在の可笑しさや迷惑さやあれやこれやがコミカルに描かれている物語を想像していたので、...
+++ 社内でひそかにチャラ男と呼ばれる三芳部長。彼のまわりの人びとが彼を語ることで見えてくる、この世界と私たちの「現実」。すべての働くひとに贈る、新世紀最高“会社員”小説。 +++ チャラ男の存在の可笑しさや迷惑さやあれやこれやがコミカルに描かれている物語を想像していたので、それとはいささか異なる趣向ではあったが、チャラ男を見る周囲の人たちの視点が、それぞれ(当然のことながら)自分基準であるがゆえに、チャラ男をさまざまな角度から分析することになっていて、興味深い。さらに言えば、チャラ男を表することによって、その人自身の在りようまで見えてくるので、それはなかなかに怖いことでもある。自分を見つめ直すきっかけになっていると言えなくもないチャラ男の存在が、有益なのか害悪なのかと言えば、どちらかというと有益なのではないかとさえ思えてくる。チャラ男侮りがたし。時にグサッと深部を刺されながらも面白い一冊だった。
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陰で“チャラ男”と呼ばれる部長と、彼のまわりの人々の一人称で綴られた連作短編集。語られる内容は様々だが、読み進めるうちにこの会社の実情が鮮やかに浮かび上がってくる。チャラ男という語感から受けるほど、この男はチャラくないような、そうでもないような……。いずれにしろ、こんなやつが上司...
陰で“チャラ男”と呼ばれる部長と、彼のまわりの人々の一人称で綴られた連作短編集。語られる内容は様々だが、読み進めるうちにこの会社の実情が鮮やかに浮かび上がってくる。チャラ男という語感から受けるほど、この男はチャラくないような、そうでもないような……。いずれにしろ、こんなやつが上司では大変だとは思う。
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音楽を聴くように文章を読める本を書く作家さん第1位。人間の弱いところをこれでもかと掘り起こしてくれるのだけれど、いつもその愚かな人間に向ける眼差しはやさしい。だからハッとしても受け入れることができる。そして、おもしろい!重いこと言ってるのに軽く受け入れられる。今までも絲山さんの作...
音楽を聴くように文章を読める本を書く作家さん第1位。人間の弱いところをこれでもかと掘り起こしてくれるのだけれど、いつもその愚かな人間に向ける眼差しはやさしい。だからハッとしても受け入れることができる。そして、おもしろい!重いこと言ってるのに軽く受け入れられる。今までも絲山さんの作品は全部読んできたけど、これからもこのペースで全部読む。
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会社という組織にあって、馬が合わない同僚や上司は必ずいる者だと思います。 この作品では、一つの中小企業のなかで、それぞれの社員から見た社内の風景と、密かに「チャラ男」と呼ばれている部長の人となりを描いています。 社員一人一人の思想や立場によって、こんなにも人や会社組織の見え方は違...
会社という組織にあって、馬が合わない同僚や上司は必ずいる者だと思います。 この作品では、一つの中小企業のなかで、それぞれの社員から見た社内の風景と、密かに「チャラ男」と呼ばれている部長の人となりを描いています。 社員一人一人の思想や立場によって、こんなにも人や会社組織の見え方は違うのか、と驚きましたし、自分の職場でもこういった「見解の相違」は多々あるのだろうなと感じました。 だれもが、「悪人でいよう」と強く決意して生きているわけではないでしょうが、結果としてだれかを傷つけたり、誰かの態度に不満を抱いたりしながら生活している今の世の中。 大きなヤマ場があるわけでもなく、また描写が精密なので「現実的」すぎる小説ですが、特に会社(組織)で働く大人には、しみじみ考えさせられる部分があるのではないかと思います。 「同僚や上司から、仕事ができないヤツと思われたくない」「自身の功績を評価して欲しい」など、あまり認めたくはない自分自身の欲望についても、改めて自覚させられる部分もありましたし、登場人物のセリフに笑わせられるとともに息抜きできる部分もありました。 小説として、エンディングもシッカリまとめられていますから、「学校」という”組織”のなかで日々生きている中高生にとっても読みやすい本かもしれません。
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「すべての働くひとに贈る新世紀最高”会社員”小説」という帯に惹かれて購入した。久しぶりに立ち寄った本屋の新書コーナーで手にとって即購入して読んだ。 地方都市の油メーカーを舞台とした会社員小説なのだが、ひとりひとりの人物について微細なディテールが描写されていて、知らない会社の人た...
「すべての働くひとに贈る新世紀最高”会社員”小説」という帯に惹かれて購入した。久しぶりに立ち寄った本屋の新書コーナーで手にとって即購入して読んだ。 地方都市の油メーカーを舞台とした会社員小説なのだが、ひとりひとりの人物について微細なディテールが描写されていて、知らない会社の人たちの心の中を覗いている気分になる。 どこの職場にもいそうな人々による物語。
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