紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人 の商品レビュー
面白かったー! 本業の紙周りの話は正直斜め読みでしたけど、ただ一般人が事件に巻き込まれるだけでなく、キチンと紙鑑定士の能力も発揮されていて、餅は餅屋という言葉がぴったりのミステリでした。 最後は予想してたけど思わず笑っちゃったw
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含みで分かるようなところも細かく書いてるから無意識に裏読みしちゃった。 でも書いてあるとおりに話は進んでいくから、なーんだって感じだった。
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第18回『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞、読書メーター「読みたい本ランキング」第1位(単行本部門月間(2020年1月6日~2020年2月5日)) 『紙鑑定士』という仕事?肩書?の紙の卸商をしている主人公が、『神探偵』と勘違いされ、事件を依頼されることから始まる本作。...
第18回『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞、読書メーター「読みたい本ランキング」第1位(単行本部門月間(2020年1月6日~2020年2月5日)) 『紙鑑定士』という仕事?肩書?の紙の卸商をしている主人公が、『神探偵』と勘違いされ、事件を依頼されることから始まる本作。 てっきり、紙の知識に謎かけて進んでいくのかと思いきや、所々に知識を生かした場面はあるものの、基本的には“ディオラマ(ジオラマ)”が示す意味について、伝説のモデラー『土生井』に協力・意見を貰いながら推理していくミステリでした。 結構心地よい没入感を得られ、かなり面白いなぁと感じたミステリでしたが、もっと『紙鑑定士らしさ』が活かされる推理を期待してたなーと言うのが正直な感想。 第二弾、第三弾も出てるので、そちらで『紙鑑定士らしさ』がもっと発揮されるのを期待して、続編も読んでみようかなと思います。 ・ ・ ・ ・ ・ どんな紙でも見分けられる男・渡部が営む紙鑑定事務所。ある日そこに「紙鑑 定」を「神探偵」と勘違いした女性が、彼氏の浮気調査をしてほしいと訪ねてくる。 手がかりはプラモデルの写真一枚だけ。ダメ元で調査を始めた渡部は、伝説のプラモデル造形家・土生井(はぶい)と出会い、意外な真相にたどり着く。 さらに翌々日、行方不明の妹を捜す女性が、妹の部屋にあったジオラマを持って渡部を訪ねてくる。 土生井とともに調査を始めた渡部は、それが恐ろしい大量殺人計画を示唆していることを知り――。
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紙の専門的なトリビアが確かに面白い。こんな切り口でミステリーにできるのすごい。動機とか推理の流れが少し雑だと感じるところもあったけど、十分楽しめた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
紙と模型の専門家コンビが細かいヒントから大量殺人を食い止める展開にハラハラさせられた。最後のカーチェイス?もおり飽きさせない展開で次回作に期待!
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第18回このミス大賞受賞作品。 「紙」を鑑定するという主人公の設定が風変わりで、豆知識もあり読ませる内容となっている。 特筆すべきはその展開。専門知識を活かしたハードボイルド的展開からスピードを上げてクライマックスに至っては読む手を止められなかった。少々、盛り込みすぎかな、と興醒...
第18回このミス大賞受賞作品。 「紙」を鑑定するという主人公の設定が風変わりで、豆知識もあり読ませる内容となっている。 特筆すべきはその展開。専門知識を活かしたハードボイルド的展開からスピードを上げてクライマックスに至っては読む手を止められなかった。少々、盛り込みすぎかな、と興醒めした部分もあったが前半と後半の対比が実によかった。
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触れるだけでどんな紙でも見分けられるという紙鑑定士の渡部圭が、遭遇する数々の事件の解決に奔走する姿を描くサスペンスミステリー。シリーズ第1作。 第18回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞。 ◇ ある日、渡部圭の紙鑑定事務所に1人の女性が訪ねてきた。要...
触れるだけでどんな紙でも見分けられるという紙鑑定士の渡部圭が、遭遇する数々の事件の解決に奔走する姿を描くサスペンスミステリー。シリーズ第1作。 第18回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞。 ◇ ある日、渡部圭の紙鑑定事務所に1人の女性が訪ねてきた。要件は彼氏の浮気調査の依頼ということで、どうやら「渡部紙鑑定事務所」を「渡辺神探偵事務所」と勘違いしているらしい。それでも暇を持て余していた渡部は話を聞いてやることにした。 その女性の名は米良杏璃といい、名刺によると職業は美容師、住所は埼玉県所沢市となっている。杏璃から彼氏の浮気を疑った理由を聴いたあと、手がかりになるものを尋ねると、スマホで撮影した画像を見せてくれた。写っていたのはジオラマで、台座の上にあるのはきちんと彩色された戦車2台と兵士2人のプラモデル。最近にわかに彼氏が作り出したものだという。 紙については造詣が深い渡部だが、プラモデルについては門外漢だ。それでも成り行きで杏璃の依頼を引き受けることにした渡部だったが……。 ( 第1話「風変わりな依頼」) 全25話及びエピローグからなる。 * * * * * 紙の販売代理店を1人で営む紙鑑定士の渡部が名探偵への道を歩むきっかけが描かれる第1話。かなり軽い主人公の登場で、東直己さんの『探偵はBARにいる』を連想してしまいましたが、渡部は〈俺〉よりもさらに軽いキャラクターでした。 実はうっかり2作目から読んだため、同様のライトミステリーだろうと思い込んでいたのもあって気楽に読み進めたら大まちがいでした。 凄惨な殺人事件が起こり、大量殺人の危険を孕む本格的なサスペンスミステリーではありませんか。だから、読み出したら止まらなくなるほど面白かった。 また、このミステリーの面白さは、渡部の紙鑑定スキルだけでは事件の核心に迫ることが全くできないというところにもあります。『ガリレオ』の湯川や城塚翡翠のような神探偵にはほど遠い。それだけに思わず応援せずにはいられない。うまい設定だと思います。 だからこそ登場するのが優れた相棒です。本作では伝説のプラモデル造形家である土生井と、渡部の元カノの真理子。 知略の土生井、行動力の真理子。どちらが欠けても大量殺戮を未然に防ぐことはできなかったでしょう。 特に土生井の優秀さにはまったく舌を巻くばかりで、自宅や病室にいながらにして的確なアドバイスを渡部に送ります。その卓越した分析力と推理力は名探偵なみ。土生井の安楽椅子探偵小説と言った方がいいぐらいの大活躍でした。 出番は多くないものの真理子の活躍も大きい。ランボルギーニアヴェンタドールを時速 240㌔ ですっ飛ばし、ショベルカーを自在に操り殺人犯をぶっ飛ばす。 かくして、諸葛亮と関羽を得た劉備のごとくに、渡部は事件を自らの掌に収めたのでした。 さらにテーマもよかった。 渡部の調査が進むに連れ浮き彫りになる2つの要因。東日本大震災と児童虐待嗜好を絡め、非常に緊迫感のある展開は見事でした。実によく考えられた構成だったと思います。 先に読んだ2作目が短 ( 中? ) 編集で軽い内容だったため、この1作目の充実度の高さが余計に引き立って感じられました。 さあ、3作目はどうなるのか。とても楽しみです。
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最後のスピード感がとても良く、楽しく読むことができました。 少々マニアックな小説だと思います。 しかし。新しい知識が得られるので楽しく読む事ができました。 紙の世界もプラモの世界もおくが深いと思います。 また、色々な用紙を使用していて本でしか楽しめないところもいいですね。 ...
最後のスピード感がとても良く、楽しく読むことができました。 少々マニアックな小説だと思います。 しかし。新しい知識が得られるので楽しく読む事ができました。 紙の世界もプラモの世界もおくが深いと思います。 また、色々な用紙を使用していて本でしか楽しめないところもいいですね。 あたらしい世界を探している方にはお勧めです。
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紙鑑定士(という職業が実在するのかわからないけど)の主人公が、間違えて入ってきた女性から依頼を受けるところから始まるミステリー。残された模型から情報を読み解いていく伝説のモデラーと組んで事件を解決に導く流れが面白かった。
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タイトルから受けた期待値をどうしても上回れない――書店で単行本が売られているのを初めて見たとき、そのタイトルと遊び紙等に感じられるこだわりから、この小説はきっと面白いのだろうなとワクワクさせられたことを、今でもしっかりと覚えている。だからこそ言う。期待以上には決してならない作品で...
タイトルから受けた期待値をどうしても上回れない――書店で単行本が売られているのを初めて見たとき、そのタイトルと遊び紙等に感じられるこだわりから、この小説はきっと面白いのだろうなとワクワクさせられたことを、今でもしっかりと覚えている。だからこそ言う。期待以上には決してならない作品である。 そもそも紙鑑定士の事件ファイルという表題にもかかわらず、謎解きのメインパートは主にジオラマであり、探偵役となる人物も伝説のモデラーで、てっきり紙鑑定士という珍しい職業・その知識と経験を用いて謎を解くのかと思っていたので、正直肩透かしもいいところ。もちろんその要素が全くゼロとは言わないが、だったらモデラーがホームズ役と分かりやすい表題にした方が「え?紙鑑定士は?」とならなかったと思う。これは著者の力量というよりは、タイトルを改題した者の責任だろう(このミスのHPに掲載されている原題は「模型の家、紙の城」だった)。個人的には櫻田智也の「サーチライトと誘蛾灯」や「蟬かえる」(東京創元社刊)のような謎解きを期待していたので残念。 また、これは私が女性だから……なのかもしれないが、とにかく「おじさんが書いたもの」という主張が激しすぎたことも、続編を手に取る気にならなかった理由のひとつだ。なんというか女性作家女流作家という、そもそも作家の性別や年齢を意識した読み方はあまりしたくないので、そういった思考を持たないように気を付けているのだけれど(実際女性作家が男性名を使ったりしているのは賢明だと思うが、この先入観って何なんでしょうね)、主人公が30代でしかもわりと現代の話であるにもかかわらず、50代のおじさんみたいに見える。これで著者がおじさんじゃなかったら驚くぐらい、最後のカーチェイスなどのドラマチックさが昭和だし、というか真理子さんの存在ややりとりが昭和のトレンディすぎて、現代設定にそぐわず違和感しか覚えなかった。LINEやメールにおじさん構文というものがあるが、この小説もかなりおじさん構文。おじさんが書いていても気にならないものはたくさんある、というか作家がおじさんなのはよくある話なのだけれど、おじさんが思うカッコイイ男、みたいな主張が激しいのかなぁ…。ハードボイルドがお好きな方にはハマるのかも。 ただ、いささか古臭いものの、終盤のドラマチックさやジオラマをメインに据えた謎解きはむしろ、映像で見るとより華やかで面白いように思う。映像化したものを見てみたい。
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