清明 の商品レビュー
精神がすり減るお話がしんどくて最近ラノベ系ばかりだけど、このシリーズはいける。いろいろ面倒なことは起こるけど、竜崎さんが動じないから安心して読める。大森署の皆さんがいないのはさみしいけど、新しい場所でもさすがの竜崎さんでした。
Posted by
2021/4/12読了。 根幹を忘れると、枝葉にこだわるようになる。つまり、セクショナリズムや極端な秘密主義だ。いずれも自分が属しているコミュニティーを守ろうとする低次元の欲求から来ているのだと、竜崎は思っている。この作品は、中国人と見られる人物の殺人事件から端を発しながらも特に...
2021/4/12読了。 根幹を忘れると、枝葉にこだわるようになる。つまり、セクショナリズムや極端な秘密主義だ。いずれも自分が属しているコミュニティーを守ろうとする低次元の欲求から来ているのだと、竜崎は思っている。この作品は、中国人と見られる人物の殺人事件から端を発しながらも特に作家の矜持…前述の組織論と併せて『民主主義国としての言論の自由』や 『国家主権や人権』など原理原則に迫る竜崎の一貫した姿勢が読み手に感動を与える。警察庁官房→警視庁警察署長→神奈川県警刑事部長へ出向しるキャリア警官の物語だ。皮肉にも今の社会、組織にはもっとも必要な要素になって来ていると言える。
Posted by
相変わらずの安定感。 今回は神奈川県警に異動後の話。 東京と神奈川の境で発生した殺人事件。 被害者は中国人。その裏には中国の政府機関の影が。 でも後半の畳み方は、いつにも増して、 うまくまとめ過ぎ。
Posted by
竜崎と伊丹が神奈川県警と警視庁の刑事部長同志としてタッグを組んだ本作、当然、事件はサクサクと解決しこれまでと調子が違う。竜崎のぶれないスタイルも当初のエキセントリックさがなくなってきており、周囲も竜崎に対して物分かりが良くなっているのも少し物足りない。
Posted by
隠蔽捜査シリーズ第8弾。安定の面白さ。またもや唐変木竜崎節炸裂‼︎この男には建前と本音という概念がなく。本音の全てが原理原則にかなっている。言ってることはごもっともなのだが、何故か笑える。ドラマより小説の方が面白い。 迷ったときは、やっぱり正攻法‼︎ 警視庁と県警、刑事と公安の微...
隠蔽捜査シリーズ第8弾。安定の面白さ。またもや唐変木竜崎節炸裂‼︎この男には建前と本音という概念がなく。本音の全てが原理原則にかなっている。言ってることはごもっともなのだが、何故か笑える。ドラマより小説の方が面白い。 迷ったときは、やっぱり正攻法‼︎ 警視庁と県警、刑事と公安の微妙な壁も面白かった。 いつものように事件は最後にあっさり解決してしまうのだが、このシリーズは警察内部の駆け引きがメインなのでこれはこれでよい‼︎
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
隠蔽捜査シリーズ最新刊。神奈川県警の刑事部長に異動になった竜崎、着任早々、東京・神奈川の県境付近で殺人とみられる遺体が発見され、警視庁との合同捜査本部へ駆り出されることに。そこにはかつての盟友伊丹も、という展開。 やっぱり竜崎・伊丹のコンビじゃないとこのシリーズは話しが進みませんね。神奈川県警単独の事件では伊丹が出る幕はありませんが、両都県の県境付近での事件なら警視庁が活躍する理由になります。心憎い設定といえるでしょう。 竜崎には異動による環境の変化もなんのその、相変わらず自身の信念を貫こうとする姿勢は健在です。面倒なことは竜崎に押し付け気味な伊丹の性格もあってか、警視庁主導の捜査本部ではありましたが、いつのまにやら捜査の中心は竜崎へとシフト。 事件は公安もからむ少々スケールの大きな話しへと展開。事件の背後には中国の政府筋の組織とその秘密裡の活動が関連していることがあきらかになります。物語終盤、中国へ忖度して、マスコミへ事件の全貌を公表すべきかどうかの判断を迫られますが、ここでも竜崎イズムともいうべき指針にのっとり対処したことが結果としては“吉”と出ます。 いやはや、このシリーズを読むと忖度やつまらない配慮で事実を捻じ曲げて解釈する、公表する(≒隠蔽する)ことは得策ではなく、つねに公明正大であろうとすることは大事だよなと思わされます。まぁ、周囲の人たちがどう評価・行動するかにもよりますが、なかなか竜崎のような泰然自若とした態度をとることは難しいのです…。 本シリーズを読み始めた時期が遅かったため、既刊であった7作目までは一気に読み切り、この最新刊が出るまで少し間が開いてしまい久々の竜崎作品となりました。この間、安積シリーズや樋口シリーズを読んできましたが、竜崎の役職もあいまって、本シリーズでの捜査への関わり方は”現場”とはちょっと離れた位置でのそれなんですね。元県警OBを味方に引き込み、中華街で華僑の大物とも交渉するあたりは、その最たるものといえるでしょう。 それにしても県警本部の参事官の態度は、竜崎はまだその真意を測りかねているようですが、たぶん竜崎への忠誠心にあふれたものではないか、次作あたりで明らかになるのでは、と予測。 また、このところ、「回帰(樋口シリーズ)」「同期(同期シリーズ)」を立て続けに読んでおり、そのいずれにも公安が登場するため、なんだかアタマの中がこんがらがってしまいます、どの作品がどの話しだったか…。
Posted by
久しぶりに読んだ隠蔽捜査シリーズ。 相変わらずの真面目な竜崎に笑ってしまった。 誰が相手でも、どういう捜査でも真っ直ぐ意見を ぶつけ合うところ、少し自分に似ている。 本来それでは生きにくいはずだけど 周りに良い影響を及ぼして事件解決につながっているところが 読んでいて気持ちが良い...
久しぶりに読んだ隠蔽捜査シリーズ。 相変わらずの真面目な竜崎に笑ってしまった。 誰が相手でも、どういう捜査でも真っ直ぐ意見を ぶつけ合うところ、少し自分に似ている。 本来それでは生きにくいはずだけど 周りに良い影響を及ぼして事件解決につながっているところが 読んでいて気持ちが良い。 読みながら、ストーリーにでてくる福富町とか 町田市のあたりを地図で調べてしまった。
Posted by
題の「清明」は杜牧の有名な七言絶句 清明時節雨紛紛 路上行人欲斷魂 借問酒屋何處有 牧童遙指杏花村 からとられている。「清明」とは、すがすがしく明るい春のことをいう。この小説もそんな風にすがすがしく終わるのである。それは新たに神奈川県警刑事部長になった主人公の竜崎伸也の人...
題の「清明」は杜牧の有名な七言絶句 清明時節雨紛紛 路上行人欲斷魂 借問酒屋何處有 牧童遙指杏花村 からとられている。「清明」とは、すがすがしく明るい春のことをいう。この小説もそんな風にすがすがしく終わるのである。それは新たに神奈川県警刑事部長になった主人公の竜崎伸也の人柄に依っているだろう。隠蔽捜査シリーズの8巻に当たるが、建て前よりも本音を大切にし、その真っすぐな言動によって、最初は反発していた相手さえ最後には親派にしてしまうという画期的な人物を創造したものだ。今回も、中国政府の諜報委員が絡んだ殺人を、よけいな国際事情になんかに左右されずに解決して、はっきりと国民に詳細を明らかにする。確かに中国親派の政治家などに影響されていろいろなことをうやむやにするので中国政府に日本が舐められてしまうのである。この小説でも「中国では今でも民主化を叫ぶ人々を弾圧し、異民族を弾圧している」と批判しているが、殺人事件の被害者は中国で民主化運動をして弾圧され日本に密入国していて、見せしめのため殺されたのだ。
Posted by
今野敏さんは本当に安心して読むことができます。疲れてる時にピッタリ。竜崎さんの真っ直ぐなところは毎回見習わなきゃと思わされます。なかなか身につきませんが。 そして最近読んだ本もそうなのですが、中国と言う国に対して、不信感が募るばかりでした。
Posted by
シリーズ8冊目読了 神奈川県警刑事部長に異動後の作品。 舞台は警視庁との合同捜査で、伊丹と臨席し捜査を進めることに・・・・ いつもと同じように原理原則を軸に行動していく竜崎だが、相手への気持ちを汲み取るよう配慮する気持ちや、伊丹からのアドバイスに耳を傾けたりと、少し大人になった...
シリーズ8冊目読了 神奈川県警刑事部長に異動後の作品。 舞台は警視庁との合同捜査で、伊丹と臨席し捜査を進めることに・・・・ いつもと同じように原理原則を軸に行動していく竜崎だが、相手への気持ちを汲み取るよう配慮する気持ちや、伊丹からのアドバイスに耳を傾けたりと、少し大人になった印象がある。決して阿たりする訳ではないんだけど、とても良い。 犯人を捕まえる過程については普通だが、竜崎や妻冴子、伊丹は味があり作品の魅力だと思う。 作中、竜崎の言葉に伊丹が解説する場面は、竜崎本人よりも分析ができていて面白かった。 他に県警の参事官は、敵なのか味方なのか微妙であり、今後の展開を含め、どう変化していくのか楽しみ。
Posted by