THIS IS JAPAN ―英国保育士が見た日本― の商品レビュー
英国暮らしの日本人の著者による日本と英国等ヨーロッパの社会の違いをであった人々を描くことで伝える。左、右と普段日本人はそれほど考えていなかったかも。保育園に対する思い、ソーシャルワークの果たすべき役割、衰退する日本に未来に変革は起こせるのか?
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貧困とか不労者とかそんな人日本で見たことないんじゃないあなたたちが見ないんだよ。 いや性格には自分たちの周りにいないと信じているのが正しいんだと思う。英国では自分は労働者階級だとアイデンティティのように名乗るし、権利ならいくらでも主張できるけど、日本で貧乏な人は自分のことを貧乏...
貧困とか不労者とかそんな人日本で見たことないんじゃないあなたたちが見ないんだよ。 いや性格には自分たちの周りにいないと信じているのが正しいんだと思う。英国では自分は労働者階級だとアイデンティティのように名乗るし、権利ならいくらでも主張できるけど、日本で貧乏な人は自分のことを貧乏だと言わないし(そもそも言えない)人権があるのにないものとして人が消化できてしまう。そういう人はいたって普通の人とは違うのが当たり前なのに普通じゃないを異常だと思えてしまうのだろう。 そんな異常とされてきた人々をここ日本で認識するべく書かれた渾身の一冊である。 悪いのは政府か国民の意識か、それとも時代か? 近現代の日本で存在する議題では読者(つまり自分)の意識の低さを感じたし、そもそもこの国を動かすのは誰なんだろうかとなってしまう。 子供にお金はかけないし、そもそもお金で解決してしまうべきことでもない気がするのは私だけじゃないはず、この国を動かすのは本来国民のはず、政府がそれに応えていかなきゃいけないのだが、果たしてどの国がそれを上手く活用できているのだろうか。 これは日本、イギリス、世界に繋がる経世済民の話であると私は考えます。
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著者がこの本に込めた思いとは多分そぐわないんだけど、読み終わった最初の感想が、「ああ、レンホーさんこの本読んでないな」だった。都知事選が終わって、彼女の陣営から「なぜ負けたのか判らない」的なコメントが出てたけど、もしこの本読んでたら、必然的に負けたことが良く判ってしまうのである。
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この本を読むと、英国は政治のスピード感が日本と全然違うと感じた。良くも悪くも選んだ政治家の政策がすぐに生活に影響を及ぼすので、皆が真剣に政治に向き合う必要があるのだと思った。日本もそうなって欲しいが、どれだけ政治家が国民をナメていてもおとなしくする国民性なので難しい気がする。
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イギリスで保育士をしているブレイディみかこさんが日本に長期滞在して草の根活動家たちを訪ねて見つめた日本の姿 貧困。 人権。 デモ。 イギリスや他のヨーロッパ諸国と比較することで、問題が見えやすくなっていろいろと考えさせられました。 特に、幼児教育に関わっている身として、ブレイ...
イギリスで保育士をしているブレイディみかこさんが日本に長期滞在して草の根活動家たちを訪ねて見つめた日本の姿 貧困。 人権。 デモ。 イギリスや他のヨーロッパ諸国と比較することで、問題が見えやすくなっていろいろと考えさせられました。 特に、幼児教育に関わっている身として、ブレイディみかこさんの保育士としての視点にすごく共感したり、気づくことがありました。 特に、自主保育の会の子どもたちと路上生活の方との自然な交流の様子は心にぐっときました。
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はぁ。勉強になりすぎて辛い。ナントカ主義の意味さえわからずに読み進めたけど、迫り来る焦り、あ、日本ってほんとに貧しいんだ、、目を伏せてるだけなんだ、、と刺さりました。この本の中で、今の若者と言われてるまさにその像が自分すぎて苦しい。けど、みかこさんが語りかけてくれるから、本として...
はぁ。勉強になりすぎて辛い。ナントカ主義の意味さえわからずに読み進めたけど、迫り来る焦り、あ、日本ってほんとに貧しいんだ、、目を伏せてるだけなんだ、、と刺さりました。この本の中で、今の若者と言われてるまさにその像が自分すぎて苦しい。けど、みかこさんが語りかけてくれるから、本としてとても読みやすい。
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イギリスと日本の労働者や貧困問題の違いはもちろん、両国の人権の捉え方、保育の違いについてグサグサと来た。今日本で保育園を利用している私は、日本の保育園の「感じてはいたけど直視したくなかった悪いところ」を改めて考えさせられた。政治などに疎いので、少し難しく感じるところもあり、もう一...
イギリスと日本の労働者や貧困問題の違いはもちろん、両国の人権の捉え方、保育の違いについてグサグサと来た。今日本で保育園を利用している私は、日本の保育園の「感じてはいたけど直視したくなかった悪いところ」を改めて考えさせられた。政治などに疎いので、少し難しく感じるところもあり、もう一度ちゃんと読まないといけないとは思う。
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イギリスで実際に保育士をしている作者、20年振りに日本へ帰国しての取材から、まさに生活者の目線で、日本とイギリスの政治、行政、保育環境から貧困、格差、ひいては人権意識まで、その違いを論じていて、多くの事を感じ、学んだ。 以下それらのポイントを列挙。 ・ミクロからマクロへ、手元の...
イギリスで実際に保育士をしている作者、20年振りに日本へ帰国しての取材から、まさに生活者の目線で、日本とイギリスの政治、行政、保育環境から貧困、格差、ひいては人権意識まで、その違いを論じていて、多くの事を感じ、学んだ。 以下それらのポイントを列挙。 ・ミクロからマクロへ、手元の出来事から政治へ、半径5メートル内で起きていることを国会に持ち込めということだ。なぜなら、いまはマクロをやっている人たちにミクロが全然見えていない時代だから。 ・新自由主義とグローバル資本主義の結果として、もはや世界は「右」と「左」ではなく、「上」と「下」に分かれてしまった。 ・「中東やアフリカから欧州にせりあがって来ている人々は、資金、英語力などのスキルと能力、危険に晒される移動の旅に耐えられる体力と気力を持ったひとたち」で、「欧州の競争社会で疲弊した人々」は、そんなニューカマーを「仕事を取られる」「自分はあの人たちに負けるかも」という危機感を抱く。トランプ現象やブレグジットに通底しているのは、こんな「下」の人々の排外的思想がポピュラーとなった正にポピュリズムなんだろうか。 ・日本とイギリスの保育士の配置基準の違いはヤバい。保育士1人で面倒見る子供の数:0歳児=日本3人(イギリス3人)、1歳児=6(3)、2歳児=6(4)、3歳児=20(8)、4歳児=30(8)、5歳児=30(就学で対象外)。特に3歳児からの差が大きく、これによって保育士が子供に対してしてあげられる事の差が大きくなる。日本では(イギリスの保育士である著者が見て)「積極的に子供たちと何かをしているというよりは、何事も起こらないように全体を監視しているという感じ」なのに対し、イギリスでは保育士の資格取得コースにおいて、決断力とは後天的スキルであり子供に失敗も含め経験を積み重ねる事の重要性だったり、創造力とは「他人とは違うことをやってみたい」と思うところから目覚める、といった事を学んで実践している、という。この差は大きい! ・「幼児を大人の経済活動の邪魔になる厄介者と見なす政治」と、「人間の脳がもっとも成長する重要な数年間を生きている小さな人々として幼児を認識し、社会全体で彼らを支え、国の将来を担う人たちのポテンシャルを最大限に伸ばすために投資する政治」。日本の保育環境(考え方・政策・施設とその設置環境・監督行政・法律の有無などなど)は前者、イギリスは政権によって変化あるも後者なんだそうで、これは実に残念過ぎる現実。 ・横浜のドヤ街を回った著者の感じる横浜とイギリスのホームレスの人たちの違い。横浜のホームレスは「別に酒臭い息をはいてふらふらしているわけでも、充血した目でへらへら笑っているわけでもない。まじめにひっそりと真冬の夜の路上で寝ている高齢のお爺ちゃんたちだった。〜〜彼らは働いても布団の上では眠れないのだという。」 ・人権意識の日本とイギリスの違い。「そもそも、著しい貧困は人の尊厳を損なうものであり、そのことを社会が放置することの人権的な問題は教えられていないのだろうか。〜貧困をつくりだす政治や経済システムもまた人権課題なのである。」「英国人にとって「貧困の時代」は「貧しくとも民衆が粛々と生きた健気な時代」ではなく、「民衆が踏み躙られたていた間違った時代」なのである。」 エピローグにて、ここ迄は日英の保育問題周辺の法律や制度で、どちらかというと日本のそれが未整備で足りていないのではとの論調で来ていた作者が、法や制度と無関係に運営されているというイギリスではありえない「自主保育」の会 野毛風の子にて、加藤さんというホームレスの人と子供達とが戯れそれを遠巻きに眺める母親たちという図を見て、感極まってしまう場面は実に印象的だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読み始めてから時間が経ったけどようやく読み終わった。 保育園に子どもを預けるようになり、保育園の存在が生活にはなくてはならないものになったから、英国保育士のお話しにはとても興味を持ったところだった。 ところが、日本の保育事情の問題のみならず、 普通だそんなものだと関心を持っていなかった日本人の意識や社会の現状に危機を感じながら読み進んでいった。 急速な意識改革が求められるジェンダー課題や理解しがたい異次元政策。日本の現状に危機感を持ってはいたが、数年前に書かれた本で的確に日本の危機、衰退が指摘されている。 権利は平等にある。義務は政治が負う。 今の子どもたちにどのように教えてあげればいいのかとても難しい。
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日本は、欧米諸国と比べて人権の意識が少ないといのが印象的だった。 保育園やホームレスの現状など、自分は知らないことがまだまだ多く、勉強する必要があると思った。 草の根や、グラスルーツの活動についても、知らない。社会人として働くようになったら、尚更そういうことを気にする時間もなく...
日本は、欧米諸国と比べて人権の意識が少ないといのが印象的だった。 保育園やホームレスの現状など、自分は知らないことがまだまだ多く、勉強する必要があると思った。 草の根や、グラスルーツの活動についても、知らない。社会人として働くようになったら、尚更そういうことを気にする時間もなくなってしまうだろうし、学生のうちにそういった活動に携わりたいと思った。
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