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息吹 の商品レビュー

4.3

135件のお客様レビュー

  1. 5つ

    55

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2021/03/26

あなたの人生の物語に続いて二冊目のテッド・チャン作品 今回も短編集です。 テッド・チャンの作品は巻末に作者による作品解説? が入るので、ネタバレを厭わない人は巻末の作者の解説を 読んでから本編に入ってもいいかも。 設定や作者の意図や物語の設定がより理解しやすくなる、気がする ...

あなたの人生の物語に続いて二冊目のテッド・チャン作品 今回も短編集です。 テッド・チャンの作品は巻末に作者による作品解説? が入るので、ネタバレを厭わない人は巻末の作者の解説を 読んでから本編に入ってもいいかも。 設定や作者の意図や物語の設定がより理解しやすくなる、気がする 表題作「息吹」(アンドロイドは電気羊の夢をみるか、を少し思い出させる。※話は全然似てないです)と偽りのない事実、偽りのない気持ちが特に面白かったです。

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2021/03/22

テッド・チャンの作品は好きだけど、前作の『あなたの人生の物語』の頃から非常に読み易い作品と非常に読み難い作品の二極化が激しい。 「商人と錬金術師の門」と「大いなる沈黙」がお気に入り。 未来は改変出来ないというのがテッド・チャンのスタンスであるが、「商人と錬金術師の門」では過去を知...

テッド・チャンの作品は好きだけど、前作の『あなたの人生の物語』の頃から非常に読み易い作品と非常に読み難い作品の二極化が激しい。 「商人と錬金術師の門」と「大いなる沈黙」がお気に入り。 未来は改変出来ないというのがテッド・チャンのスタンスであるが、「商人と錬金術師の門」では過去を知る幸せを描いている。

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2021/02/13

短篇集。中篇くらいのものもある。自由意志、仮想現実、AI、決定論などをテーマとしたSF短篇。とはいえ自分の日々を見返してしまうような読後感がある。 はじめの二篇が個人的に好き。 「商人と錬金術師の門」は、タイムトラベルをしても過去は変えられないという内容でとても読みやすい。変え...

短篇集。中篇くらいのものもある。自由意志、仮想現実、AI、決定論などをテーマとしたSF短篇。とはいえ自分の日々を見返してしまうような読後感がある。 はじめの二篇が個人的に好き。 「商人と錬金術師の門」は、タイムトラベルをしても過去は変えられないという内容でとても読みやすい。変えられない過去を深く理解することがどれだけ登場人物を救ったか、その書かれ方がとてもよかった。 表題作の「息吹」は世界の真理を解き明かし、世界の危機とその希望を綴っているという内容。世界とも関係してくる「息吹」というタイトル、よいなぁ… 様々なパラレル世界でそれぞれの世界の私たちの行動について考えるとき、私たちの行動は決して一つ一つが無意味なものではなく、そのときどきの私たちの選択によって時間をかけて私たち人間はつくられていく、という作品もあった。とても好き。 SFって世界への絶望や虚無を感じさせるものではなく、人間というものを改めて考えさせられるよなぁ…と読んでいて感じた。

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2021/02/01

SF。短編集。 「オムファロス」は2週間前に既読のためスルー。 量子力学もの「不安は自由のめまい」は難しくて挫折。 タイムトラベルもの「商人と錬金術師の門」、AI育成中編「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」が好み。 「偽りのない事実、偽りのない気持ち」のジジンギのパート...

SF。短編集。 「オムファロス」は2週間前に既読のためスルー。 量子力学もの「不安は自由のめまい」は難しくて挫折。 タイムトラベルもの「商人と錬金術師の門」、AI育成中編「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」が好み。 「偽りのない事実、偽りのない気持ち」のジジンギのパートの世界観も印象的。 高水準の作品集であることは確か。 個人的には、著者の作品では「あなたの人生の物語」がベスト、という評価は変わらず。

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2021/01/28

この著者は地球外の生命や文化を描くのが本当にうまくて、人間とは全く違うはずなのに、読後は感情が激しく揺さぶられる。 生命は小さく、悩み迷い続ける存在だけど、それでも意味があるのかもと思える。 読後にかすかな光が感じられて好き。

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2021/01/27

特に気に入ったのは2篇。 「商人と錬金術師の門」はカイロとバグダットを舞台にしたタイムトラベルもの。過去も未来も改変できないながらも、物語を生きることによって救済を得る。 「不安は自由なめまい」は並行世界を描いた作品。プリズムと呼ばれる装置を使って恐らくは量子的な重なりにある...

特に気に入ったのは2篇。 「商人と錬金術師の門」はカイロとバグダットを舞台にしたタイムトラベルもの。過去も未来も改変できないながらも、物語を生きることによって救済を得る。 「不安は自由なめまい」は並行世界を描いた作品。プリズムと呼ばれる装置を使って恐らくは量子的な重なりにある他のあり得た可能性にアクセスできる世界の話。他の並行世界の自分を羨んだり、プリズム依存症を救う共助グループがあったりと世界観の書き込みも説得力があり、どっぷり没入。全てがありえたならこの一瞬において選択にどんな意味が宿るのか?という問いにおいてあくまでも自分のベストバージョンを目指そうという希望にも溢れている。

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2021/01/12

前作からは17年ぶりの二作品目とのこと。確かに次作は15年以内に読みたいものだ笑 『あなたの人生の物語』は好きな作品もありつつ、そこまで刺さらないものもあったのだけれど、今作の方がよっぽど自分の物語に近いなあと感じられて、好きだった。 テッド・チャンの作品はどれも、目の付け所がな...

前作からは17年ぶりの二作品目とのこと。確かに次作は15年以内に読みたいものだ笑 『あなたの人生の物語』は好きな作品もありつつ、そこまで刺さらないものもあったのだけれど、今作の方がよっぽど自分の物語に近いなあと感じられて、好きだった。 テッド・チャンの作品はどれも、目の付け所がなるほどなあ、すごいなあと思う作品ばかりなので、寡作の分、作品全てが宝石という、質の高い作家だなあ。 話として好きだったのは「偽りのない事実、偽りのない気持ち」、「予期される未来」、「デイジー式全自動ナニー」あたりで、とはいえ唸ったのは「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」、「商人と錬金術師の門」あたりかな。少しプレイして放り投げてるゲームの中のキャラクターは、私のことを待っているのだろうか....

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2020/12/25

 待望のテッド・チャンの第2短編集。  「商人と錬金術師の門」はタイム・トラヴェルもので、過去も未来も改変できないという世界観。アイディア自体は古参のSFファンには陳腐といっていいかもしれない。しかし物語は何を語るかではなく、いかに語るが重要だと痛感させてくれる作品。舞台を中世...

 待望のテッド・チャンの第2短編集。  「商人と錬金術師の門」はタイム・トラヴェルもので、過去も未来も改変できないという世界観。アイディア自体は古参のSFファンには陳腐といっていいかもしれない。しかし物語は何を語るかではなく、いかに語るが重要だと痛感させてくれる作品。舞台を中世イスラム世界に持っていって……あとはどうぞお読みください。  「息吹」。みんな毎日、空気で満たされた肺を入れ替えているけど……などと始まるので、ロボットが自身をロボットと知らずに暮らしている世界かと思いきや、話は量子論を踏まえた宇宙論に。  「予期される未来」。予言機とは、車の電子キーのようなもので、ボタンを押す前にランプが光るもの。なるほど予言機だ。そして予言機を出し抜くことはできない。ということは自由意志は否定され……という掌品。予言機というささやかなアイディアがあれよという間に行き着くところまで行く。  「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」、テッド・チャン最長作品。デジタル生命、ディジエンスをヴァーチャル世界で教育し、販売するというプロジェクトから話は始まると、このディジエンスが暴走して、といってパニック映画みたいなものを身構えるが、そうはならない。人気が衰え、別のヴァーチャル・プラットフォームが開発され、というようにライフサイクルを描いてくのだ。  「偽りのない真実、偽りのない気持ち」もテクノロジーの進歩もの。記憶とヴィデオ・ライフログとの衝突を口承文化と文字文化の衝突の歴史にからめ、真実の物語性と物語の真実性を謳う。  「大いなる沈黙」。アレシボ天文台(先日、崩壊した)が宇宙に耳を凝らしても宇宙人からの語りかけはない。だが、私たちの身のまわりでも……  世界が数千年前に神によって創造されたという証拠のある、そんな世界で信仰と科学の妥協に悩む「オムファロス」。  「不安は自由のめまい」。私たちが何か決断する度に、Aを選んだ世界とBを選んだ世界に分かれていく。その別の世界の自分と会話できる装置が普及した時代。あらゆる選択の可能性が多世界解釈によって保証されたとき、どれを選ぶかという自由意志はどうなるかというとても倫理的な作品。  さて、第三短編集を待つとするか。じっくりと……

Posted byブクログ

2020/12/08

評判が良かったので読んでみた。最初の「商人と錬金術師の門」ではまって、わくわくしながら読み進めたものの途中から頭がついていかなくなった…。それでも素晴らしいSF。翻訳も良かったのだと思う。「メッセージ」の原作も読んでみたい。

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2020/11/23

ジャンルはSF小説なんでしょう。色んな長さの短編集。そして話題は多岐に渡る。SFに明るくないけど、問題提起はいいなと思った。もしも…は人間の思想の常なんでしょう。 私が気に入ったのは、初めの、「商人と錬金術師の門」と「デイシー式全自動ナニー」、「偽りのない事実、偽りのない気持ち...

ジャンルはSF小説なんでしょう。色んな長さの短編集。そして話題は多岐に渡る。SFに明るくないけど、問題提起はいいなと思った。もしも…は人間の思想の常なんでしょう。 私が気に入ったのは、初めの、「商人と錬金術師の門」と「デイシー式全自動ナニー」、「偽りのない事実、偽りのない気持ち」、「不安は自由のめまい」 過去に立ち返っても未来は変えることができないが、気持ちの平安は取り戻せた、それが何者にも変え難い話。 機械が子育てすることを現実化してみたら…?まぁ、「誰でもできる事」と某大臣も言った事ですしね。 「宣誓!我々は…」とやりますが、個人の生活まで常にログをとってビデオ判定し、事実を追求するのが果たして良い事なのか…?思い違い、物忘れ、許す事。 プリズム…有り得たかもしれない他の人生。分岐。現在の自分より良い人生のパラレルの自分に嫉妬する?他の道も選べた…のだろうか?

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