わたしの美しい庭 の商品レビュー
舞台は、屋上に「御建神社」があるマンションに住む本当の親子ではない親子と、それに関わる住民の話。 本当の親子ではない、統理と百音。隣に住むゲイの路有、昔の恋人を忘れられない独身の桃子。 みんなそれぞれに悩みを持っていたり、マイノリティとして生きている。 他人だからこそ、踏み入らな...
舞台は、屋上に「御建神社」があるマンションに住む本当の親子ではない親子と、それに関わる住民の話。 本当の親子ではない、統理と百音。隣に住むゲイの路有、昔の恋人を忘れられない独身の桃子。 みんなそれぞれに悩みを持っていたり、マイノリティとして生きている。 他人だからこそ、踏み入らない領域を大切にしていて、お互いに心地よい関係。 そうなるまでには、それぞれが辛い経験をしていて、他人の痛みをわかってあげられることができたからなのだろう。 少しずつ前を向いて、進んでいこうと思える作品。
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多様性の受容をテーマとして書かれた本。とてもやさしい本でした。当たり前だけど人は一人一人違うもの。感じ方考え方の違いも全て飲み込める位の広い心を持ちたいけど、きっとこれは神様仏様でもなければ無理。だけど、頭から否定したり排除したりするような人間にはなりたくと思います。日本人は排他...
多様性の受容をテーマとして書かれた本。とてもやさしい本でした。当たり前だけど人は一人一人違うもの。感じ方考え方の違いも全て飲み込める位の広い心を持ちたいけど、きっとこれは神様仏様でもなければ無理。だけど、頭から否定したり排除したりするような人間にはなりたくと思います。日本人は排他的な思想の人が人種的に多い気がする。その上マイノリティに対して後進国な日本の中で、理解しようとしたり気持ちに寄り添おうとする位の気持ちを持てる人間が増えればもっと生きやすい世の中になるんじゃないかな。個を大事にしたい。 桃子さんの言葉 「けれどそういうわたしを、わたしだけは受け入れてあげようと思う。~誰かに証す必要なんてなく、わたしはわたしを生きていけばいい」 統理君が路有君にかけた言葉 「かけた情けは巡り巡って自らに返ってくる。同じように悪い行いもいつかなにかの形で自分に返ってくる。だから誰かを呪うことで無駄に自分を傷つけるな」 私も統理君のような、周りに流されることなく、自分が幸せならそれが真実だと貫き通せる芯の通った人間になりたいと思いました。
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題名から想像していたものもは全然違うものだったが、いい意味で裏切られた。 心の描写がどのエピソードもストンストンと落ちてはまる。 特に、あの稲妻が好き。 桃子が坂口くんを想い続ける気持ちが胸に響く。
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美しい庭の中で、穏やかに読んだ。 私の頭の中で、登場人物、特に桃子さんと統理さんが、ゆっくりとした話し方をしていた。 最近、早口に話している気がする、大事なことこそゆっくりした速度で話すように心がけたい。
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美しく穏やかなファンタジーの世界。そしてバトンは渡されたと似た読後感でした。桃子ちゃんのお話、先が読めている少女漫画的展開であるにも関わらず、気づけば泣いていました。登場人物というより、誰かに手を引かれるように物語に没入できる文章が好き。凪良ゆうさん一作目なので、他にも読んでみた...
美しく穏やかなファンタジーの世界。そしてバトンは渡されたと似た読後感でした。桃子ちゃんのお話、先が読めている少女漫画的展開であるにも関わらず、気づけば泣いていました。登場人物というより、誰かに手を引かれるように物語に没入できる文章が好き。凪良ゆうさん一作目なので、他にも読んでみたいです。
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世間の'当たり前'に縛られて生きてること多いなって気付かされた。 頑張ってる自分も、怠けてる自分も、どんな自分も!受け入れて好きでいたいなって思います! 心穏やかになる素敵すぎる本だった。
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凪良ゆう 4作品目読了 今まで読んだ作品は 読みやすい文章はもちろんだが、読者が驚く設定だったり、グロ過ぎてついていくのがやっとだったりと いつもななめ上をいく作品だった。 今回の「わたしの美しい庭」と(きれいで優しい題だが騙されないぞ)と思いながら手に取った。 舞台は屋上に「...
凪良ゆう 4作品目読了 今まで読んだ作品は 読みやすい文章はもちろんだが、読者が驚く設定だったり、グロ過ぎてついていくのがやっとだったりと いつもななめ上をいく作品だった。 今回の「わたしの美しい庭」と(きれいで優しい題だが騙されないぞ)と思いながら手に取った。 舞台は屋上に「御太刀神社」(通称 縁切りさん)があるマンション このマンションに住む(元住人も)人たちの様々な人間模様が織りなす連作小説だ 神社の神主でマンションオーナーである統理は、元妻が亡くなったので、「なさぬ仲」の元妻の娘 百音を育てている 食事作りを担当しているのは 隣に住むゲイで移動バーを経営する 路有 そして このマンションに母と住む 高校時代付き合った彼を想っていまだ独身の39歳 桃子 (普通)を当たり前とした世間の目が 彼らの生活にやわらかな棘をさしていく。 それでも 自分に関わる人たちを包み込み 守りながら生きていく住人達 住人たちの人生はそれぞれ問題はあるものの 優しくまっすぐに生きている感じが清々しい。あぁ 今回は思いっきり共感し、頷きながら楽しく読むことができた。 作品のあちこちでけっこう いいことを言っているので、心がちょっと疲れている人 手に取ってみると いいですよ。
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ずっと積読本になっていたのを急に読みたくなって読んでみたらとても好きなお話でした。 登場人物もいろんな境遇の人が出てきてそれぞれ悩みや不安を抱えながら、乗り越えたり受け入れたりして少しずつ前を向いて生きてるのがいい。 ほっこり暖かいお話。 もっと早く読めば良かったなぁ。
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凪良さんの小説は苦しいことも辛いことも組み込まれているのに、読み終えたあとは暖かい気持ちになってる。百音と統理、路有の関係も素敵だなと思うし、基くん、桃子さん、みんなそれぞれに不安や心の傷を持っているけど、その不安や傷にもきちんと目を向けて認めて決断して、しっかりとした気持ちを持...
凪良さんの小説は苦しいことも辛いことも組み込まれているのに、読み終えたあとは暖かい気持ちになってる。百音と統理、路有の関係も素敵だなと思うし、基くん、桃子さん、みんなそれぞれに不安や心の傷を持っているけど、その不安や傷にもきちんと目を向けて認めて決断して、しっかりとした気持ちを持って生きている姿に勇気をもらえる。そんなお話でした
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
“多様化”を感じられた作品だった、と言ってしまえばそれまでだが、それよりもっと深い部分で感情が揺すぶられた。 表紙から、心が癒される物語であると予想していた。 読み始めは、穏やかな日常を疑似体験できるのかと楽しんでいたが、途中から胸がザワつき始め、読後は人生の考え方が変わってしまった。 こんなに影響力がある作品だとは思っていなかった。 いい意味で裏切られたと思う。 それぞれの人生が時折重なり、影響し合う。 生きている世界の小ささを、リアルに描いていると思った。 自分の意思なく殻を被らされて、毎日をそれなりに生きている人が多いのだろうか。 亡き恋人を一途に想い続ける登場人物に同情し、涙が溢れた。 それも、恩着せがましいのだろうか。 人には人の事情があって、誰しも悩みや未来への不安がある。 終始、ひとりじゃないよと言われているようだった。 自分にしか歩めない人生を、全力で生きようと思えた。
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