騙し絵の牙 の商品レビュー
小説を愛し、物語を作ることが宿命のような男の話。 斜陽産業である出版業界の変化にあらがっていくような話かと思ったら、タイトル通り、「このままでは終わらないだろうな」というところからの急展開。エピローグで語られる速水の過去が、これまでの速水の行動や思考を裏付けていく。 大泉洋をア...
小説を愛し、物語を作ることが宿命のような男の話。 斜陽産業である出版業界の変化にあらがっていくような話かと思ったら、タイトル通り、「このままでは終わらないだろうな」というところからの急展開。エピローグで語られる速水の過去が、これまでの速水の行動や思考を裏付けていく。 大泉洋をアテレコして書かれたというだけある。計算してふざけ、真面目と愛嬌を行ったり来たりする主人公はまさに大泉洋。普段はあまり映像化された作品を観たいと思わないんだけど、この作品は映像化された作品を観てみたいと思った。
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大泉洋さんありきで当て書きされた本作品、雑誌の存続をかけて奔走する編集者として、小説の中の速水がそのまま大泉洋さんのキャラクターをまとっているのが面白かったです。編集者の大変な苦労や思いなど、出版業界を垣間見るような部分と編集者速水の人生に迫るような後半に一気読みしました。映画化...
大泉洋さんありきで当て書きされた本作品、雑誌の存続をかけて奔走する編集者として、小説の中の速水がそのまま大泉洋さんのキャラクターをまとっているのが面白かったです。編集者の大変な苦労や思いなど、出版業界を垣間見るような部分と編集者速水の人生に迫るような後半に一気読みしました。映画化の話も進んでいるようなので、早く映像として観たいという思いもあります。この本も図書館で借りて読みましたが、紙の本の存続のためにも自分でお金を出して買わなきゃな…と改めて思う作品でもありました。
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「人たらし」が印象に残り 面白かったです 速水の地道な努力(語学力)やコミュニケーションの高さ信頼関係が生まれ強者! 大きな紙面を一枚一枚めくりながら色々な情報を楽しめる雑誌が好き。お気に入りの雑誌が廃刊になり驚いた時もあり 時代の流れを感じます。
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確かに騙されましたが、全く騙された感じがしない 憎らしくない、爽快かつ温かい、というか熱い 小説については勝手に好きなようにキャスティングして読むことがたまにある この作品は俳優ありきの主人公ということで、なにそれめちゃめちゃ面白いじゃんってなりました 出版を受けてみたいから...
確かに騙されましたが、全く騙された感じがしない 憎らしくない、爽快かつ温かい、というか熱い 小説については勝手に好きなようにキャスティングして読むことがたまにある この作品は俳優ありきの主人公ということで、なにそれめちゃめちゃ面白いじゃんってなりました 出版を受けてみたいから勉強と思って気軽に手に取ったらちゃんと感動もさせてくれる 作家さんの取材力、知識量半端ないと思いました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
映画の予告編で、騙されてしまった。(映画と原作とは違うらしいが…)そして想う。「騙し絵」とは「牙」とは。速水は誰を騙したのか、と。 「あいつは騙し絵みたいなもんや」「みんな認めたくないんや。速水輝也に裏の顔があったことを」と語る。しかし、本当に”裏”なのか、騙したのかと疑問に思う。きっと、編集者として作品を作り上げたい、だけの気がする。それが、今の出版社では実現できなかっただけに過ぎない。 ネットが社会インフラの中心になった今、既存の業種、企業は須らく転換期を迎えている。出版もTVもきっとそうなのでしょう。単に活字離れや出版不況、デジタル対応だけでなく、何のために出版社があるのかを問われている。その答えの一つを速水が提示した、と。 「利益も大切だが、出版社には読者におもしろいものを届けるという使命があるはず」速水が語る。不況と嘆くより、大人が本を読まなくなった理由を、本を読むような工夫を、もっと、考えるべきではないでしょうか。ネットを使って。 最後に、解説のページで、「俺なら、もうちょい」と語る場面がある。思い入れがあるせいかもしれないけど、役者さんの奥深さを実感した。映画を観損なって、残念です。
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出版社薫風社で、総合雑誌『トリニティ』の編集長を務める速水。情報誌の中に、大御所小説家の小説を残しつつ、かつ売上を維持するという難題に直面していた。そんな折、同社の小説雑誌が廃刊に。雑誌への風当たりも強くなり、電子化への圧力がかかるようになった。 表紙から映画から解説まで大泉洋...
出版社薫風社で、総合雑誌『トリニティ』の編集長を務める速水。情報誌の中に、大御所小説家の小説を残しつつ、かつ売上を維持するという難題に直面していた。そんな折、同社の小説雑誌が廃刊に。雑誌への風当たりも強くなり、電子化への圧力がかかるようになった。 表紙から映画から解説まで大泉洋という本である。塩田武士自身が大泉洋で「当て書き」したという作品で、速水がのっけからお調子者で、皆から愛されるという大泉洋風に描かれている。 Amazon等ではミステリジャンルということになっているが、ほとんどの部分は編集長というお仕事小説であり、大泉洋用のドラマ・舞台用の戯曲というところ。家庭でゴタゴタが有ったりはするが、ものすごく大きな事件が有るわけではない。 かと言って、飽きさせるわけではなく、密度の濃い状態で次から次へと小さな課題を乗り越えていくという小説である。終盤までは。 中盤以降、大泉を期待しすぎて、速水に必要以上にモノマネをさせてみたり、くせ毛をネタにしてみたり、くだらないAVの話を振らせてみたりと、ちょっとやりすぎな部分があって若干鼻につく部分がある。多少減らしても良かったのではないか。 しかし、物語は終わり間際から動き始めるのである。その辺りは書くのは野暮であろう。 塩田武士作品は買い置きは有るものの間で読んでいないのだが、組合というものが一つの重要な役割になっているように感じる。そういった関係の仕事をしていたのだろうか。
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大泉洋さんを当て書き。変わっていく出版業界のお話。 とにかく登場人物が多い!ので、相関図を書きながら読むのをおすすめします。 特に周囲との関わり方のうまさがまさに大泉さんの特徴を捉えてる感じがした。ジョークの挟みかたとか飄々とした雰囲気とか。 新聞が売れない、雑誌が売れない、文...
大泉洋さんを当て書き。変わっていく出版業界のお話。 とにかく登場人物が多い!ので、相関図を書きながら読むのをおすすめします。 特に周囲との関わり方のうまさがまさに大泉さんの特徴を捉えてる感じがした。ジョークの挟みかたとか飄々とした雰囲気とか。 新聞が売れない、雑誌が売れない、文芸誌はおろか本すら売れないという出版業界のこれからとか、作家と版元の関係とか、本好きには興味ある業界話を読めました。ストーリーも半沢直樹みたいな感じ。ラストのどんでん返しは別になくてもおもしろかったかな。 本来は本屋で本を買わないと関係者にうまくお金が入らない仕組みらしいけど、やっぱ買うならネットだし、その前に図書館で借りちゃうのがほとんど。好きな作家さんを応援する意味でもお気に入りの本はちゃんと買おうと思いました。
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もしも大泉洋が出版業会に生きてたら....の正解のような物語。 企業ドラマはやっぱり面白い!仕事に生きる大人はかっこいい!誰しも騙し絵的な2面性は、それぞれの%が違うだけであると思う、深い。
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これ、半分ズルい笑❗️ 僕の場合、小説を読む時なるべく映画化されていないものを読むようにしてます。なぜならキャストを見てしまうと人物像が固定されてしまうからですが、この本、至るところに大泉洋の写真がいっぱい笑笑 これほど人物像の固定を強要されて本を読んだの、初めて、ですっ❗️笑笑
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どんでん返しは、最後の最後にありました。 「騙し絵の牙」・・・タイトルの通りだった~!! 人当たりの良い主人公。嘘くさい笑顔の裏の、したたかさ。豪胆さ。その裏まで覗けば見える、脆くて人間くさい部分。最後の数ページで、主人公の速水という人物のイメージがひっくり返って、思いがけず読...
どんでん返しは、最後の最後にありました。 「騙し絵の牙」・・・タイトルの通りだった~!! 人当たりの良い主人公。嘘くさい笑顔の裏の、したたかさ。豪胆さ。その裏まで覗けば見える、脆くて人間くさい部分。最後の数ページで、主人公の速水という人物のイメージがひっくり返って、思いがけず読後感の良い一冊でした。
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