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さんかく の商品レビュー

3.9

162件のお客様レビュー

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    25

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/11/18

ただただ食事の描写にが丁寧だなぁと。 p9の米粒についての描写に思わず笑ってしまうほどでした。 〜土鍋の蓋をあけ、胸一杯に湯気を吸い、炊き立てのご飯に目を細める。眩しい白。光を吸い込んだような米粒が湯気を吸い、ピチピチと微かな声をあげている。〜 正直言ってすごい好きです。他にも季...

ただただ食事の描写にが丁寧だなぁと。 p9の米粒についての描写に思わず笑ってしまうほどでした。 〜土鍋の蓋をあけ、胸一杯に湯気を吸い、炊き立てのご飯に目を細める。眩しい白。光を吸い込んだような米粒が湯気を吸い、ピチピチと微かな声をあげている。〜 正直言ってすごい好きです。他にも季節の食材、初めて聞いた食べ物、異国の食べ物など新たなことを知ると言う意味でもすごく食について凝って描かれている小説だなぁと感じました。内子、外子の存在を初めて知って是非とも早く食べに行きたいと思いました。高級珍味を思いつきで食べれるほどの財布を持ち合わせていないんですが、、。 京屋町の古びた家屋に住む高村さんの家に共同生活した伊藤くん。帰宅して土間を抜けるとだし汁の効いた家庭の温かみのある匂い。台所から油が爆ぜる賑やかな音がして、高村さんがコンロの前に立っているのがみえた。帰ってきたら誰かが温かいご飯作ってくれてるって幸せだったんだなぁと伊藤くんの帰宅シーンを読むたびに思ってました。 その対比で「町屋は黒々とした夜に沈んでいた。土間の裸電球がポツリと照っているだけで、家の中は静まり返っている。台所のシンクが天窓ならの月明かりで冷たく光、夜の蒸し暑さを僅かに払拭した。」 情景の寒暖差が活字ってツールだけでこんなにも読者に伝わるんだっていうのが毎回の情景描写の上手い作者さんの作品を読むと感じる。 京屋町の「ただ古いだけの街」が食の趣味が合うという二人の作る空間によって居場所になってるのが素敵だと思った。 p248の〜高村さんのいない町屋は黴臭さが鼻についた。台所に目を遣ると、吹き抜けの天井から差し込む日光の中で埃が待っていた。俺も引っ越さなくては、と思った。〜。 場所だけが合っても居場所にはならないんだなと強く感じたなぁ。 好きなセリフ p101 でも北さんに話さなくてよかった。 恋愛の真っ只中にいる人間はなんでも色恋で物事を判断しそうだ。そういう甘ったるいもの尺はいらない。 陰気な雨も京屋町でもは風情ある物になりますね。 パインセオ!!

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2023/11/18

ふと香る出汁のような、噛んだ瞬間ジュワッと熱いものが溢れてくるような、そんな小説。美味しいものを美味しいねと言いながら一緒に食べてくれる人がいる幸せよ。胃が合う人との会話や食事は、何ものにも変えがたい。 出張や旅行に行く時に、どこに何を食べに行こうかな…とウキウキする食いしん坊の...

ふと香る出汁のような、噛んだ瞬間ジュワッと熱いものが溢れてくるような、そんな小説。美味しいものを美味しいねと言いながら一緒に食べてくれる人がいる幸せよ。胃が合う人との会話や食事は、何ものにも変えがたい。 出張や旅行に行く時に、どこに何を食べに行こうかな…とウキウキする食いしん坊の私は、高村さんや伊東くんと一緒に長屋に住みたい。

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2023/11/16

むっちゃくちゃすきなはなし!!!2023年ベストブックかも。三角関係のさんかくなのだろうな。研究者の彼女と、料理のうまい高村さんと、ぼく。彼女目線、高村さん目線、僕目線、全てがうまく噛み合っていて、ジレンマも全てが理解できて、そしてご飯がいつも美味しそうで。これこそ求めていたもの...

むっちゃくちゃすきなはなし!!!2023年ベストブックかも。三角関係のさんかくなのだろうな。研究者の彼女と、料理のうまい高村さんと、ぼく。彼女目線、高村さん目線、僕目線、全てがうまく噛み合っていて、ジレンマも全てが理解できて、そしてご飯がいつも美味しそうで。これこそ求めていたもの!という感じがする。大好きでした。 p.101 でも、北さんに話さなくてよかった。恋愛の真っ只中にいる人間は何でも色恋でものを判断しそうだ。そういう甘ったるい物差しはいらない。話せば、色がつく。話すほど、そのことについて考える時間ができる。時間をかければ、特別になっていく。今、何か思う必要は無いのだ。 p.104 1人の自由も2人のバランスも難しいものだ。誰かを失望させるより、自由の代償を1人で受け止める方を、私はいつも選んできた。なのに、どうしてだろう。また端が止まる。きっと、それは伊藤君だからだ。親しい友人でもなく、異性として恋焦がれているわけでもない、関係としては薄い、失っても痛手の少ない人間だから。お互いの事はよく知らないし、あまり知ろうともしない。と卓さんによる遠慮もある。でも、その趣味はある。そこだけのつながりだから、安心できるのだろう。このカウンターに座る他人同士のように、店の味は愛し、ルールも守るけれど、干渉し合わない。見つめ合わない、ただ、隣横に並んで食べる。そういう関係がきっと私は楽なのだ。 p.199 良い詰まって一体なんだろう。俺の良いイメージと高村さんはかけ離れている。高村さんとの生活は安定していて、清潔で、暖かい食事に支えられている。けれど、甘さは無い。そんなの当たり前だ。生活を支えるものは、知識と規則正しさと段取りと継続性なのだから。空いた時間に手際良く、家事を済ませる高村さんを眺めているとよくわかる。彼女は職人ぽい。もしくはトレーナー。世間的な良い妻と言うのは、選手の記録を伸ばすために尽力する、硬派なトレーナーみたいな存在なのかもしれない。 p.214 「ヘトヘトになって家に帰ってさ、あったかいご飯があったら、それはズルズルとしちゃうよね。しかも、恋人でも、家族でもない。責任のない関係だったら、楽でたまんないわ」

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2023/11/14

なるほど、三角関係のさんかくかあ。そんなにぱっとしないけれどそれなりに整っているので微妙にモテル感じの男と、色々疲れてしまってフリーランスになった清潔感のあるアラフォーナチュラル美人同居人。色恋よりも解剖学に邁進するマイウェイで美人の彼女。 忙しくてあまり連絡も取れない彼女に黙っ...

なるほど、三角関係のさんかくかあ。そんなにぱっとしないけれどそれなりに整っているので微妙にモテル感じの男と、色々疲れてしまってフリーランスになった清潔感のあるアラフォーナチュラル美人同居人。色恋よりも解剖学に邁進するマイウェイで美人の彼女。 忙しくてあまり連絡も取れない彼女に黙って、アラフォー美人とのシェアハウスに引っ越し。実際男女の関係ではないけれど、どんな言い訳してもアウトな感じですよね。しかも美味しいご飯を毎日食べさせてもらってなんて何とも言えずスリーアウト。 こういう優柔不断な男がもてる話は昔からよくありますが、なんだかんだ言ってこういうのみんな好きなんですよね。上手くいく話より三角関係や四角関係の方が当然面白いので。

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2023/10/29
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※このレビューにはネタバレを含みます

香り立つようなコーヒーを淹れるシーンから始まる。あ、これは私好みだと思った。 20代の頃にお世話になった35歳の先輩デザイナー、高村さん、そして千早茜さんご本人が私の中で合致してしまい、どこまでも3人が重なって現れた。 人は誰でも褒められたい。 解消される見込みのない自己承認欲求に苛まれるのはしんどいので、なるべく早く切り替え癖がついている、誰もがそんな感情の中生きているのかもしれない。 どうして追いかけて来るんだろう、なんであたしは拒絶しないのか。あたしたちはわからないだらけだ。華の言葉だ。すぐさままた燃え殻さんの言葉が蘇る。2人の間の常識、それを愛と呼ぶ。 強めに塩を振り、卵と醤油と胡麻油。カレー粉を少し。ぐちゃぐちゃとよく揉み込む。 この唐揚げ、今度作ろう。 高村さんの最後がちょっと肩透かしを喰らったなー。

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2023/10/28
  • ネタバレ

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【あらすじ】 「おいしいね」を分け合える そんな人に、出会ってしまった。 恋はもういらないと言うデザイナーの夕香。 夕香の“まかない"が忘れられない営業職の正和。 食事より彼氏より、研究一筋の日々を送る華。 正和は、夕香が暮らす古い京町家でルームシェアをすることになった。 理由は“食の趣味"が合うから。 それだけだったのに、恋人の華には言い出せなくて……。 三角関係未満の揺れ動く女、男、女の物語。 『誰かを失望させるより、自由の代償を1人で受け止める方を、私はいつも選んできた。』 『変えるということは選ぶということだ。』 【個人的な感想】 美味しそうな食べ物がたくさん出てきてお腹が空く、、、! 季節の食べ物を食べて、自分を大切にする丁寧な暮らしをする「夕香」の生活が理想的だった。 終わり方は少し物足りない感じだった。

Posted byブクログ

2023/12/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

登場人物の夕香が自分と同じ性格なのか 常にわかるわかる~~と夕香の言動に首を振っていた。 でも、彼女もちの男を自分の家に住まわすのは意味が分からん。 たとえ自分が恋に用事がなくても、それはまじでわからん きっと相手を恋愛対象として見てないからこそ 夕香の素と正和の素と料理の趣味が合ってしまったのは あるのだろうけど 夕香と正和がどうか一線を越えませんようにと 願いながら読んでた… 女としてのプライドと一人で生きていくと決めた姿が 正和には惹かれるところがあったのかな 料理だけで同居するって普通にあることなんかなあ 夕香の暮らしにも仕事にも料理にも自分があるって 凄くかっこいいし憧れる三人の登場人物がいるけれど とにかく夕香に同調しっぱなしでした 料理の描写も凄く美味しそうで 丁寧な料理を食べたくなる 自分も料理をすぐに作りたくなる 。 とりあえず ふらふらな正和は嫌いだ!笑

Posted byブクログ

2023/10/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

料理の描写が美しい。高村さんの暮らしかたが憧れる。 しかし伊東くんには嫌悪を覚えた。最近自分が浮気されて別れたから。これに尽きるのだけれど。 どうして甘えてすがりたくなったときに一歩留まれないのだろうと思ってしまう。高村さんもまた不倫をしていて、そこは伊東くん同様好かない。 不倫浮気が普通のこととして話される状態がどうしても異常にみえてしまう。この小説も多くのことを感じる人がいるのだろうけれど、私は恋の煩わしさを多く汲み取ってしまった。現実はこんなにきれいではないよなあ。

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2023/10/19

ちょっと消化不良な感じが現代の恋愛事情をよく表しているな…と思いました。女の人も強くなったし、自分中心で物事を進めることができるようになりましたよね。一昔前の女の人と男の人が逆転した感じがして面白いですね。 美味しそうな料理と登場人物それぞれの感情が上手に書かれていて「さすがさ...

ちょっと消化不良な感じが現代の恋愛事情をよく表しているな…と思いました。女の人も強くなったし、自分中心で物事を進めることができるようになりましたよね。一昔前の女の人と男の人が逆転した感じがして面白いですね。 美味しそうな料理と登場人物それぞれの感情が上手に書かれていて「さすがさすが」と思いながら最後まで楽しく読ませていただきました。

Posted byブクログ

2023/10/11

3人を中心にまわる物語。 季節の情景とか、ごはんが目の前にあるようにきれいに描かれていてとても良かった。

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