アート思考 の商品レビュー
問題を解決するのがデザイン思考で、問題や課題を抽出し問うことがアート思考である。 第1章からスッキリと腹落ちする。 そしてアートと科学の関連性についても、非常によくわかる。 現代アートについては、自分もみていてよくわからない作品は多いが、自分の頭からは絶対出てこないだろう作品に出...
問題を解決するのがデザイン思考で、問題や課題を抽出し問うことがアート思考である。 第1章からスッキリと腹落ちする。 そしてアートと科学の関連性についても、非常によくわかる。 現代アートについては、自分もみていてよくわからない作品は多いが、自分の頭からは絶対出てこないだろう作品に出会うと、その分からないことが面白いと感じる。 美しい作品を愛でる美術ではなく、コンセプトなどを読む、理解することがアートなんだろう。 アートは読み物ということだ。 わからないを否定するのではなく、わからないを楽しむ。 これがアートを楽しむコツ。
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アート、特に現代アートについての解説をベースにどう向き合うと良いのかが書かれていた。 その上で、ビジネスとの関わりと共通性、つまりゼロベース思考だったりものの見方を変えてみるという点が浮かび上がっている。
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アートに求められるのは、経済的・社会的成功ではなく、やむことなき自己探究をし続けることです。社会に対する問題提起、つまり新たな価値を提案し、歴史に残るような価値を残していけるかどうかという姿勢を極限まで追求することが、アーティストの願望なのです。(p.23) 新たな価値の創造ということでいえば、まさしく香川県における「直島」がそうでした。直島は三菱マテリアルの製錬所以外とりたてて特徴のない島でしたが、アーティストたちはそれまで価値がないといわれてきた島の風景や町並みに価値を見いだし、それを現代アートの力で前面に押し出すことでさらに価値を高めていったのです。直島が海外から受け入れられている評価のポイントは、まさに美的・文化的価値を生み出した点にあり、海外の文化人はそのオリジナリティと創造性を評価しているのです。(p.38) 「(ユクスキュル「環世界」)すべての生物は自分自身が持つ地殻によってのみ世界を理解しているので、すべての生物にとって世界は客観的な環境ではなく、生物各々が主体的に構築する独自の世界である」(p.50) 私たちは「わからないもの」に接することで思考が、促されるのではないでしょうか。 「アート思考」の本質とは、この「わからないもの」に対して、自分なりに粘り強く考え続ける態度のことを指しているのです。(p.81) それをわかろうとするプロセスの楽しさが、現代アートの魅力ともいえます。「わからないから、つまらない」ではなく、「わからないから、面白い」のです。(p.89) 多くの宗教が「大きな思想」にのみ注意を向ける傾向があるのに対して、禅は「大きな思想」と「小さな日常」のギャップを埋め、両者の両立を目指して日々の修行=生活を送る実践の宗教です。一つのドグマ(教義)にとらわれずに、いかに高い次元の生活ができるか、固定化された教義よりも生き方を問います。(p.110) 「多くの産業の生み出すものは、デジタル領域によって革新されていき、デジタル・テクノロジーの塊のようなものになっていく。その後の話として、すべてはアートとしてじゃないと生き残れない時代になる。多くの産業、もしくは企業は、生み出す製品やサービス、そして存在自体が、“人がアート的だと感じるようなもの”でないと生き残れない社会になっていく(G Q Japan 猪子)」(p.163) 「今を最優先して、『時代』をテーマにしていること」、それに「眼の前のモノとそれが指し示す意味ないようには、ある距離、あるいは断絶があり、そこに様々な意味が流れ込んでいるということ」という二つを覚えておくだけで、現代アートへの理解が進みます。そのための“ちゃぶ台返し”のゼロベース思考です。(p.217) 「人が美術作品として買うなら、それは美術作品だ」 つまり芸術家どうかは、鑑賞する側が決めることだと彼は言うのです。デュシャンは既存の芸術を否定しましたが、ウォーホルは、芸術品とそうでないものの境界を破壊してしまいました。 ウォーホルは、マリリン・モンローがどんな人間で、どんな内面を持っているかといったことにまったく関心を示しません。表面的なイメージだけを量産します。大衆が望むステレオタイプなモンローのイメージをただ増幅し、皆がみたいと望むものを作品化しました。目に見えない、しかし世界に渦巻いている人間の欲望こそが現代社会を動かしているものだというのが、ウォーホルの“考え”です。メディアで量産され消費される人々の欲望。それをはじめて見える形で作品化したのがウォーホルでした。(p.235) アートはまるで社会のトリックスターのように振る舞い、社会の内と外を行ったり来たりして、一定の距離をとりながら今の社会を相対化する役割を演じてきました。アートは人間に道徳を語り、ときに悪を語るのです。役立ちつつ、毒になるというのがアートです。うまく使いこなせるかどうかは、我々の社会の成熟度にかかっています。そこでは人間的な成熟が鍵なのです。(p.245)
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2020.03.05 キュレーターによるアートのお話。少し、ビジネスのお話が語られているがそれほど具体的な話があるわけでは無い。ハウツーでも無い。感じることが大切な本だと思う。
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【重要ポイント】 アート思考ー問いを創造させるための思考法、0→1 デザイン思考ー発展させるための思考法、1→10 アートに対するキーワード 西洋は「革新」、日本は「継承」 →この違いがそのまま文化の違いに、結果としてGAFAのような企業群がでてこない。高度経済成長期は日本人特有の勤勉さが発展につながったが、これからはどうか。 現代アートは自ら考えることに鑑賞の意義がある 【感想】 日本の良い点と今後の課題を学べる。その上で日本人は海外でもっと学ぶべきと感じた。また何かを自分のものにするためには"行動"が大事!ということも学べた。
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スペキュラティブ・デザイン 現代アートの3要素 インパクト 視覚的にある強いもの コンセプト 思考的な要素 レイヤー 重層的 いい作品はいくつもの解釈が可能 ヨゼフ・ボイス アクション 社会彫刻 リクリット・ティラヴァーニャ リレーショナルアート アートとは、何かと何かをつ...
スペキュラティブ・デザイン 現代アートの3要素 インパクト 視覚的にある強いもの コンセプト 思考的な要素 レイヤー 重層的 いい作品はいくつもの解釈が可能 ヨゼフ・ボイス アクション 社会彫刻 リクリット・ティラヴァーニャ リレーショナルアート アートとは、何かと何かをつなぐもの
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ビジネススキルに直結する何かは表現されておらず、あくまでもアートとは何か?を解説している本です。ビジネススキルに期待して読むとガッカリすると思われます。 日本人が苦手する事象・問題・課題の切り分けが普段からできている人からすると、今更何言ってるの?って感じるでしょうし、だいたいの人は「え?何が言いたいの?」と感じる気がします。 日本人は教育課程から仕事まで、ほとんどがTOPから課題を提供され、それを解決していくことに注力していきます。本書は「何が問題なのか?」という問題提起の視点に立つ大切さを語られています。日本からイノベーションを起こす企業がうまれないわけです。 著者はけっきょくは芸術肌なので、無理やり経済・資本主義と結びつけた展開に疑問も感じましたね。 読み物としてはまずます面白かったですが、買ってまで読もうとは思いません。典型的な図書館案件でした。
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常識を疑う ゼロベースで考えるなど 今まで聞いたことのある考え方ではあるが、 芸術の観点から記載されていて説得力が増した。 また、現代アートの動向が具体的な人物や時代の背景とともに書かれており、 芸術に無頓着な人でも読める。 ただし、実際の絵画などの写真がほとんどないので、 ネットで画像を調べながら読むとさらにわかりやすい。
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▼アートとは ■世界的に見れば7.5兆円もの規模がある美術市場(2018年) ■アートとは0→1を作り出す創造的活動であり、ビジョンと情熱が必要 ■アーティスト=問いを発する人 ◉アートをアントレプレナーと読み替えても同じ
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問いが既成概念を破壊する。 作品が発する問いを共有する。わからないからといって考えることをすぐに止めない。
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