アート思考 の商品レビュー
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アートとビジネスというテーマだけでなく、「現代アート」って何?や、どうやって作品を介しアーティストとコミュニケートするかというようなことをサクサク(いい意味で)ライトに説明されているのが入門書として良い。 一点、私はアートに関心がある方ですが、端々の「アート、わかったほうがいいスよ?」なやや上から目線な書きぶりだけ気になった。(日本の文化/美術教育・政策に疑問を呈したいというのは共感しますが) 最も感銘を受けたのは第3章で、茂木先生の事象の読み取り方は「文脈」と「感動」であり、ストーリー(文脈)だけではわかったことにはならず、経験に昇華するには「感動」が必要であるという話を読んでいて、私が好きなアイドルのコンサートが論理的で「わかる」と感じる理由は、セットリストの整合、ブロッキング、視線の流れetc.といった数え切れない程の「文脈」と、演者のパッションであったり、動きや表情の美しさといった「感動」をきちんと受け取ることが出来ていたからだなと非常に腑に落ちた。 (また、第5章で「いい作品とは、いくつもの解釈ができる作品のことだ」とのウォルター・デ・マリアの言葉が引用されているところも。) それから、第2章、現代アートは常々「わからない」で片付けがちですが、「どこまでわかって」「何がわからないか」を整理することが謙虚な向き合い方に繋がるのではないかというのは目から鱗で、「この人の言ってることよくわかんないけど何となく好き」みたいな、自分の中で批評的に評価する習慣というか、他者に関心を持つきっかけにもなり得るなというようなことを考えました。 あとは余談ですが、Venice Biennaleのことが度々出てきて、私はあの街の冷凍保存されたような、というか、テーマパークのような居心地の悪さがあまり好きではなく、第4章で出てくる西洋美術史は「革命」対する日本美術史は「継承」と表現されていたのが、都市や街においては真逆っぽいのが面白いなと思いました。
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13歳からのアート思考を読んで、アート思考をもっと勉強しようと思い、手に取る。 こちらはどちらかというとビジネスパーソン向け。 アート思考を実際のビジネスに活かす方法が実際のアート作品を解説しながら、述べられており、分かりやすかった。
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借りたもの。 冒頭から突然、「アートとビジネスはまったく異なる」と身も蓋もないことが書かれ、「今まで読んだアート思考の本で得たものは何だったんだ!?」と条件反射的にがっかりするも、読み進めれば何を言わんとするか分かる。 それは他のアート思考(たとえば山口周『世界のエリートはなぜ「...
借りたもの。 冒頭から突然、「アートとビジネスはまったく異なる」と身も蓋もないことが書かれ、「今まで読んだアート思考の本で得たものは何だったんだ!?」と条件反射的にがっかりするも、読み進めれば何を言わんとするか分かる。 それは他のアート思考(たとえば山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 』( https://booklog.jp/item/1/4334039960 ))に関する本が言わんとしていた事と共通する。ただし実利に直接結びつかないことを念押しするため、先に断言したのだろう。 それはMBA(経営学修士)がMFA(芸術学修士)にとって代わられるという意味ではなく、補うものであると解釈した。 ロジック一辺倒だった世界に感性を取り入れる…… 文中では「直観」、原始的な感覚――アイデアのひらめき――を研ぎ澄ますことを指している。 それが導き出す、全く異なるアートとビジネスの交差点…… それは「現代アートの問題を提起する(している)ところ」だった。 現代アートを「ゼロベースで考える」と言われれば、スティーヴン・レヴィット『0ベース思考』( https://booklog.jp/item/1/4478029067 )を思い出し、アートのお値段(価値)を決めるものはブロックチェーンであると指摘する。 現代アートが「今」を映していることがよくわかる。 それは「売れるもの」を作っているのではない。アーティストが時代に敏感に反応し、その中で自己内省を極め、制作したものだ。 アートビジネスは直接的な関係はないとは言うものの、資本主義経済との関係は切り離せない。 水野和夫『コレクションと資本主義』( https://booklog.jp/item/1/404082184X )も参照。 アート鑑賞の要点もきっちり押さえている。 後半は近代から現代美術の流れと用語解説。 世界、日本における現代美術の主要なアーティスト解説。 彼らの作品の大まかな分類をしていることが興味深い。 「何でもあり」な現代美術でも、時を経て振り返ればその傾向が見えてくる。 その足掛かりであり、今後、どの様なアートが注目されるか(この中から新たに派生するかもしれないもの)を考えるひとつの指標となり得るだろう。 バンクシーは丁度、展覧会を観に行った後だったので、挙げられていた作品を思い出しながら読み進める。 社会への反逆か。バッドジョークの天才か。 将来ゴヤのような画家と見なされるよりも、チャップリンの変化系のような画家かも知れない。 私が気になっていたのは、「あいちトリエンナーレ2019」の中止問題についての言及。 著者は「あいトリ2019」における、金運成、金曙ギョン《平和の少女像》嶋田美子《焼かれるべき絵》などショッキングで論争を生む展示をしたことを、ヨーゼフ・ボイスのパフォーマンスアートの延長として言及。 ……しかし、個々の作品についての言及はなかった。 私には《平和の少女像》は先入観もあって「プロパガンダ」にしか見えなかったし(あの像に韓国のアイデンティティはあるの?)、《焼かれるべき絵》は昭和天皇という個人の肖像を超えた独自性は見いだせなかった。 そこに著者は何を見いだしているか、意見を聞きたかったのだが…… 右だの左だの反日だの韓嫌だの中傷合戦して辟易してしまい、はたしてこれは「アート」なのか疑問のままだ。 著者は‘自分だけが信じる主観的な世界を世の中に問いかけていく問題提起型のアーティストの時代に変わろうとしている(p.63)’と言っていた。答えはこれかも知れない。 そうだとしたら、上記2つの作品は、被害者意識と恨みつらみからくるアンチが作者らのアイデンティティであるとしか、私には見えない。 flier紹介。( https://www.flierinc.com/summary/1801 )
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冒頭に 「どんな角度から考えても『アートとビジネスはまったく異なる』。これが正直な感想です。」 とある。えっ、と思わされるだろう。しかし本書は 「アートは、直接、ビジネスのヒントになるかどうかはわかりません、はなはだ心もとないというところではあるのですが、今の社会を考えるにあたっ...
冒頭に 「どんな角度から考えても『アートとビジネスはまったく異なる』。これが正直な感想です。」 とある。えっ、と思わされるだろう。しかし本書は 「アートは、直接、ビジネスのヒントになるかどうかはわかりません、はなはだ心もとないというところではあるのですが、今の社会を考えるにあたって、これまでの視点では得られなかった考え方やものの見方を得るきっかけになるのではないかと思います。ビジネスもアートも人の暮らしの上にある以上、どこかで共有すべきものがあるでしょう。」 と結ばれている。 この間にあるもの探しながら読んでいくと、いろいろと見えてくるものがあるだろう。 それは簡単ではない。わかりやすくもない。僕も十分に理解できたとは言えない。 しかし、簡単にわかった気になれるものは既知のものであり、そこかれは新しい考え方や視点は生まれない。 腰を据えて読むべき本。速読向きじゃない。
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3章くらいまでは、共感の嵐。 今まで芸術に対してぼんやり考えてたことと似てる部分が多かったし、 読んでるだけでいろんなアイデアが湧いてきて、脇にメモ帳置きながら読んだ。 後半の5章?くらいからは、現代アートについてで、著者も現代アートってなんだこれってなる人多いと思うって書いて...
3章くらいまでは、共感の嵐。 今まで芸術に対してぼんやり考えてたことと似てる部分が多かったし、 読んでるだけでいろんなアイデアが湧いてきて、脇にメモ帳置きながら読んだ。 後半の5章?くらいからは、現代アートについてで、著者も現代アートってなんだこれってなる人多いと思うって書いてあった、 けど読んでもまだわかんない、、ってなりました。
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感性思考を読んだことからアート思考に興味を持ちこの本を購入。 アートの捉え方が主で、そこからビジネスへはこのように応用できるのでは?という道標があるように感じた。 アートの考え方を取り入れて世の中を見ていくことで、新たな価値観が生まれるということにも気づかせてもらえたので、これか...
感性思考を読んだことからアート思考に興味を持ちこの本を購入。 アートの捉え方が主で、そこからビジネスへはこのように応用できるのでは?という道標があるように感じた。 アートの考え方を取り入れて世の中を見ていくことで、新たな価値観が生まれるということにも気づかせてもらえたので、これからは美術についても勉強しようと感じた。
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アートは自分には全く縁が無いもので、興味も無いのですが、上司に読むように言われたため読んでみました。 読み終えて、やはりアートに興味は湧かなかったのですが、イノベーションを起こすため、変化の激しい現代を生き抜くためには、常識を疑い、普段とは異なる見方が必要であるという主張は納得出...
アートは自分には全く縁が無いもので、興味も無いのですが、上司に読むように言われたため読んでみました。 読み終えて、やはりアートに興味は湧かなかったのですが、イノベーションを起こすため、変化の激しい現代を生き抜くためには、常識を疑い、普段とは異なる見方が必要であるという主張は納得出来ました。アート思考をビジネスの世界で応用するために継続して考えたいテーマとなりました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
・何かを考える上で、判断する上での新しい視点を得ることができたと思う。(特にビジネスにおいて) ・大きなキーワードは「そもそも何が問題なのか」、「ゼロベースで考える」 ・起業や新たな取り組みを始める際に、特に参考にしたい。(もちろん既存の取り組みや、何かを判断するときにも大いに参考になる) ・ビジネスにおいては、「改善」ではなく、既存のものとは全く違う発想で、ゼロベースで考えることが、非連続的な成長を生み出すと感じた。 ・現代アートを構成する3要素「インパクト:他と違ったオリジナリティ」、「コンセプト:どんな考えによって作品が生み出されているか」、「レイヤー:いくつもの解釈が可能ということ。」これはビジネスを作るときにも大事にしたい。 (2020/5/26)
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デザイン思考とアート思考の違いがよくわかる内容だった。今まで現代アートがまったくわからなかったし、わからないから興味もなかったけれど、現代アートの見方(考え方)が知れてよかったし、知ってからは気になっている。
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アートとビジネスは違うが、アートの思考法をビジネスにも取り入れていくために、アートとは何か、ビジネスにも効くアートの鑑賞法、注目のアーティストが紹介されている。アーティストについては大変豊富に掲載されていて、アート鑑賞のきっかけにもなる。
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