背中の蜘蛛 の商品レビュー
ITを使って、あらゆるメタデータを使って犯罪の予防、または犯人を予想するスパイダーを運用する、運三、この部署は非公開かつ、合法でもない秘匿部署だが、これは必要悪なのか? プライバシーはあってないようなもの。 この話はフィクションだが、ノンフィクションでもおかしくない怖い話だ
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誉田哲也の真骨頂である警察小説である。しかも現実社会でも注目、問題にされているサイバー犯罪を取り上げる。 犯罪現場をまず描き、そこからもの謎の垂れ込みによる解決。しかもそれは日本では遅れていると言われるサイバー犯罪関連に対応する警察の部署による情報であった、というような本当は「あるの? ないの?」と実際に問いただしたくなるような部署が描かれている。 アナログな捜査本部とITを駆使した情報取得部署を交互に描き、また市井の人物も絡んできて…となかなか複雑なストーリー展開になっている。サイバー関連による情報取得は個人情報、プライバシー問題等もはらみ、難しいものである。エンターテイメント作品ながら、終盤はこのような現代、我々が直面するサイバー関連の著者自身の問題提起とも感じらた。
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近い将来、警察が直面するであろう事態を予測しながら描かれたであろう作品です。 誉田さんらしく人間としての刑事が主役ですね。 第一部、第二部ではモヤモヤした気持ちになりましたが、第三部のための話をここまで描いているのは、丁寧に背景を説明しないと、表面だけの話で終わってしまうからだ...
近い将来、警察が直面するであろう事態を予測しながら描かれたであろう作品です。 誉田さんらしく人間としての刑事が主役ですね。 第一部、第二部ではモヤモヤした気持ちになりましたが、第三部のための話をここまで描いているのは、丁寧に背景を説明しないと、表面だけの話で終わってしまうからだなぁと思いました。 コンピーター・システムに携わる立場から見ると、いろいろ突っ込みどころ満載ではありますが、物語としては楽しめました。 でも、メタデータの説明は納得できない事項でした。
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評価は5. 内容(BOOKデーターベース) 東京・池袋で男の刺殺体が発見された。捜査にあたる警視庁池袋署刑事課長の本宮はある日、捜査一課長から「あること」に端を発した捜査を頼まれる。それから約半年後―。東京・新木場で爆殺傷事件が発生。再び「あること」により容疑者が浮かぶが、捜査に携わる警視庁組織犯罪対策部の植木は、その唐突な容疑者の浮上に違和感を抱く。そしてもう一人、植木と同じように腑に落ちない思いを抱える警察官がいた。捜査一課の管理官になった本宮だった…。「あること」とは何なのか?池袋と新木場。二つの事件の真相を解き明かすとともに、今、この時代の警察捜査を濃密に描いた驚愕の警察小説。 近い将来こんな監視社会になるんだろうなぁ~。個人のプライバシーと安全な社会。バランスが難しい。 とは言え、駄目駄目3兄弟に振り回された元警官が悲惨だった。
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三部構成の最初の二つを読んだ時は、「骨太な刑事物だけど、いつもとちょっと感じが違うなぁ」と思いました。 が、それは前置き的なもので、本編である第三部「背中の蜘蛛」は、やはりいつもの誉田哲也作品でした。 嫌なら読まなきゃいいのですが、やっぱり読んでしまう作家さんです。
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4.0 ジウシリーズを思い出させる様なグロい描写もありましたが、ジウで慣れたのでそこは大丈夫でしたが、今回はネットの話でネットの怖さをあらためて思い知りました。 もちろんフィクションですが、すべて架空の話でもないだろうなという思いもあります。 サイバー犯罪自体はたくさんありますし...
4.0 ジウシリーズを思い出させる様なグロい描写もありましたが、ジウで慣れたのでそこは大丈夫でしたが、今回はネットの話でネットの怖さをあらためて思い知りました。 もちろんフィクションですが、すべて架空の話でもないだろうなという思いもあります。 サイバー犯罪自体はたくさんありますし、 巻末の参考文献の多さにはビックリしました。それと同時にこれだけ参考に出来る文献が出ていると言うことは、半ばあり得ない話でもないんだろうなと思い、怖くなりました。悪いことをしていなくても、何かに巻き込まれたり、悪者に仕立てられたり、ネットという目には見えにくい世界が今後どんどん進み、どこに向かっていくのだろう。いずれ全ての人々が監視される社会はそう遠からず来そうな気もします、、 面白かったけど、真面目に働くのがちょっと虚しくなる様な話でもありました。
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いつもと違う雰囲気でちょっと苦手分野かも。人間描写は深いけど、ゲスいところがどうにも合いませんでした。しかし、いつもながら警察内部事情が詳しすぎ。どうやって取材してるんでしょう。
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うーん、怖い話ではあるが人間味ある話でもあった。今の日本では「想い」とか、正義とか誇りとか絵空事なのか。。。どう生きるか、改めて思う。
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密告によって突然事件が解決することが続き、違和感を抱いた刑事がその背後を探っていく警察小説。 電話やパソコンの通信を監視するシステムを、警察が極秘に犯罪捜査に活用しているというのは、あながちフィクションとも言えないのが怖いところ。正義の名の元に人権は無視され、国民は過剰に監視さ...
密告によって突然事件が解決することが続き、違和感を抱いた刑事がその背後を探っていく警察小説。 電話やパソコンの通信を監視するシステムを、警察が極秘に犯罪捜査に活用しているというのは、あながちフィクションとも言えないのが怖いところ。正義の名の元に人権は無視され、国民は過剰に監視されているかもと思わせる、現代ならではの目のつけどころは興味深かった。 ただ、これが直木賞候補と言われると、首を傾げたくなる。とくに、終盤の姉弟の行く末は必要とは思えず、一気に興ざめした。読後にプロフィールを見て思い出したのだが、ずいぶん前に何作か読んだことがあり、いたずらに残虐な作者の感覚が私には合わないと感じたのだったっけ。 第162回直木賞の候補作、図書館が長期休館だったためずいぶん時間がかかってしまったが、これですべて読み終えた。やはり『熱源』は圧巻、それに比べるとこの作品はなぜ候補に選ばれたのかがわからなかった。
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自分の中で、直木賞候補作品だった事もあり、かなり期待していたが、期待が大きかっただけに少し残念。 直木賞取れなかったのも致し方ない。正直、誉田哲也の作品でもっと面白いものあるのに!と思ってしまった。
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