おやすみ、東京 の商品レビュー
久しぶりに吉田先生の小説を読了。 深夜1時〜の文章から始まる短編集だけど、登場人物がそれぞれいるけど関係性がどんどん繋がり実際は長編集のような内容。 あえて夜に読んだ。 実際には東京には住んでいないけど、深夜の東京ってこんな感じなのかな?など静かな情景が出てきて、また夜ゆっくり...
久しぶりに吉田先生の小説を読了。 深夜1時〜の文章から始まる短編集だけど、登場人物がそれぞれいるけど関係性がどんどん繋がり実際は長編集のような内容。 あえて夜に読んだ。 実際には東京には住んでいないけど、深夜の東京ってこんな感じなのかな?など静かな情景が出てきて、また夜ゆっくり読みたいなと思う一冊でした。
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午前1時から始まる12個のおはなし。 人と人の繋がりって不思議だなあと思った。深夜の青い空気って、なんであんなに不思議な気持ちになるんだろう。 もう一回、忘れた頃に読みたいな。 夜中に読むと誰かに会いたくなる、誰かと繋がりたくなる本でした。
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半年くらいかけて、ゆっくりと読んだ。どこを読んでも東京の長い夜を過ごす人たちを描いていて、まだ眠りたくない夜に、時間をかけて読むのにふさわしい一冊だった。 ある登場人物が、私はいま夢を見ているのか、と感じながら会話をして買い物をするシーンがある。始めから最後まで、この本を読んでい...
半年くらいかけて、ゆっくりと読んだ。どこを読んでも東京の長い夜を過ごす人たちを描いていて、まだ眠りたくない夜に、時間をかけて読むのにふさわしい一冊だった。 ある登場人物が、私はいま夢を見ているのか、と感じながら会話をして買い物をするシーンがある。始めから最後まで、この本を読んでいてそんな心地だった。ふわふわと数センチ浮かんでいるようで、現実との境目が曖昧で、特に劇的な出来事も大きな感銘も生まれないけれど、色々な思いをそっと自分の中に置いていく… それなのに最後にはさまざまなピースが収まるところに収まって、始めからここに向かっていたのかと不思議な気持ちになった。 私は一時、介護の仕事をしていた。週に一回夜勤の日があったため、彼らと同じように幾度となく夜から朝に変わる瞬間を目にした。 深夜は誰もが寝静まり、起きているのが自分だけという心細さもありながら、たまに起きてくる入居者と話をしていると、まるで秘密の時間を過ごしているような楽しさもあった。(一方で夜は転倒事故も起きやすいという難点もあるが…) そこから夏は4時くらいになってくると空がうっすら色を持ち始め、近くで飼育されているニワトリが鳴き始める。夜明けの澄んだ空気を吸いながら、朝が来るぞと気合いを入れ直す。 いそいそと入居者を起こす準備をしていると、気づけば7時になり、夜勤明けには直視できないくらいまぶしい光が窓から差し込んでくる。この瞬間の、あぁ終わった…という達成感と少しの寂しさは介護を辞めた今でも、ずっと忘れられない。 あの頃この本を読んでいたら、真夜中を過ごして夜明けの空を見ている人間は自分だけじゃないんだと、少し勇気をもらえたかもしれない。
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色々な話が実は繋がっている短篇集。 忙しなさから解放された夜のゆっくり時が流れる感じとか、自分に向き合える感じが心地よかった。 だが登場人物が多すぎて、この人なんだっけとなることが多く、一気読みのほうがいいかも。
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掴みどころのない不思議な人たちの夜の話。タクシー運転手の松井さんが運ぶ奇妙な繋がり。不思議だけど怖くは無い、心地よい夜が描かれている。 どこかふわふわとしていて、まるで夢みたいで、朝になったら忘れてしまいそうな物語 偶然が重なってそれぞれが願う所へたどり着こうとする過程が愛お...
掴みどころのない不思議な人たちの夜の話。タクシー運転手の松井さんが運ぶ奇妙な繋がり。不思議だけど怖くは無い、心地よい夜が描かれている。 どこかふわふわとしていて、まるで夢みたいで、朝になったら忘れてしまいそうな物語 偶然が重なってそれぞれが願う所へたどり着こうとする過程が愛おしい。ほんとうに偶然なのかはわからないけど。
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短編なのに長編。 読み終わると、登場する全ての人の生きる営みが、一気に蘇ってくる。 再読するたびに、友人が元気で過ごしているという便りをもらうような感覚が生まれそう。
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全12篇が、ほぼ「時計の針が1時になった」で始まる連作短編集です。この出だしの一文だけで、東京という都会の喧騒や眩しい光の煌きとは無縁の、静謐な夜の世界に引き込まれます。 この物語の肝は、「人のつながりは様々で、その理由の道筋やきっかけは、東京には無数にある」ってことかな‥...
全12篇が、ほぼ「時計の針が1時になった」で始まる連作短編集です。この出だしの一文だけで、東京という都会の喧騒や眩しい光の煌きとは無縁の、静謐な夜の世界に引き込まれます。 この物語の肝は、「人のつながりは様々で、その理由の道筋やきっかけは、東京には無数にある」ってことかな‥。すれ違いや偶然も含め、そんなたくさんのつながりの中の一場面を、吉田さんは温かく照らし、滋味深く綴っているように感じました。 人々が寝静まった「夜」の描写の中に、いろいろな事情を抱えた人が登場し、つながっていきます。古く使われなくなった物や過ぎ去った中に何かを探している人、なかなか決断できない人など‥。でも、「東京で暮らすこと=夢や希望をあきらめる、つながりが儚いこと」にせず、東京の光と影の影の部分にも優しさを示してくれる内容に思えます。 なぜか、『深夜食堂』の小林薫が語る「一日が終わり、人々が家路へと急ぐ頃、俺の一日は始まる。」の冒頭台詞と共に、登場人物たちを思い出しました。こちらは夜の東京の哀愁と人情の世界‥。 対して本作は、同じ深夜でも感情の振れ幅が少なく、洗練されたイメージですね。元々吉田作品には幻想的な雰囲気があるのですが、本作にはリアリティも感じます。 通読して感じるのは、不器用さや不安、後悔や迷いなどを肯定してくれる心地よさです。そのままでいいんだよと‥。この安心感があるからこそ、吉田作品は支持されるのかなと思います。とりわけそんな思いを強くする本作でした。 読了しレビューを書き終えたら、「時計の針は午前1時に迫っている。」 (東京じゃないけど)おやすみ、東京
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なんてお洒落な。みんなが眠りにつく深夜の街。静かな夜の街に、それぞれの人生のストーリー。その小さなストーリーが交差点のように、交じり合って、重なり合って、すれ違って。それぞれのささやかな出会いを、夜空の星になって、上から静かに眺めているような、そんな感覚を味わって、とても柔らかい...
なんてお洒落な。みんなが眠りにつく深夜の街。静かな夜の街に、それぞれの人生のストーリー。その小さなストーリーが交差点のように、交じり合って、重なり合って、すれ違って。それぞれのささやかな出会いを、夜空の星になって、上から静かに眺めているような、そんな感覚を味わって、とても柔らかい気持ちになった。
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初めて連作短編というものを読んだけれど、一見繋がっていないような話が、ある人や場所を介してスっと交わる瞬間がとても気持ちよくて、ハマった!って感じがして読んでいて楽しかった。 それぞれの短編の主人公たちが抱えているものを、最後にどう回収するのかワクワクしながら読み進めることが出来...
初めて連作短編というものを読んだけれど、一見繋がっていないような話が、ある人や場所を介してスっと交わる瞬間がとても気持ちよくて、ハマった!って感じがして読んでいて楽しかった。 それぞれの短編の主人公たちが抱えているものを、最後にどう回収するのかワクワクしながら読み進めることが出来て、とっても素敵な回収の仕方でした。
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深夜の東京のどこかで起きた一人一人の短篇が どこかで誰かとすれ違って少しずつ繋がって ひとつの長篇になっていく 今時は地方もそこそこ発達して 人も物欲が薄れていて 東京に住む魅力が薄れていると テレビで前に見かけたけど こういう偶然に同じ時間同じ場所に居合わせた というだけで...
深夜の東京のどこかで起きた一人一人の短篇が どこかで誰かとすれ違って少しずつ繋がって ひとつの長篇になっていく 今時は地方もそこそこ発達して 人も物欲が薄れていて 東京に住む魅力が薄れていると テレビで前に見かけたけど こういう偶然に同じ時間同じ場所に居合わせた というだけで人が繋がって物語が生まれるのは たくさんの人がいる東京でしか起きない気がする 東京はそこが魅力なんだろうなー 人やモノに出会って 物語が生まれるチャンスに溢れている 東京こわいけど憧れの町、東京
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