おやすみ、東京 の商品レビュー
掴みどころのない不思議な人たちの夜の話。タクシー運転手の松井さんが運ぶ奇妙な繋がり。不思議だけど怖くは無い、心地よい夜が描かれている。 どこかふわふわとしていて、まるで夢みたいで、朝になったら忘れてしまいそうな物語 偶然が重なってそれぞれが願う所へたどり着こうとする過程が愛お...
掴みどころのない不思議な人たちの夜の話。タクシー運転手の松井さんが運ぶ奇妙な繋がり。不思議だけど怖くは無い、心地よい夜が描かれている。 どこかふわふわとしていて、まるで夢みたいで、朝になったら忘れてしまいそうな物語 偶然が重なってそれぞれが願う所へたどり着こうとする過程が愛おしい。ほんとうに偶然なのかはわからないけど。
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短編なのに長編。 読み終わると、登場する全ての人の生きる営みが、一気に蘇ってくる。 再読するたびに、友人が元気で過ごしているという便りをもらうような感覚が生まれそう。
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全12篇が、ほぼ「時計の針が1時になった」で始まる連作短編集です。この出だしの一文だけで、東京という都会の喧騒や眩しい光の煌きとは無縁の、静謐な夜の世界に引き込まれます。 この物語の肝は、「人のつながりは様々で、その理由の道筋やきっかけは、東京には無数にある」ってことかな‥...
全12篇が、ほぼ「時計の針が1時になった」で始まる連作短編集です。この出だしの一文だけで、東京という都会の喧騒や眩しい光の煌きとは無縁の、静謐な夜の世界に引き込まれます。 この物語の肝は、「人のつながりは様々で、その理由の道筋やきっかけは、東京には無数にある」ってことかな‥。すれ違いや偶然も含め、そんなたくさんのつながりの中の一場面を、吉田さんは温かく照らし、滋味深く綴っているように感じました。 人々が寝静まった「夜」の描写の中に、いろいろな事情を抱えた人が登場し、つながっていきます。古く使われなくなった物や過ぎ去った中に何かを探している人、なかなか決断できない人など‥。でも、「東京で暮らすこと=夢や希望をあきらめる、つながりが儚いこと」にせず、東京の光と影の影の部分にも優しさを示してくれる内容に思えます。 なぜか、『深夜食堂』の小林薫が語る「一日が終わり、人々が家路へと急ぐ頃、俺の一日は始まる。」の冒頭台詞と共に、登場人物たちを思い出しました。こちらは夜の東京の哀愁と人情の世界‥。 対して本作は、同じ深夜でも感情の振れ幅が少なく、洗練されたイメージですね。元々吉田作品には幻想的な雰囲気があるのですが、本作にはリアリティも感じます。 通読して感じるのは、不器用さや不安、後悔や迷いなどを肯定してくれる心地よさです。そのままでいいんだよと‥。この安心感があるからこそ、吉田作品は支持されるのかなと思います。とりわけそんな思いを強くする本作でした。 読了しレビューを書き終えたら、「時計の針は午前1時に迫っている。」 (東京じゃないけど)おやすみ、東京
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なんてお洒落な。みんなが眠りにつく深夜の街。静かな夜の街に、それぞれの人生のストーリー。その小さなストーリーが交差点のように、交じり合って、重なり合って、すれ違って。それぞれのささやかな出会いを、夜空の星になって、上から静かに眺めているような、そんな感覚を味わって、とても柔らかい...
なんてお洒落な。みんなが眠りにつく深夜の街。静かな夜の街に、それぞれの人生のストーリー。その小さなストーリーが交差点のように、交じり合って、重なり合って、すれ違って。それぞれのささやかな出会いを、夜空の星になって、上から静かに眺めているような、そんな感覚を味わって、とても柔らかい気持ちになった。
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初めて連作短編というものを読んだけれど、一見繋がっていないような話が、ある人や場所を介してスっと交わる瞬間がとても気持ちよくて、ハマった!って感じがして読んでいて楽しかった。 それぞれの短編の主人公たちが抱えているものを、最後にどう回収するのかワクワクしながら読み進めることが出来...
初めて連作短編というものを読んだけれど、一見繋がっていないような話が、ある人や場所を介してスっと交わる瞬間がとても気持ちよくて、ハマった!って感じがして読んでいて楽しかった。 それぞれの短編の主人公たちが抱えているものを、最後にどう回収するのかワクワクしながら読み進めることが出来て、とっても素敵な回収の仕方でした。
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深夜の東京のどこかで起きた一人一人の短篇が どこかで誰かとすれ違って少しずつ繋がって ひとつの長篇になっていく 今時は地方もそこそこ発達して 人も物欲が薄れていて 東京に住む魅力が薄れていると テレビで前に見かけたけど こういう偶然に同じ時間同じ場所に居合わせた というだけで...
深夜の東京のどこかで起きた一人一人の短篇が どこかで誰かとすれ違って少しずつ繋がって ひとつの長篇になっていく 今時は地方もそこそこ発達して 人も物欲が薄れていて 東京に住む魅力が薄れていると テレビで前に見かけたけど こういう偶然に同じ時間同じ場所に居合わせた というだけで人が繋がって物語が生まれるのは たくさんの人がいる東京でしか起きない気がする 東京はそこが魅力なんだろうなー 人やモノに出会って 物語が生まれるチャンスに溢れている 東京こわいけど憧れの町、東京
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東京の午前一時から始まる、12の連作短編のような長編小説。 本屋さんをウロついている時になんだか気になって手にとった1冊でした。 偶然が少しずつ重なって、たくさんの人たちが絡み合っていく不思議なストーリーなんだけど、東京の午前一時っていう真夜中が舞台だからなのか、時間の流...
東京の午前一時から始まる、12の連作短編のような長編小説。 本屋さんをウロついている時になんだか気になって手にとった1冊でした。 偶然が少しずつ重なって、たくさんの人たちが絡み合っていく不思議なストーリーなんだけど、東京の午前一時っていう真夜中が舞台だからなのか、時間の流れがゆっくり感じられて、とても心地良かったです。 バー「M」のコークハイ、飲んでみたいなぁ。
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文字数が少なめで読みやすいかと思えば話がコロコロ変わるので少し混乱しました。読み進めていくと登場人物の謎とか繋がりが見えてくるストーリー。受動的に読んでいると解釈が難しい。
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真夜中の東京の一角にスポットライトを照らしたような、何者でもない人々の偶像劇。穏やかでどこか優しげな午前1時の物語がゆっくりと心に染み渡った。
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午前1時の東京が舞台だけれど、現実世界からはちょっと距離があるところのように感じられた。不思議。 もっとずっと先って思うこと、たくさんあるよなあ。思わぬところで人と繋がっていたりすること、あるよな。心がざわざわした時や眠れない夜に読み返したい。
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