1,800円以上の注文で送料無料

紅蓮館の殺人 の商品レビュー

3.3

351件のお客様レビュー

  1. 5つ

    28

  2. 4つ

    110

  3. 3つ

    145

  4. 2つ

    45

  5. 1つ

    4

レビューを投稿

2020/04/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読書復権のための読書。 毎日終電で帰ってきて、読書の時間はなかなか取れない。たまに本を開いてみても、数ページで眠りに落ちていることもある。 まとまって時間が取れないと、携帯でブラウジングなどして暇を潰してしまいがちで、本を開かなくなっていた。 だが仕事が忙しいから読書をしなくなるというのは、言い訳に過ぎなくて、その証拠に本書は、続きが気になって2、3日で一気に読んだ。 自分の中で読書を「復権」させるには、やっぱりミステリーに頼ってしまう。ミステリーやエンタメ小説と純文学では、優劣などもちろんないけれど、ミステリを読み進めるほどに面白くて止まらなくなり、気がついたら朝まで読み通した記憶のある人は多いのではないか。いやいないかもしれないけど。 ミステリが読書の楽しさを最も実感させてくれるのは、読んでいる途中余計なことを考えなくて良いからではないか。私はつい作者の表現したいことは何かとか、この本の優れているところはどこかとか、考えてしまいがちだけど、ミステリはただ筋書きに沿って、探偵以外の登場人物たちと同じようにハラハラし、驚いていればいいのだと思う。物語を楽しむことの最も純粋な現れ、ミステリを読んでいるとそのように感じる。 さて、本書である。 私の場合ミステリは王道主義で、変なひねりなど必要ないと思っている。様式美で、用意された型で驚きたいのである。その意味で、現代のミステリは変に凝ったシュチュエーションだったりするため、普段は警戒して購入しないのだったが、本書は作者が東大出身の若手であって、珍しいなと思ったのと、本格ミステリランキングでも上位に位置しておりハズレはないと思ったのだった。 案の定、山奥の山荘、館内の仕掛け…など、「お約束」がきちんと踏まえられていて、良かった。話の構成も緻密で、著者が丁寧に物語を構築していったんだろうと想像させる。 きになるとしたら、「探偵」という存在、在り方についての議論が多かったが、現実の事件では、「探偵」などというものがいて熱弁を振るうことはない。「探偵」という者たちが戯画的は姿になってしまったから・・・

Posted byブクログ

2020/04/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

クローズドサークル、そして館と名のつくミステリ。中盤くらいからものすごく面白かった。最後、気持ち悪かった部分もスッキリ解決。でも後味最悪ですね。

Posted byブクログ

2020/04/18

火に囲まれた館で起こった、殺人事件の話。ロジカルな謎解き要素よりも、人物描写から真相に迫る謎解き要素がおもしろくて印象的です。特に探偵と元探偵の掛け合いは良い意味でミステリーらしくなくて新鮮でした。

Posted byブクログ

2020/04/09

設定というか、能力?に面白さを感じた。ミステリーは色々な設定が出尽くした中で今後に期待出来る作品となった。 主人公が若く、性格的に成熟していない発展途上であるところも好感がもて続編を待ちたい。

Posted byブクログ

2020/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

謎を解くか、解かないか、どちらが正しいのかを考える話。元名探偵と、現役の名探偵が、信念をぶつけ合うところが印象的だった。 だけど最後の彼女の言い分は、正しくないと思う。 彼女は「わたしは誰も死なせなかった」と言い張っても、自分の怨恨のために女の子の死体を冒涜した。 つばさが本をとりに行ったのは、葛城への好意から出た行動で、それを彼女の憎しみなんていう汚い感情と同列にしないでほしい。普通にむかついた。イヤミスなのかな。

Posted byブクログ

2020/03/07

台詞回しがすごい戯曲的というか、よく言えばテンポよく、悪く言えば大げさ。 最近こういうセリフの間がつまった書きぶりのミステリ多いな、時代かしらと思いながら読みました。 あと「扇形」って書いてるところ「弧」または「カーブ」にしたほうがいいんじゃないかと思う。

Posted byブクログ

2020/03/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

良い所 古き良きクローズドサークルと仕掛けのある館 悪い所 海外ミステリ作品のオマージュてんこ盛り 「探偵の生き方」、探偵の辛さを語り過ぎる 会話文が余りにも読みづらい この令和の時代に盗賊? 吊り天井の部屋の見取り図はもっと早めに出した方が良い

Posted byブクログ

2020/03/01

山火事により閉ざされた洋館での殺人事件が起きる。犯人を捜すべきか、それとも脱出経路を探すのを優先すべきか。現役の探偵とワトソン、そして過去探偵をしていた者という探偵二人という構成に、どんな対立があるのやらと思っていたが、推理合戦というより探偵とはとどういうものかという哲学的なやり...

山火事により閉ざされた洋館での殺人事件が起きる。犯人を捜すべきか、それとも脱出経路を探すのを優先すべきか。現役の探偵とワトソン、そして過去探偵をしていた者という探偵二人という構成に、どんな対立があるのやらと思っていたが、推理合戦というより探偵とはとどういうものかという哲学的なやりとりの応酬がメインのよう。お決まりのクローズドサークル物を期待してしまっていたので、少々肩すかしを食らった。せっかくの館なのにもったいない。

Posted byブクログ

2020/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久しぶりに良作なミステリー小説に出会った。 登場人物全員が怪しく、終盤につれて次々と登場人物の正体が暴かれていく様は興奮した。 過去と現在の繋がりが次々とパズルのように繋がっていき、最終的に復讐に到達。 館に集まった半数以上が最終的に犯罪者だった事実。主人公を含めた探偵二人が山火事と逃げ場のない館で推理を暴くタイミングすら重要となっている状況下での推理劇。この二つの出来事が衝撃的で未だこのようなミステリー小説には会ったことがない。 とても良作だった。

Posted byブクログ

2020/02/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

山火事の中、避難した館で起こった事件。その事件の謎と、炎が館を包むまでに脱出経路を見つけるという二つの謎を解き明かしていく切羽詰まった内容です。その他にも過去の連続殺人犯の話なども絡んで盛り上がって行きます。話自体は時間に追い詰められるスピーディな感じでいいのですが、個人的な好みの問題で、館に集まった登場人物達の設定が大渋滞している気がして、さらに元探偵が鼻につくというか、イラっとしました。お前も不幸になれー的な雰囲気が嫌。

Posted byブクログ